最近の和白干潟

2019年6月

第22期 和白干潟の自然観察ガイド講習会「カニの生態を学ぼう!」報告(6月30日)

ラブアースクリーンアップ2019和白干潟会場報告(6月23日)

和白干潟のクリーン作戦と自然観察 報告(6月22日)

和白小学校5年生の和白干潟自然観察会報告(6月12日)

定例探鳥会報告 和白海岸(6月9日)

初夏の和白干潟(雁ノ巣海岸)観察会報告(山・川・海の流域会議主催)(6月8日)

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第22期 和白干潟の自然観察ガイド講習会「カニの生態を学ぼう!」 報告

                                                         有江 圭子

  日 時:2019年6月30日(日)13:50~17:00 中潮 満潮7:33 干潮14:09  天候:曇りのち時々小雨
  講 師:古賀 庸憲 氏:和歌山大学教授             
  参加者:10名 

  講習会当日の天気予報が雨の上、雷注意報も出ていたので、講師の先生も心配してありましたが、結局、朝から曇りで、参加者一同、ほっとして講習会を始めることが出来ました。
  TNCテレビから3名取材に来られ、一緒に話を聞かれました。
  山之内さんの司会で始まり、山本代表が「先生は和白干潟でコメツキガニの研究をしてある時に出会い、観察会の講師になってもらいました。今でも和歌山で観察会をしてあります。
  2005年のガイド講習会でも講師に来てもらいました。今日はカニなどの生きものの生態を教えていただきたいと思っています。」と挨拶しました。
  講義では初めに和白干潟との関わりと専門の研究内容、和歌山の干潟は鳥はあまりいないが、絶滅危惧種の生きものが多いことなどを話され、次に和白干潟でよく見られるカニの映像を見せていただきました。

                

  ハクセンシオマネキやチゴガニの求愛ダンスの動画でみんなが同時にハサミを振るとメスはそれにひかれてオスのところに寄ってくることを教えて頂きました。
  次に、事前に先生への質問を送っていたので、それに沿ってお話して頂きました。
  質問1 カニの寿命は?
    コメツキガニ:2~3年、ヤマトオサガニ:4~5年、シオマネキ:約10年  コメツキガニやヤマトオサガニは稚ガニが増えると大人のカニがストレスで早死にする
  質問2 カニの産卵数は?
    コメツキガニ:3000粒前後、一生に2~3回産む 一万匹位の卵が成体になるのは2~3匹  ハクセンシオマネキ:?、ズワイガニ:7~10万粒、ワタリガニ:80~450万粒 サワガニ:数十匹(直達発生=カニが生まれる)
    プランクトンの利点は流れた先でいい場所があればそこで栄えることができるということ。
  質問3 和白干潟のカニの種数は?
    コメツキガニ、チゴガニ、ハクセンシオマネキ、ヤマトオサガニ、スナガニ、アシハラガニ、マメコブシガニ、ガザミ、クロベンケイガニ、ユビアカベンケイガニ、ヒメヤマトオサガニ?、モクズガニ、ハマガニ、
    (シオマネキもいる可能性あり)⇒十数種?
  質問4 幼生を海に放さないカニは?
    サワガニ:直達発生で子ガニが生まれる 本州、九州北部 プロメガニ(ジャマイカの熱帯林):パイナップル様の葉の付け根に溜まる水に幼生放出→子育てする(給餌、天敵からの防衛、さらには水質管理・・・pH調節まで=貝殻を
    水溜まりに入れる)
  質問5 カニは冬はどう過ごしている?
    干潟のカニは巣穴で冬ごもり ただし、ハマガニは冬に繁殖する  モクズガニは秋から川に降海し、浅海域で冬の間に繁殖する(春までに3回位産卵して死ぬ)ワタリガニなどの海のカニたちは冬は深いところに移動
    チゴガニ、ヤマトオサガニは寒さに強い ハクセンシオマネキは南方系のカニなので寒さに弱い
  質問6 カニは食べられる?
    食用種:ズワイガニ、ケガニ、ワタリガニ、モクズガニなど様々(但しタラバガニはヤドカリの仲間) 川のカニは寄生虫に要注意(モクズガニ、サワガニには肺吸虫や肝吸虫が感染)
    有明海ではシオマネキのがん漬が珍味(きれいな泥のところにいるので美味しい)
    海外では脱皮直後のblue crab(ガザミの仲間)を丸ごと食べる コメツキガニは実は美味しい?
  1時間位の室内学習の後、干潟に移動して小雨の中、フィールド学習をしました。干潟にはコメツキガニの巣穴が無数にありました。穴の数だけカニがいて、生きものが活動してるということは環境をきれいにしているということだそうです
  黒い砂のところは酸素が足りないが、生きものが砂を掘ることで耕し、きれいにして海の浄化に貢献しているとのことでした。ベチャベチャしやすい場所は栄養価が高く、食べるのにいい場所で、卵を産んだ後のメスのカニはそこで食べて
  います。卵を産む準備の出来ているメスのカニは食べなくていいので、波打ち際の方にいるということでした。

