最 近の和白干潟

2011年9月


9月26日筑陽学園中学校3年生の和白干潟自然観察報告
9月24日和白干潟 クリー ン作戦と自然観察報告
9月22日 '11年秋期シギ・チドリ調査(3)報告
9月4日,11日 '11年秋期シギ・チドリ調査(2)報告
9月11日和白海岸探鳥会報告





9月26日(月) 筑陽学園中学校 和白干潟校外理科学習報告


筑陽学園中学校3年生2クラス72名と先生4名の和 白干潟校外理科学習に協力

日  時:2011年9月26日(月)10:10〜14:30 −晴− 大潮 満潮  8:37 干潮 14:46:

和白干潟を守る会の自然観察ガイド:5名、カメラ:1名


  筑陽学園中学校秋の校外理科学習は、底生生物の研究者として和白干潟に来られていた、
元同校教諭の逸見さんの指導で始まり、今年で19回目との ことでした。

  さわやかな秋晴れに恵まれ、海の広場で挨拶。
和白干潟について紙芝居を使って紹介し、ガイドが自己紹介し、生徒たちの写真撮影の後、
望遠鏡を使っての野 鳥観察をしました。

      干潟の話     話に聞き入る生徒たち
         <干潟のお話>                                                  <話に聞き入る生徒たち>

  あいにく、鳥の数は少なかったのですが、今年初めて姿を見せたオナガガモ9羽を見ることができて幸運でした。
そのほかウミネコ、カワウ、アオサギ、ダイサギ、コサギ、トビなども観察できました。

      野鳥観察
         <望遠鏡で野鳥の観察>   

今回は潮が引いていないため、10時50分から早めの昼食を取り、11時50分から干潟の生 き物観察を始めました。

      アサリの採り方講習     アサリ採り
         <アサリの採り方臨時講習会>                                         <早速、アサリ採り>

干潟を手で掘ってアサリやオキシジミを探しあてたり、海水浄化実験では、アサリなど二枚貝を入れた
ペットボトルの海水が見事に海水を 浄化していることを目の当たりにして感嘆の声が上がりました。

      アサリの浄化実験
         <二枚貝による浄化実験>   

砂地でのコメツキガニ探し、アシ原でのアシハラガニ探しなど、夢中になって採集するほほえま しい光景が見られました.

      アシ原でアシハラガニ探し     コメツキガニ
         <アシ原の中でアシハラガニ探し>                                         <可愛いコメツキガニ>

引き続き14時10分まで生徒が9班に分かれ、干潟の生物調査を行いました。

9つのテーマのうち、干潟を守る会ガイドは干潟動物 生息調査(砂地、砂泥地、泥地・岩場)、干潟の汚染とアオサ調査、
干潟沿岸の植物調査をサポートしました。

      砂地班     砂泥地班
         <砂地の生き物調査班>                                                    <砂泥地の生き物調査班>

      泥地・岩場班     カニの巣穴班
         <泥地・岩場の生き物調査班>                                         <カニの巣穴調査班>

      アオサ班     植物班
         <干潟の汚染とアオサの調査班>                                         <干潟沿岸の植物調査班>
     
      汚染と浄化能力班    
         <干潟の汚染と浄化能力の調査班>    
                   
  砂地では、コメツキガニは多かったものの、例年見られるマメコブシガニがまったく観察できませんでした。
砂泥地も、今年は例年より動物が少ないという印 象を受けました。
岩場ではトビハゼやハクセンシオマネキ、クルマエビなどが観察されました。

   アオサは毎年大量発生し、堆積して腐敗し、干潟の環境汚染の一 因となっていましたが、今年は極端に少なく、
点在するだけで堆積はまったくありませんでした。時期的に発生が遅くなっているのか、今年は発生が少ないのか
今後の経過を見守り、専門家の調査が必要と思われました。

