最近の和白干潟


2013年6月

和白干潟のクリーン作戦と自然観察報告(6月22日)

「ラブアースクリーンアップ2013」参加報告(6月16日)

定例探鳥会報告 和白海岸(6月9日)

香椎保育所の和白干潟観察会報告 (6月3日)

第16期和白干潟の自然観察ガイド講習会「和白干潟の水質や底質を学ぼう!」報告(6月2日)



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  和白干潟のクリーン作戦と自然観察報告


     ●日時:6/22 (土)15:00~17:00 
   ●参加者:56名:一般6名(小31名、小51名)、九州産業大生34(内名教師1名)、守る会:16名
   ●回収ゴミ:合計:241袋可燃ゴミ:240袋(アオサ、人工ゴミ、自然ゴミ、)、不燃ゴミ:1袋 粗大ゴミ:トタン板大1枚、木枝3本、浮き小1個、板2枚
   鳥は:季節的に渡り鳥がいなくて、干潟にはたくさんのカラスが居ました。後背地ではウグイス、シジュウカラ、コゲラ、カワラヒワなどの鳴き声とスズメ、朝はホオジロを観る事が出来ました。

    今和白干潟では、アシが伸び盛りで2m以上になったのも有り、益々濃い緑になりアシ原の小道も通りにくくなりましたが、ハマウドは実をつけ、ヤマアワの(クサヨシ)穂が出始めておりまだハマヒルガオやテリハノイバラの
   花も観られて、今まさに満開で綺麗なのは、アシ原の前にある1本のネムノキが楚々としたピンクの花を咲かせていてひときわ目立っています。

          


   クリーン作戦では、九州産業大生や、早良区、大宰府から遠路来て頂き大勢の若人の力を借り、広場前から唐原川河口と広範囲に清掃することが出来ました。
   16日にラブアースで清掃したばかりなので人工ゴミは少ないですが、唐原川河口右岸のアシには沢山のアオサが打ち上げられており、中には10センチ位の厚みに成った所も有りました。今年は雨が少なかった為か今年はアオサの発生が   早く、栄養豊富なのか急激に大きく育っています。河口付近のアシにはフジツボが付いて枯れているのも多々有りました。今回は約7割がアオサの回収でした。清掃後は見事に綺麗になりました。
   最後に参加者全員で歓談をし、記念撮影をしてから散会しました。
   
         

   参加の皆様有難うございました。お疲れ様でした。

   (S・T)

   以上


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ラブアースクリーンアップ2013」参加報告

    日時:2013年6月16日(日) 09:00~11:00
   参加者:285人(団体280人、個人5人)
      団体 JA福岡市東部 豊穣会:120人
      福岡工業大学附属城東高等学校:126人
      さくら日本語学院:26人
      和白干潟を守る会:8人
      個人、一般参加者:5人
   回収ゴミ:126袋 赤袋(燃えるゴミ):88袋 黄袋(プラスチックゴミ):27袋  青袋(空き缶):8袋  麻袋(割れ物):3袋

    晴天のもと、9時に海の広場で開会式。クリーンアップ事務局からのメッセージを代読、清掃範囲とゴミの分別について説明した後清掃に入りました。

                             

   今日は、JA福岡市東部さんのグループは塩浜護岸から海の広場までを清掃し、その他のグループは海の広場から唐の原川河口までを清掃することにしました。
   ゴミとしてはペットボトルなどのプラスチックゴミのほかに、枯れ葉や打ち寄せたアオサなどを回収しました。ゴミはけっこう古いゴミも回収できていたように思いました。
   たくさんの若者の参加で、1時間半ほどで浜辺はきれいになりました。今日は水鳥を見る余裕はなかったのですが、大きなハクセンシオマネキが嬉しそうに、我々を迎えてくれました。
   清掃中、城東高校の先生に聞いてみましたら、参加された生徒さん、1年生から3年生までおり、生徒からの申し出とのことでした。
   また、さくら日本語学院からは26名のベトナム人留学生の参加もあり、若者の環境意識の高まりは頼もしいですね。
   そんな中、気分が悪くなった城東高校の女子生徒がいました。強い日差しの中、参加した高校生の多くが帽子などをかぶっておらず、次回からは学校の方へ帽子の着用をお願いしようと思っています。
   また、少量の冷えたお茶などの準備もしておきたいと思います。

             




   (H・M)


     以上

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定例探鳥会報告 和白海岸

   - 和白川河口→塩浜護岸→5丁川河口→奈多入口 -
   2013年 6月9日(日) -小雨時々曇-   大潮(干潮16:20 満潮 9:45)
   [観察鳥種] 25種 
   [参加者数] 12 名