      

  先生が捕まえたマメコブシガニのお腹をホソウミニナの尖ったところでカパッと開けてみると卵が入っているのがわかりました。卵の色が黄色だったので、産んだばかりの卵だそうです。マメコブシガニは卵を持っていても普通に出歩いて
  いるが、カニの種類により、卵を持っている状態は違うそうです。カニの大きさにより卵の大きさは変わらないとのことでした。後で、オスのマメコブシガニのお腹を開けて見せてもらいました。アシハラガニやケフサイソガニもお腹を
  開けて見せてもらいました。

     

  その他、マメコブシガニのオスがメスを捕まえている状態のところも見ました。沖にはタマシキゴカイの糞塊がいっぱいあり、そのそばに透明のゼリー状の卵塊もありました。卵が移動しないようにタマシキゴカイが掴んでいるそうです。
  和白干潟の鳥の減少については、鳥全体の数が減っているものは和白干潟の状態がよくなったからといって戻ってくるわけではない。温暖化とマイクロプラスチックが問題である。マイクロプラスチックは有害物質を吸着し
  それを生きものが体内に取り込むと毒性を発生する。温暖化やマイクロプラスチックについてまだ体制が整っていないが、国が題目を決めると実行可能な政策が下りて来て対策が進む。という話も先生から聞きました。
  海の広場で記念写真撮影をして16時過ぎにきりえ館に戻りました。

                  

  お茶を飲みながらコメツキガニが砂団子を作っている様子の動画を見せてもらいました。和歌山の干潟観察会の様子を紹介され、干潟を開発する計画を何とか止めることが出来、みんなに知ってもらうために観察会を始めたことを
  話されました。干潟は低コストで埋め立てることが出来るので、干潟が重要だということに気が付かず、知らないままに開発されることがあるのだということを知りました。
  掃除ボランティアと一緒に協力して観察会をやっている干潟があることも紹介されました。河口に埋め立て地が出来たために海苔の養殖が出来なくなったり、ナルトビエイの発生でアサリが取れなくなったところがあるとも話されました。
  アカエイはアサリを食べず、甲殻類を食べるということを聞き、参加者一同驚きました。話に聞き入っているうちに終了の時間がきてしまいました。

                  

  今村さんが「大雨警戒の中でしたが、干潟に出て観察することが出来ました。カニのお腹を開けてみることが出来たことはよかったです。話が尽きませんでした。今日はありがとうございました」と閉会の挨拶をして終わりました。
  観察会に参加した子どもの気持ちになってたくさん質問して、今まで知らなかったことを教えてもらい、刺激をもらったガイド講習会でした。
  今日の様子はTNCテレビのニュースで17:50から放映されました。

  観察されたもの
  野 鳥:カラス 、ダイサギ、アオサギ、コサギ、カワウ、ウグイス(声)
  生きもの:コメツキガニ・マメコブシガニ・アシハラガニ・クロベンケイガニ、ケフサイソガニ・ハマトビムシ・タマシキゴカイの糞塊と卵塊・ウミニナ・ホソウミニナ・ヤドカリ・アラムシロガイ・オキシジミ



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ラブアースクリーンアップ2019和白干潟会場報告

                                       山之内 芳晴

  日 時 2019年6月23日(日) 9:00~10:30
  場 所 和白干潟(海の広場周辺)
  参加者 34名(守る会:5名、ガールスカウト第24団:16名、ライオン(株):2名、福岡第一学院:2名、和白4区町内会:9名)
  回収ごみ 73袋(燃えるごみ:71袋、燃えないごみ:1袋、プラスチックごみ:1袋)

  平成4年に開始されたラブアースクリーンアップは、今年で28回目になります。今年は、梅雨に入るのが遅れ、涼しい風が吹く中での作業となりました。
  8時半頃から準備に取りかかり、入口にラブアースのノボリ2本を立て、倉庫の前にテントを張り、受付とお茶などを用意しました。
  今年は、和白4区町内会の他に、香住ヶ丘のガールスカウト第24団が和白干潟会場に参加されることになりました。開会式では、清掃のルールなどを説明し、作業に入りました。
  昨日のクリーン作戦で清掃したばかりだったので、プラスチックゴミがほとんどなかったため、アシ原に打ち上げられた草木ゴミを主体に回収することにしました。
  ガールスカウトの子どもたちはお母さんと一緒にゴミ拾いをしていましたが、皆さん良く頑張っていました。