沿岸の植物は、塩生植物のハママツナが紅葉し始め、ハマナデシコは、ナデシコJAPANの影響も あっ
て調査前から関心を集めていました。

      ハママツナ群落
         <唐原川流域に拡がるハママツナ群落>   

草笛をうまく吹きこなす生徒もいて、自然に溶け込むことのできたひと時ではなかったでしょうか。
植物調査の用紙が 事前に配られていなかったことは残念でした。
また、備品をおき忘れ、失くしたりする生徒もいるので、ガイドも注意することが必要です。

14時15分からまとめを行い、和白干潟の自然に触れて、保全することの意味と、楽しさを学んでもらえたようです。

●観察された鳥       : オナガガモ(初)9、ウミネコ20、アオサギ1、ダイサギ3、コサギ1、カワウ10、トビ1

●観察された生き物 : アシハラガニ、コメツキガニ、ケフサイソガニ、ハクセンシオマネキ、アカテガニ、
                               クロベンケイガニ、
                               アサリ、ソトオリガイ、オキシジミ、マガキ、ウミ二ナ、ホソウミ二ナ、アラムシロガイ、
                               アマガイ、タマキビガイ、ケハダヒザラガイ、ツボミガイ、ヤドカリ、
                    クルマエビ、トビハゼ、ミズクラゲ

●観察された海藻    : オゴノリ、ボウアオノリ、アナアオサ

●観察された植物    : シバナ(穂)、ハママツナ(紅葉)、ハマサジ(花)、ハマニンニク、ハマナデシコ(花)、
                            ハマヒルガオ、ハマエンドウ、イソホウキギ、ハマウド(種)、コマツヨイグサ(花)


  ( 報告 : 今村 恵美子 ) 




9月24日和 白干潟 クリーン作戦と自然観察報告


◆9/24 (土)「国際ビーチクリーンアップ」参加の和 白干潟クリーン作戦と自然観察報告

●日 時9/24(土) 15:00〜17:00    晴       

● 参加者 : 合計31名
                      カルビー株式会社13人内(8才、10才)、パタゴニア福岡:1名
                      一般:4名(内、城東高生2人)、和白干潟を守る会:13名       

●回収ゴミ : 合計・・・20袋
                     可燃ゴミ・・・19袋 
                     不燃ゴミ・・・・ 1袋
                     粗大ゴミ・・・草木、板・・・・・10本
                                                                    
●観られた鳥・・・・サギ類、カラス数羽、


   今和白干潟では、いろんな種類の草花が生い茂り賑わいを見せています。
アシの穂も出始めや大分大きくなったのもあり又、シロバナサクラタデは長期に渡り花を咲かせています。
センニンソウは花が落ちて綿毛の前の第二ステップで、きらきらと輝き実に成る前の様子がとても綺麗です。

     作業内容の説明
                <作業内容の説明>        

     干潟の清掃1     干潟の清掃2
                 <干潟の清掃(1)>                                           <干潟の清掃(2)>  

広場ではキンエノコロが沢山穂を付けて輝き、虫たちもいて自然を感じることが出来ます。
嬉しい事に乾いた干潟には、コメツキガ二の大小の砂団子と巣穴で足の踏み場も無い位になっています。

  クリーン作戦では、毎年9月は国際ビーチクリーンアップ参加のゴミデータ調査を行いました。

     ゴミの仕分け1     ゴミの仕分け2
                <ゴミの仕分けと記録(1)>                                  <ゴミの仕分けと記録(2)>  

     仕分けが終ったゴミ
                   <仕分けが終ったゴミ>        

毎月何処其処の企業から参加をして頂いていますが、今回は初めてカルビー(株)様より13人参加をして頂きました。
高校生の個人参加もありました。

例年沢山の人工ゴミやアオサも有りますが、今年は珍しくアオサや粗大ゴミの漂着が無く、仕分けもスムーズに
進みました。毎月のクリーン作戦でもこの位ゴミが 少ないと助かります。

     報告会     記念写真
                   <報告会>                                                         <記念写真>   

