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九州産業大学経済学部特別講義「博多湾・和白干潟の自然を未来へ伝えよう!」報告
                   河上 律代

日時:12/10(土)10:40~12:10
場所:九州産業大学1号館N101室
講師:山本 廣子(和白干潟を守る会代表)
議題:「博多湾・和白干潟の自然を未来へ伝えよう!」
参加者:70名 守る会3名

 山本さんは先ず手袋で、和白干潟の生き物たちを登場させて挨拶をしました。和白干潟は山本さんの子ども時代から貝や海老などが採れて戦後の食糧難を助け、また泳ぎができる綺麗なところでした。東京での学生生活を終え和白に帰ってみると、この愛すべき和白干潟が埋め立てられるということでした。1987年「和白干潟保全」の請願書を提出、埋め立ては免れましたが沖合に人工島ができてしまいました。その後の悪影響は水質悪化、アオサの大量発生、底質のヘドロ化、生き物の減少です。
  
      
<講演の様子1>              <講演の様子2>
 しかし和白干潟は東アジアの渡り鳥の渡来地として重要なところです。自然海岸のある干潟として「にほんの里100選」に選ばれ、2013年には「プロジェクト未来遺産」に登録されました。活動を続けて28年になります。和白干潟の自然を未来の子どもたちに残したいと、ラムサール条約登録を目指して署名運動を行っており、みんなに協力をお願いしました。
 和白干潟の保全活動は自然観察会、クリーン作戦、調査(鳥、水質、砂質など)です。具体的にスクリーンに写真やグラフを示してよく分かるように説明しました。和白干潟の保全には、和白干潟の集水域である山川海の連携が必要です。2012年7月から立花山や唐の原川流域のグループといっしょに保全活動をしています。行政とは、いっしょに意見交換や保全活動などをしています。また11月に環境省に和白干潟のラムサール条約登録の要望書提出に行きました。次に新井章吾さんの海底湧水調査のビデオを見ました。和白干潟にアサリがいることが納得できました。

 山本さんの和白干潟に対する熱意が、お話からと山本さんのきりえや絵本、絵ハガキからも、感動を与えました。最後に「私たちの大切な自然を守ることを、自分にできる自分らしいやり方でやってみよう」とみんなに呼びかけ、印象に残りました。学生からは和白干潟が理解できた。是非行ってみたい。クリーン作戦に参加したいとの声がありました。ラムサール条約署名は参加された学生に少し書いてもらいましたが、時間がなかったので預けて書いてもらうことにしました。若い方々に和白干潟の自然の大切さを伝えることができて、良かったと思います。



バードウォッチングin 和白干潟2016(保全のつどい主催)報告
                   田辺 スミ子

日時:2016年12月4日(日曜日)10:30~12:00
場所:和白干潟・海の広場
参加者:22名、一般11名、港湾局4名、ウエットランドホーラム1名、循生研1名、守る会5名

今日のバードウォッチングは朝から雨の予報で、8時頃には雨が降りだしました。
開会できるか危ぶまれましたが、時間前には小型テントを2張立てて準備しました。
  
    
<広場でテント張り>              <渡り鳥の説明>
雨も激しくなりましたが、テントの中で望遠鏡を立てて見ました。
  
   
<和白干潟の鳥の説明>               <鳥の観察>
浅瀬には沢山のカモ類や、カワウが分かれて休んでいます。ミヤコドリもカワウの陰に見え隠れしており、クロツラヘラサギも半分隠れています。ハマシギが干潟一面に広がっています。その中にはミユビシギ、シロチドリ、ダイゼンもおり、忙しそうに餌を探していました。

一般の方2~3名が来られたので、10:30の予定どおりに開会しました。守る会の山本さんが、紙芝居を使いながら分かりやすく渡り鳥の紹介をしました。

段々と一般の方も増えてきました。篠栗から家族3名で参加された方、マリンワールドからも2名の方が参加されました。本当に多くの鳥たちを観ることが出来、感動されました。
  
     
<砂州のカワウ>              <浜辺のハマシギ>
  
     
<ツクシガモ>               <ミヤコドリ>
ビンゴカードを配りシールを張ってもらいながら、未だ見ていない鳥を見て貰いました。今日は人数が少ないせいか殆ど全員がビンゴが出来上がったようでした。和白干潟が初めての方も何名かおられました。