     

  1時間ほど清掃作業を行い、73袋のごみを回収しました。回収ごみは、ほとんどがアシなどの草木でした。

  
                                         


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和白干潟のクリーン作戦と自然観察 報告

                               田辺 スミ子

  ●日 時:6月22日(土)15:00~17:00
  ●参加者:390名 : 一般383名(城東高校369名、個人4名、九産大宗像ゼミ5名、シティ銀行5名)守る会7名
  ●回収ゴミ:343袋、可燃ゴミ袋(自然ゴミ288袋(アオサ1袋)、人工ゴミ51袋、)不燃ゴミ4袋
  ●粗大ゴミ:バーベキュー用網1、傘1、自転車1、プランター1、ヘルメット2、大枝5本、孟宗竹3本、
  ●観られた鳥:アオサギ1、ダイサギ2、ウグイス声、カラス多数、

  今日のクリーン作戦は、曇りがちの天候で風も有り、思っていたより暑く無くて良かったです。城東高校より先生と生徒で(1年~3年生)400名弱の参加が有りました。
  今迄に無い大勢の参加で海の広場前より始めて、唐原川右岸方面と和白方面に分かれて進んでいきました。6月初旬に降った雨と大潮と西寄りの風が吹いたことに寄り、大量の人工ゴミと草木が打ち寄せられて、広場前やアシの上は
  大変な事になっていました。今回はゴミ回収を今まで以上に、サンプルを見せて、ソリ、一輪車、リヤカーを側に置きながら、分かりやすく説明して貰いました。人数が多かったので大きな孟宗竹や、流木類も全て回収して貰いました。
  個人で参加の女性の方達は、ソリを抱えて何回も運んで下さいました。

     

                             

  和白干潟では、干潟の生き物たちの活動が活発に成っており、唐原川河口右岸の砂の上にはウミニナが絨毯を敷き詰めた様に隙間なく埋め尽くしていました。
  コメツキガニも負けずに沢山の砂団子を干潟いっぱいにちりばめています。アシ原のアシも緑一面で綺麗です。海の広場側には濃いピンクのハマナデシコが咲き始めていてとても綺麗です。マサキの花も満開に咲いていました。
  鳥達が今一番少ない時期ですが、ウグイスは一生懸命鳴いています。代わりに色々なカニや、生き物達にも会うことが出来ますし、和白干潟は一年を通して楽しむことが出来ます。
  最後にお茶でのどを潤し、結果発表をして参加者の感想を聞いて、記念撮影をしてから散会しました。

                 

  参加された皆様有難うございました。
  参加者の感想:
   *最初見た時より帰りには綺麗になって良かった。 
   *初めて和白干潟に来たが、カニや虫たちが沢山いて良かったし守らなければと思った。
   *ウグイスが鳴いていて良かった


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和白小学校5年生の和白干潟自然観察会報告

                                   有江 圭子

   日 時:2019年6月12日(水) 9:40~11:45 長潮 満潮 5:36 干潮11:54  天候:曇りのち晴れ
   参加者:和白小学校5年生125名と先生5名                
   守る会自然観察ガイド:8名

   暑くもなく、寒くもなく、雨の心配もない観察会でした。学校から歩いて来て干潟を通って海の広場に着いた子どもたちは、元気よく「こんにちは」と挨拶していました。子どもたちは山本さんの和白干潟の話を真剣に聞いていました。
  「自然海岸が残るところは全国で2か所しかありません」という山本さんの説明に「えっ!」と驚きの声が上がっていました。バードウォッチングでは奈多方面の廃船のところにいるカワウを見てもらいましたが、遠かったので
   少し見づらいようでした。

               

   アシ原でアシハラガニを見つけると「ほんとやん、いる!」「めっちゃ、いる!」と喜んでいました。列の後ろの方の子どもたちがアシ原に来た時はアシハラガニがいなくなっていていたので、ガイドが捕まえてきて見せました。
   砂洲に行くとコメツキガニがたくさんいて、みんなもれなくコメツキガニを捕まえることができて大喜びでした。「わー、おったおった!」「先生、カニが9匹!」と歓声を上げていました。
   干潟にはミズクラゲがたくさんいて、子どもたちはスコップでミズクラゲをすくってみたり、つついてみたりして、「スライムみたいね」と言っていました。
   沖に向かって歩きながら「(自宅の)マンションから見ると貝堀をしている人がたくさん見えるよ」「アサリを掘ったことがあるよ」と友達同士で話しながら歩いている子どもがいました。
   沖でアサリを掘ると、次々と見つかり、子どもたちはスコップにアサリをいくつものせて満足していました。