 参加の皆様有難うございました。お疲れ様でした。
 
  (報告:田辺スミ子)



◆9/24 (土) 水質調査と砂質調査結 果

水質調査結果 (測定:重松) 
      測定場所:海の広場
            リン酸イオン(PO4)               :    0.02mg/l
            化学的酸素要求量(COD)     :      5.0mg/l 
             亜硝酸(NO2)                      :      0.01mg/l
             透視度                               :    31. 0p

砂質調査結果 (測定:山之内)
     基点:海の広場前          ※9/23(金)に測定
     測定場所:浜辺側 10メートル
             測定点@ 表層酸化層の厚さ: 4o 還元層の黒色度:12
             測定点A 表層酸化層の厚さ: 3o 還元層の黒色度:12
             測定点B 表層酸化層の厚さ: 5o 還元層の黒色度:12
     測定場所:沖合い 150メートル
             測定点@ 表層酸化層の厚さ: 9o 還元層の黒色度:11
             測定点A 表層酸化層の厚さ:11o 還元層の黒色度:12
             測定点B 表層酸化層の厚さ:11o 還元層の黒色度:11

    ( 報告 : 山之内芳晴 )



9月22日 '11年秋期シギ・チ ドリ調査(3)報告

●2011秋期シギ・チドリ調査3回目を行いましたので報告します。

1.今津は今回はお休みです。
 

2.博多湾東部では、9/22(木)に調査を行いました。 
 
     コアオアシシギ3羽、アオアシシギ14羽、キアシシギ6羽など、5種40羽がカウントされました。
     他にはミサゴ4羽が観察されました。


     博多湾東部は若潮の干潮時でしたが、奈多や雁ノ巣はほとんど干潟が出ませんでした。
   秋の調査は余り干潟が出現しないという悪条件での調査でした。

          調査風景(1)     調査風景(2)
                      <調査風景(1)>                                              <調査風景(2)>  

   奈多では クリークに少しキアシシギやイソシギなどがいました。

          キアシシギ     イソシギ
                        <キアシシギ>                                                <イソシギ>  

   多々良川にはコアオアシシギも来ていました。
   畑にいることが多いアマサギが7羽、干潟に入っていまし た。

   今秋の博多湾東部はアオサの発生が全体に少ないようですが、名島海岸には多めにアオサが漂着していました。
   今回の調査時間に港湾局による名島海岸での アオサ回収作業が行われていました。

   香椎海岸や雁ノ巣海岸、和白海岸にも、前回の調査時よりは多くアオサがありました。
   潮干狩りやゴカイ採りで干潟に入っ ている人は10名でした。

          雁ノ巣海岸のアオサ
                        <雁ノ巣海岸のアオサの状況>                     
 
   調査参加者は6名でした。
   調査に参加された皆さん、お疲れ様でした。        

 
   ( 報告 : 山本  廣子 )






9月4日,11 日 '11年秋期シギ・チ ドリ調査(2)報告

●2011秋期シギ・チドリ調査2回目を行いましたので報告します。

1.今津では9/4(日)、午前中に調査を行いました。
 
     トウネン49羽、タカブシギ11羽、アカエリヒレアシシギ6羽など、17種119羽がカウントされました。


2.博多湾東部では、9/11(日)に調査を行いました。 
 
     アオアシシギ19羽、キアシシギ12羽、ソリハシシギ5羽など、4種52羽がカウントされました。
     他にはミサゴ5羽が観察されました。
 


    博多湾東部は大潮の干潮時でしたが、潮高が低く、奈多や雁ノ巣はほとんど干潟が出ませんでした。
  大潮というだけでは引かないこともあるのですね。

    奈多ではクリークに少しキアシシギなどが入っていました。
  今秋はアオサの発生が少ないようですが、名島海岸には全面にアオサが広がっていました。
  香椎海岸や雁ノ巣海岸でも少しアオサがありました。