     空梅雨が心配されていた昨日までとは変わり、あいにくの雨模様だ。出発をためらったけれど、元気な小学生も初参加してくれている。行けるところまで行こうと出発した。
   潮が満ちているし足元も悪いので砂浜方向は避け、塩浜堤防方向へ向かった。塩浜の畑の上空でひばりが縄張りを主張するのか、鳴き続けている。
   対岸の満潮のためにわずかに残った砂浜にコサギ、ダイサギの2つの個体が観られた。 
   海上にはカルガモがただ何となく漂っている。和白川河口の鉄塔土台にはアオサギが佇んでいる。シジュウカラも鳴いていた。

                  

   途中の道の傍らには松の実、トベラの実、シイの実、カワラヨモギ、アレチハナガサ、シナガワハギ、テリハノイバラ、ヒメジョオン、アキニレなどを観ることができた。

                   
                   

   私にとってはたくさんの種類の植物であるがほとんどわからないので、帰って調べようと思った。小3の子が草むらのショウリョウバッタを見つたり、フナムシを捕まえたりして喜んでいた。
   後半は雨も少なくなり、鳥の鳴き声も姿も確認できるようになった。畑でコチドリガ可愛い目でこちらを窺いながら忙しそうにうろうろしている、近くに巣を造っているようだ。
   電線にキジバトが止まり、川端の草むらにバンを発見した。オオヨシキリも泣き始めた。ツバメはヒョイヒョイと上下左右に方向を変えて飛んでいる、佐々木小次郎の燕返しの剣術は本当だったのかな?と思いながら・・。
   雨が降ったり止んだりするので望遠鏡にシートをかけたり外したりしながら進んだ。
   ホオジロがナイスポジションで木に止まり鳴いている、毛色が濃くおそらく雄だとのことだ。泣き方は先月見たオオヨシキリと同じで上を向いて鳴いている。ヒバリの鳴き方は空中でだけかと思っていたら
   金網のフェンスに止まって鳴いていた。こちらは横をむいて鳴いている。鳴く方向に意味があるのだろうか。ヒバリの長く長く続ける鳴き方にはいつも感心させられる。
   期待していたコアジサシの姿が見えず残念だった。奈多入口付近で鳥合わせをして、散会した。雨が気になったが、元気で自然が好きな子どもたちが参加していて、楽しい観察会だった。

   (S・M)


     以上

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  香椎保育所の和白干潟観察会報告

    日時:2013年6月3日(月)9:50~11:35  長潮(満潮5:52 干潮12:10)
   場所:和白干潟、アシ原、砂洲      
   参加者:香椎保育所さくら組(年長児)36名と先生8名と保護者5名 (ゆり組(年中児)36名も来て最初のご挨拶を一緒にしました。)
       守る会4名

   今日は朝から快晴で涼しい風もあり、保育所の子どもたちにとって快適な観察会でした。木陰で山本さんの干潟の話と紙芝居がありました。
   昨日の雨の後で土が濡れていましたから、この次からはブルーシートにゆっくり座らせて話したら良いかと、後の反省会で話し合いました。
   望遠鏡は初めて使う子どもたちで、鳥も遠くにいるため探しにくいようでした。干潟ではカニたちが多くいて、子供たちはカニ獲りに夢中になっていました。

              

   なかにはハサミの大きなアシハラガニを手で捕まえたり、飛び回るフナムシをつかむ器用な子もいました。オキシジミやアサリも多く、アサリの浄化実験もうまくいきました。

              

   最後に質問がたくさんありました。「なぜ渡り鳥は夏は少ないか?」「カニや鳥たちはなぜ大きさが違うのだろう?」「コメツキガニの腹側はなぜ紫色なのか?」など、素朴な質問ながらよく観察しているのに感心しました。
   保護者5人の方に和白干潟のパンフレットを配りました。観察会前には海にいた2羽のクロツラヘラサギが飛び去ってしまい、残念なことでした。

   (R・K)

   ★観察された鳥:ダイサギ、コサギ、アオサギ、スズメ、ガラス、ウグイス、ツバメ、シジュウカラ
   ★観察された干潟の生き物:アサリ、オキシジミ、ユウシオガイ、アラムシロガイ、ウミニナ、ホソウミニナ、ウミニナ、マガキ、ヤドカリコメツキガニ、ケフサイソガニ、オサガニ、アシハラガニ、クロベンケイガニ、タマシキゴカイ                ゴカイ、ヨコエビ、フナムシ
   ★観察された海藻:オゴノリ、アオサ
   ★観察された塩生植物:ハママツナ、イソホウキギ、ハマサジ、ホコガタアカザなどが大きくなりつつあった。

   以上


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  第16期和白干潟の自然観察ガイド講習会「和白干潟の水質や底質を学ぼう!」報告


    日時:2013年6月2日(日)13:00~16:00
   場所:和白干潟を守る会事務所及び和白干潟
   講師:安東毅氏(九州大学名誉教授)
   参加者:18名、毎日新聞記者