     

   沖ではタマシキゴカイの糞塊や卵塊がたくさんありました。

                              

   ひとしきりアサリを掘った後、和白川のハクセンシオマネキを見にいきました。歩きながら、海水を触ってみて、「温かいよ」と言う子がいました。一番前を歩いていた子は「今日はハクセンシオマネキを見に来たんだ。
   早くいないかな」と期待に胸を膨らませていました。観察場所で望遠鏡を見せると「あれか!」「多すぎやろ!」「メチャクチャいます!」「可愛かった!」「(事前学習の)ビデオで見た!」「本当やん、すごい!」と
   みんな感激していました。

                 

   最後にまとめをして、捕ったカニや貝をみんなに見てもらいました。アサリを見せると「いっぱい」「食べたい」「バター焼きがいいね」「みんなに1個ずつあるね」とニコニコ顔でした。
   浄化実験は大成功で「わー、きれいになっている」とみんなで確認しました。

                 

  「昔はいたけれど今はいない生き物はなんですか?」「干潟はいつごろできたのですか?」「守る会はどういう思いでやっていますか?」「和白干潟で泳ぐことができますか?」などたくさんの質問が出ました。
   最後に挨拶をして子どもたちは学校へ戻っていきました。

                       

   干潟には一面コメツキガニの穴があり、カニが穴に入ったり出たりしていました。干潟が生き物の宝庫だなあと感じる時でした。

   観察されたもの

                 

   野 鳥:ダイサギ・コサギ・トビ・ムクドリ・ミサゴ・カワウ・ウグイス(声)
   生き物:アサリ・ユウシオガイ・マガキ・オキシジミ・ミズクラゲ・アラムシロガイ・ウミニナ・ホソウミニナ・ヤドカリ・タテジマフジツボ・ハマトビムシ・アシハラガニ・アカテガニ・ケフサイソガニ・コメツキガニ
       マメコブシガニ・オサガニ・ヒライソガニ・タマシキゴカイの卵塊・イトゴカイ
   植 物:ハママツナ・シオクグ・ハマサジ・ハマニンニク
   海 草:アオサ・オゴノリ
   集めたゴミ 5袋 (観察会の前にガイドが集めたもの3袋を含む)


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定例探鳥会報告 和白海岸

  和白4丁目海岸→海の広場→アシ原奥→唐原川河口→牧ノ鼻公園
  2019年6月9日  -薄曇り-
 【観察鳥種】16種
 【参加者数】7人 守る会5人

  集合地の和白公園ではサンゴジュやキョウチクトウの花が咲いていました。今日は比較的涼しかったのですが、熱中症対策の帽子や飲み水、名札を確認して、唐原方面に向かいました。

                           

  和白4丁目から降りた干潟ではコメツキガニがたくさんの砂団子を作っていました。遠くにダイサギやカワウ、トビが見えました。

               

  海の広場ではウグイスが盛んにさえずっています。今日は「アシ原の奥を見たい」という提案があったので、アシ原中道から奥を目指しました。先日の雨でアシは背丈以上に茂り、やぶ漕ぎをしながら奥へ進みました。
  奥で水が溜まっているあたりまで行き引き返しました。ヒトモトススキはまだ穂を出していませんでした。ヤマアワの穂が出だしていました。ハマナデシコはもう花芽がついていました。

                          

   アシ原を抜けて唐原川河口では、ハクセンシオマネキの大群がハサミを振っていました。川の橋近くではクサフグの大群がぐるぐると泳ぎ回っています。産卵に来たのではないでしょうか。
   さらに久しぶりに牧ノ鼻公園まで足を延ばしました。途中でクマノミズキの花とエノキの実を見ました。牧ノ鼻公園ではムクドリの群れが騒いでいます。見るとヤマモモの木がたくさんあり、実が熟れて地面に落ちています。
   それをムクドリが食べていました。木になっているヤマモモの実を私たちも食べてみましたら、甘かったです。

                          

  鳥たちは少なかったが、生きものや木の実が多い探鳥会でした。

                     (山本廣子)
  【参加者の感想】
    ◇カワウが羽を広げていて可愛かった。
    ◆コメツキガニやハクセンシオマネキが多かった。
    ◇牧ノ鼻公園にはムクドリが多かった。