    潮干狩りやゴカイ採りで干潟に入っている人は約90名でした。
    調査参加者は12名でした。

    調査に参加された皆さん、暑い中、お疲れ様でした。


   ( 報告 : 山本  廣子 )


 



9月11日(日)和 白海岸探鳥会報告


和白海岸定例探鳥 会 ( 主催:日本野鳥の会 福岡 ) 報告

日   時 : 2011年9月11日(日)    − 晴れ −

コース  : 和白海岸  和白川河口〜塩浜堤防〜五丁川河口〜奈多 ―

[観察鳥種] 22種   [参加者数] 14人


   よく晴れ渡って蒸し暑い、残暑の厳しい日でした。この暑さのせいか参加者は少なく14人。
集合地の和白公園で、熱中症に気をつけ水分をとること、今日は東日本大震災からちょうど半年経つことを
山本さんが話しました。
蒲生干潟で希少動植物の確認のニュースは記憶に新しいですね。これからも応援していきたいと思います。
この暑さの中にも、秋を感じさせる少し色づいた桜の葉。

     本日見られるであろう野鳥の説明     秋、色付く
              <本日観られるであろう野鳥の説明>                                         <秋、色づく>  

和白公園ではイソヒヨドリを一羽見つけました。
  この日は満潮直後だということもあり、鳥たちの足場になるはずの干潟がほとんど沈んでいました。
鳥の気配は少なく、体の大きなアオサギやダイサギが悠々と姿をみせるばかりでした。
鉄塔にカワウが一羽、ウミネコが牧の鼻方向の海辺に一羽浮いていました。

  植物に詳しい方がおり、ルート周辺の草花を説明してくださいました。
馬(駒)を繋げるほど茎の丈夫なコマツナギ、サオトメカズラという優雅な別名を持つヘクソカズラ、
左右非対称の葉を持つアキニレなどなど、面白い話が聞けました。

     観察会光景1     コマツナギ
              <探鳥会光景1>                                                 <コマツナギ・・・「駒繋ぎ」>  
       
大きくなったセンダンの木の下で厳しい日差しを避けました。
鳥たちを囲む自然環境と生態系に興味を持つことも大切ですね。
道端にはハギ、クズ、ツルボなどの秋の花が咲いていました。

     観察会光景2     クズ
              <探鳥会光景2>                                                      <クズの花>  


エノコログサやカヤツリグサの仲間など、秋を感じさせる穂がたくさん出ています。
 トビが変わった鳴き方をしているので見てみると、カラスが悪さをしているようでした。
最初はつがいかと思っていたのですが、片方は幼鳥なので親子のようです。
顔が幼くひとまわり小さいのです。親鳥がカラスを牽制しているようでした。
しばらくすると二羽で空を滑空していました。
 下水処理場近くのクリークでキアシシギとイソシギが並んでとまっていました。
二種の違いをしっかりと見るチャンスでした。
他にはカワセミが二回現れてすぐ飛んでいってしまったのですが、やはり人気者でした。
ホオジロもアシの中にいました。

     ツルボ     鳥合わせ
                 <ツルボ>                                                      <木陰で鳥合わせ>  

  今回の探鳥会は、あれだけ鳴いていたオオヨシキリの声が恋しいと同時に、渡り鳥たちが待ち遠しくも感じました。
鳥の数こそ少なかったですが、参加者の方々には新しい発見も多かったようで、楽しい時間が過ごせました。              
 
          ( 参加者の感 想 )
                 ・アオサギがすぐ近くで見れたので、とても印象に残った。
                 ・トビがあんなにきれいだったとは。猛禽類らしく凛々しい。
                 ・キアシシギの黄色い足がきれい。泳がないと言われていたのに、目の前で泳ぎ出したので驚いた。
                 ・珍しいキアシシギを見れてよかった。尾を盛んに振るのがいい。
                 ・今回初めて参加するまで何の気なしに見ていた野鳥が、身近にはっきり見れたので感動した。
                  今回参加させてもらったことは貴重だったと思う。


( 報告 : 池田 尚美 )

 
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