最後には用意して頂いたコーヒーを頂き、暖まりました。解散の後にも女性が一人来られたので、さらに望遠鏡で見て貰いました。

今日は鳥たちのすばらしい情景を観ることが出来ました。海ガモたちは沖の方におり、残念ながら雨で霞んでいてはっきりとは見えませんでしたが、スズガモは比較的近かったので大まかにカウント出来ました。

肉眼でも見える海の広場の前まで、ハマシギやミユビシギが何度も来てくれました。本当に可愛かったです。ミヤコドリが15羽、ダイゼンは5羽、ハジロコチドリも3羽を見ることが出来ました。

一時晴れ間も有りましたが、再び雨もひどくなりました。終わるころには大分潮も満ちてきて、シギ達のいる場所も狭くなりました。カワウが砂洲に集まり一面が真っ黒になりました。雨の中でしたが、たくさんの鳥たちに出会えて嬉しかったです。

観られた鳥:
ミサゴ3、トビ1、ミヤコドリ15、シロチドリ48、ハジロコチドリ3、ダイゼン5、オオバン、ハマシギ775、ミユビシギ111、トウネン2、ダイシャクシギ1、ハクセキレイ3、クロツラヘラサギ7、コサギ1、ダイサギ1、アオサギ3、カンムリカイツブリ27、カワウ1200、ヒドリガモ600、ツクシガモ60、ハシビロガモ2、オカヨシガモ、ヨシガモ、マガモ、オナガガモ、スズガモ1700


和白干潟のラムサール条約登録を求めて環境省に要望書提出と交渉活動」報告
                            山本 廣子

日時:2016年11月11日(金)13:00~15:40
会場:参議院議員会館102会議室(東京都千代田区永田町2-1-1)
参加者:環境省3名(自然環境局野生生物課中島慶次課長補佐、有山義昭計画係長、自然環境計画課木村吉寿課長補佐)
    出席者:35名:国会議員4名、議員秘書9名、JAWANと各地の干潟関係者22名(守る会3名参加)

事前にJAWAN事務局から衆参両院環境委員会の全委員50人他に対して、ラムサール条約登録などへの支援と環境省交渉の出席を求める文書と関係資料を手渡してあります。環境省交渉には日本共産党以外の議員や秘書はだれも出席されませんでした。今後自民党や公明党や民進党などの他の政党への働きかけが必要だと思います。

13:00~13:50各地の報告、意見交換、出席国会議員の紹介があり、14:00~15:30環境省交渉がありました。JAWANと、三番瀬、盤洲干潟、三河湾、中池見湿地、新舞子干潟、吉野川河口、和白干潟のそれぞれの湿地について、各代表者から要望書を環境省担当者に手渡しました。
  
   
<JAWAN中山さん挨拶>           <国会議員に説明>
要望書の要旨を代表者が2分くらいで説明しました。環境省から回答があり、環境省と意見交換をしました。私は和白干潟を守る会代表として、和白干潟のラムサール条約登録を求める要望書を渡し、和白干潟について説明しました。博多湾の東部に位置し、東アジアの渡り鳥の渡りルート上にあり、クロツラヘラサギやツクシガモなどの貴重な野鳥の飛来地であること。国内では2か所になった自然海岸のある干潟として「日本のさと100選」に選ばれており、塩生湿地植物が豊富なこと。
  
    
<環境省に主旨説明>            <環境省に要望書提出>
和白干潟を守る会は、1987年に和白干潟の全面埋め立て計画に対して保全の請願書を福岡市議会に出して和白干潟の埋め立てを免れた翌年の1988年に会を作り、和白干潟の保全活動を続けて28年になること。和白干潟まつりも28回目を迎え、和白干潟のラムサール条約登録を目指して開催していること。現在も署名活動を行っていること。ぜひ和白干潟をラムサール条約に登録してほしいと話しました。

危機にさらされている重要湿地のラムサール条約登録を促進するよう「条約締約国の責務として環境省がリーダーシップを発揮してほしい」と要望したことについては、「地元の自治体や関係者の動きを見守りたい」「自治体の情報提供を待ちたい」との回答で消極姿勢を示し、環境省のやる気のなさが感じられました。環境省のラムサール条約担当部署は自然環境局野生生物課です。同課からは中島慶次課長補佐(総括)と有山義昭計画係長が出席しました。辻田香織湿地保全専門官は出張のため出席しませんでした。そのため、「担当の辻田が出席していないため、その問題には答えられない」を何回も繰りかえしました。ラムサール条約関係など湿地保全の業務は若手の一担当者にすべてまかせており、その担当者がいないとくわしいことは何もわからないような環境省の実態はひどいと思いました。