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初夏の和白干潟(雁ノ巣海岸)観察会報告(山・川・海の流域会議主催)

                                                                      今村 恵美子

  日 時:2019年6月8日(土)10時~13時 中潮
  場 所:雁ノ巣海岸
  参加者:10名

  昨夜の雨も上がり、梅雨間近の曇り空の下、雁の巣レクリエーションセンター駐車場に集合し、「山・川・海の流域会議」主催の初夏の雁ノ巣海岸自然観察会を実施しました。昨年秋に予定していましたが、雨で中止となり、
  今回企画したものです。レクリエーションセンターから歩いて数分の雁ノ巣海岸、途中の木の枝でホオジロが鳴いていてかわいい姿を望遠鏡でのぞきました。元水上飛行艇の滑走路上下架スロープから望遠鏡で鳥を観察。
  カワウ4羽が砂州に下りているのが見えました。上下架スロープにはテリハノイバラが白い花を咲かせて張り付いていました。潮が満ちているため砂浜歩きはできず、遠回りして海岸に下りました。
  砂浜には波の花といわれるふわふわの泡がたくさん寄せていましたが、海水が濁っているためか薄汚い色でした。また、大きなコウイカが3匹?打ち上げられていました。砂浜にはたくさんのスナガニの大きな穴があり
  ついついのぞき込んでしまいました。

     

  沿岸にはツルナがたくさん生え、小さな花をつけているのもありました。小さなカニを見つけ、山本さんが素早くつかまえました。カクベンケイガニのようでした。
  周囲には外来種のキミガヨランがたくさん生えており、鋭い葉先に思わず触れてしまい痛い思いをしました。
  砂州に向かうとハマゴウが一面に広がって群落をつくっていました。薄紫の花はまだ咲いていませんでしたが、香りのよい実が種となって茎の先端に残っており、有江さんと香り袋を作ってみてはどうかと採取しました。
  うまくいけば干潟まつりで販売できるかも。

     

  砂州にはネコノシタ、カワラヨモギ、ハママツナ、オカヒジキ、イソホウキギなどが生えていましたが、また大きなウチワサボテンが鮮やかな黄色い花を咲かせ赤いつぼみもたくさんありました。

     

  砂州の先端に行くとこれまで見たことのない浅いプール(水たまり)が出現していました。10mくらいの広さで海水が端から流れ込んでおり、中にはたくさんのミズクラゲがいました。今度来た時にプールは存在しているのでしょうか。
  干潮時にはないかもしれません。外来植物の「アメリカネナシカズラ」という黄色のビニールひものような植物がハマゴウに巻き付いているのを何か所も見ました。しっかり根元にぐるぐる巻きに巻き付いた姿は、地球外生命体が
  絡みついたような不気味さを感じました。引っ張っても千切れるだけで、寄生した植物にしっかりしがみついているのです。徹底的に駆除しなければならないと思いました。前回見つけた「ナルトサワギク」は今回歩いた範囲では
  見かけませんでしたが、潮が引いて海の中道大橋の橋げたの西側に行けば存在しているそうです。外国からのコンテナ船が出入りする人工島を通してこのような外来植物がやってきていることの脅威を感じます。

     

  立花山を背景にみんなで記念写真を撮り、松の木の下でお弁当を食べてからたくさんのごみを拾いながら帰りました。ごみは坊薗さんが車に積んで海の広場まで運んでくださいました。大きな袋に5袋あったそうです。

                             

  13時過ぎに解散しました。参加者は予想外に少なく、和白干潟を守る会のメンバーだけだったので残念でした。もっとたくさんの人に自然の面白さを知ってもらいたいものです。
 
  観察した鳥:カワウ4羽、ホオジロ、トビ
  観察した植物:テリハノイバラ(花)、コマツヨイグサ(花)、ツルナ(花)、ハマヒルガオ(葉)、キミガヨラン、ハマユウ(花)、ハマニンニク、ハママツナ、ハマゴウ、ネコノシタ、ウチワサボテン(花)、カワラヨモギ
         アメリカネナシカズラ、ハナハマセンブリ、センダン、オカヒジキ(花)、イソホウキギ、スイカズラ(花)、センダン(実)

              

  観察した生き物:ミズクラゲ、小さなクラゲ、ウミニナ、ホソウミニナ、ヤドカリ、コウイカ(死骸)、マガキ、カクベンケイガニ   
  観察した海草:アオサ、オゴノリ

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