   梅雨に入り前日は雨、今日は曇りでしたが講習会が終わって雨になりました。今回は事前に新聞3紙に案内が掲載されたことで新規に2人の女性が参加されました。
   山之内さんの進行により、第16期のガイド講習会「和白干潟の水質や底質」についての学習をしました。
   はじめに山本代表より、講師の安東先生の紹介があり、先生は和白干潟を守る会の発足当時からのご指導、助成金申請での推薦人としてもご助力をいただいている方で、発足後に何度も水質や潮流の学習会講師をしていただいた
   ということもあり、和やかな雰囲気で始まりました。

                             

   水質基準などの解説から水質とは何か、水多消費文化、化学合成物質の製造、開発など文明も考えていく必要性があることまで幅広く学ぶことができました。また、約10倍に薄めた牛乳によるCOD実験では、15という値が出て
   台所の排水が案外環境を汚染していることを実証していただきました。
   14時過ぎから干潟に移動して、フィールド学習をしました。
   3地点での水質や底質の測定を実施。海の広場前から1mの干潟を掘ると上の2~3mm以下は真っ黒な砂、次の地点では水が出てくるまで掘って出た水のCOD は18~20という高い値で、硫化水素の強い臭いがしていました。
   さらにアシ原近くの砂が堆積した地点を60cm掘って出てきた水のCODは15でした。唐原川河口の水のCODは4というきれいな水の値を示しました。
   その場で人工島から雁の巣にかかる橋を見ながら、人工島建設によって海域が狭まり反射波が来なくなったこと、昔は60の河川が博多湾に流入していたが、開発などで河川からの砂の供給が減り、また都市人口の増加
   文明の進歩で汚染が進んだことなどの説明がありました。

      

   事務所に戻り、先生のまとめでは①海の広場前はかなり汚染がひどかった②アシ原前の砂地はかなりよかった③唐原川はCODが4くらいで、非常によい水とのことでした。
   また、現在の和白干潟は砂が固定しているが、人工島がないときは漂砂があり、酸素が供給され干潟もきれいだった、川の護岸のコンクリート化、川の上流の宅地開発などで全体の砂の供給量も減り、百道海域の埋め立てで
   漂砂の供給は0になった影響は大きい。しかし植物は増えており、植物の回復力や生命力は素晴らしい。自然界は相手がどう変ろうといろいろなものを分解している。
   人間が快適な暮らしをしたいと開発を続けていくと汚染された海域が増える人類文明の影の部分についても考えながら和白干潟を考えていこう、と締めくくられました。
   質疑では、和白干潟の水質をよくするためには人工島中央部に運河を通す、海の中道と博多湾をつなぐ運河を通すなどの案を出したが行政は耳を貸さない、という答えでした。最後に参加者の自己紹介と終わりの挨拶をして
   第16期ガイド講習会を終わりました。
   参加者からは水質や水質調査のことがよくわかった、開発で残された干潟が汚れてきているが和白干潟の浅瀬の海水は2枚貝の働きでなお美しい、などの意見が出されました。毎日新聞社の環境担当記者の方も取材され
   記事は翌日の新聞に掲載されました。

  (E・I)

   ※講義の概要
   ◆水質とは何かー水質といえば、飲める水を思い浮かべるが、日本はこの50年で原水が悪くなり、世界的に貴重な「生水文化」を失ってきた。日本の水道水は50項目の水質基準値、27項目、128物質の水管理目標設定項目と
    目標値も設定され、厳密な管理の下安全な水が供給されている。
   ◆環境基準―①人の健康の保護に関する環境基準(水銀やPCBなどの化学的水質指標)②有機物による水質汚濁(生物化学的酸素要求量BOD、浮遊物質SS、溶存酸素量DO)などの水質指標がある。
    ・溶存酸素量(DO)-水中生物の環境にかかわる重要な指標で、2~3mg/L以下では生存できない。
    ・生化学的酸素要求量(BOD)―水系の有機性汚濁の程度を示す指標で、微生物による自浄作用で酸素が減少している程度を示す。
    ・嫌気的水系での汚濁性有機物―硫化水素、有機イオウ化合物は底質の重金属と反応し、黒い硫化物を造り、悪臭がする。
    ・化学的酸素要求量(COD)―海域・湖沼の有機性汚濁の指標、都市下水の排水規制に用いる。BODとCODは2:1の関係。
   ◆難分解性有機物の問題―20世紀になって人工合成物質(PCB,プラスチックなど)が増え、BOD・CODでは測定困難。全有機炭素量測定TOCでは可能だが、企業秘密の壁によって測定が困難な現状がある。
   ◆開発による海浜環境の激変―「白砂青松」の砂浜は潮の干満で酸素が供給されているが、1960年ごろから海岸地域の乱開発で多くが失われた。堤防で海水の浄化が困難になった。
   ◆干潟や海浜の生物による環境浄化―底質生物は有機物を食べ、底質を浄化している。
   ◆水問題は文明についても考えなくてはならない。日本は「水多消費文化」で、水洗トイレなど上水を使用し、浪費している。中水道などの普及が必要だ。

   以上


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