ラムサール条約に登録されている中池見湿地はラムサール条約登録区域内を北陸新幹線が通ることになっています。しかも、湿地の貴重な水源となっている深山(みやま)にトンネルを掘ることになっています。NPO法人ウエットランド中池見の笹木理事長は、環境への影響を防ぐため環境省にたいして、掘削工事を厳しく監視・指導するよう要請しました。ところが、「事業者(鉄道建設・運輸施設整備支援機構)のとりくみを注視したい」との回答でした。

質問ができたので「和白干潟では以前国指定和白干潟鳥獣保護区になり、特別保護地区にするために、環境省九州地方事務所や福岡事務所が、利害関係者ということで塩浜畑地の農業者の人たちに地元説明会をしたが、関係者として市民や自然保護団体も入れてほしい」と述べましたが、環境省ではよくわからないようでした。全体的に手ごたえは今一つの感じでした。しかし全国の重要湿地の方々と一緒に環境省に要望できたのは、良かったと思います。


香住丘小学校5年生の総合学習で講演
「和白干潟を未来へ!和白干潟の自然と環境保全活動」報告

                    松田 元

日時:2015年11月9日(木)10:45~12:20
参加:香住丘小学校5年生4クラス150名と先生4名
和白干潟を守る会:3名

 香住丘小学校では毎年5年生全クラスが音楽室に集合して、和白干潟について詳しく学習しています。別の日に5年生全員で事前に和白干潟の観察に出かけている様子です。学年主任の先生の話では、講演をしっかりと聞くために今日の講演でのメモは禁止にしているとのこと、その代わり午後からもう1時間授業を取って、今日の和白干潟の感想文を書かせる予定とのことでした。

 我々3人は学年主任の先生から音楽室へ案内され、掲示物など講演の準備をしていると5年生が次々と音楽室に入場して来ましたが、全員が静かに整列しよく訓練されているなと思いました。最初に学年主任の先生から我々の紹介をして頂きましたが、3名共に香住丘校区に属していることで、顔見知りの子もいて親近感を感じました。
  
  
  <講演する山本代表>           <講演を聞く子どもたち>
 山本代表は子供のころに和白干潟で泳いだことや、生き物が豊富だったことを話しました。その和白干潟が埋め立ての危機にあい、1987年に「和白干潟保全の請願書」を福岡市議会に出して、和白干潟は残ることになりました。1988年には「和白干潟を守る会」を結成して、和白干潟の保全活動を28年間みんなの協力でやってきたこと。和白干潟には貴重な自然海岸の干潟があり、渡り鳥たちの重要な中継地や越冬地であり、塩生植物も多く、干潟のカニやカイ類などたくさんの生き物が棲んでいることを、切り絵や写真のスライドを使って熱心に説明しました。また湿地保全のためにラムサール条約登録を目指していることも話しました。山本代表がきりえを通して和白干潟保全を訴えていることを伝えながら、子どもたちに大切な故郷の自然を自分のできる方法で守って行ってほしいと話しました。

   
<展示したポスターなど>
 子供たちの様子を見ていると、本当に熱心に話を聞いている子が多くいて嬉しく感じましたし、最後の質問の時には次々に手を上げ、質問は10人以上で20分以上と予定時間ぎりぎりまで続きました。私は、和白干潟は話を聞いた皆が住む香住丘校区に位置していることを再認識して、地元の皆さんで守り伝えてほしい。その為に、和白干潟のことをよく知って欲しいと思いました。そして来年度は是非、現地で私たちと一緒に観察会をしましょうと伝えました。


「アオサのお掃除大作戦2016」第3回報告
                    今村 恵美子

日時:2016年10月30日(日)14:00~16:00
場所:和白干潟海の広場沖
主催:和白干潟保全のつどい
参加者:47名(子ども7名):うち港湾空港局4名、WF1名、循生研1、藤井講師、守る会6名
回収量:170袋

 今年最後のアオサ回収でしたが、暑いくらいの晴天で、参加者も心配していたより多く集まりました。
循環生活研究所とタイアップしてアオサ堆肥作りをしている九産大生が10人くらいと、昨年も参加したという建設関係の会社の方々が数人、親子連れも何組か. WF松本さんの主催者挨拶とスケジュール説明、循生研理事長平さんのアオサ堆肥についての話、山之内さんの回収方法の説明で、直ちに干潟沖に入りました。
  
    
 <アオサ堆肥の話>             <アオサの回収>
アオサは前回よりも少なく、アサミドリシオクサは腐ってヘドロ化して、その上にアオサが堆積していました。干潟の生き物講座はアオサ回収してからでは疲れていて話を集中して聞いていなかったという前回の反省を踏まえて、アオサ回収の現場で藤井さんが話をされました。まず、ざるの中にどれくらいの生き物がいるのかクイズ、10種類以上の生き物がいるという話にみんな驚きです。次に干潟を掘ってヘドロの混じった泥をみんなに嗅いでもらったうえで、アオサをなぜ回収するのかというわけを、鳥の餌になるこのような多種多様な生き物が棲む干潟をアオサが覆って腐ってしまうと生きていけなくなるからで、ヘドロになっている部分も取り除いてほしいとわかりやすく説明されました。

  
    <中間地点で記念撮影>            <回収したアオサ>
 こういう話を現場で聞くと、みんないやな顔もせず懸命にアオサを網に入れ、水気を切ってそりで運びました。子どもたちもソリを引っ張ってがんばり、中間地点に積み上げたアオサの山で征服者のように胸を張っていました。みんなで記念写真を撮影し、再びソリで回収場所まで運びました。回収したアオサは170袋でした。前回に比べると参加者も少なかったので回収量も少なかったのですが、今回も循生研と、朝倉の柿農家の方が堆肥にするとアオサを持ち帰られました。
 いつものように、3回目のスタンプカードに判を押し、スポンサー企業の飲み物やお菓子を渡して、今年のアオサのお掃除大作戦は終りました。1回目は雨で中止でしたが、毎年アオサの生育、繁殖状況は変化するので予測は困難です。それでも毎年来ている方々も増えつつあるようで、定着していることは実感できます。
 中には、JR福工大前の署名で私と話をしたことで参加した、という若い方が二人連れで来られていて、日々の活動の大切さを感じました。港湾空港局の広場倉庫の壁にも干潟まつりのポスターを貼らせてもらっていたので、案内もしました。


アオサのお掃除大作戦2016第2回報告
                             今村 恵美子

日時:2016年9月17日(土)14:00~16:00
場所:海の広場沖
参加:77人  港湾空港局3、WF1,循生研3、守る会6

 午後から雨という天気予報でしたが、終了まで晴れて無事実施できました。第1回目は雨天とアオサがなくて中止でしたが、今回はアオサが少なく、ほとんどがアサミドリシオグサの回収でした。準備は1時から、循環生活研究所と堆肥で提携している九産大の学生が数人来ていたので、テント張りなど手伝ってもらえて助かりました。今回は、「イオンチアーズクラブ」の子どもと大人40人くらいが中心で、お天気の心配もあってか一般の参加は少数でした。
 開会では、ウェットランドフォーラムの松本さんが趣旨説明、アオサをなぜ回収するのかの説明を藤井さん、アオサの堆肥で野菜を育てる循環について循環生活研究所の平さん、回収方法を山之内さんが説明しました。ほとんどの人がアサミドリシオグサは初めて見るため、あらかじめ私が少し採取して見てもらいました。

 
   
<アオサを回収>              <回収アオサを運搬>

 沖の干潟の杭の周りを中心にアオサとアサミドリシオグサの回収作業を40分間くらい行ない、一旦中間地点に運び、記念撮影して再びソリで福岡斯市道のスロープまで運び上げました。例年と違ってアオサもアサミドリシオグサも腐っていないため、臭くなく量的にも少なく作業は楽でした。前回も参加していた子どもが初めて参加した子に「いつもは臭いし、アオサもたくさん積もっていて歩きにくいんだよ」と説明していました。
作業終了後、干潟の生き物の勉強会を藤井さんが子どもたちに15分間行ない、終わって感想を聞くと子どもたちは「もっと回収してもよかった、時間が短すぎ」という声がほとんどでした。初参加した大学生からは「きつかった」との声が出ていました。大人はソリでの運搬はなれないとかなり重労働だったようです。


   
<中間地点で記念撮影>

回収したアオサ・アサミドリシオグサは215袋。1袋8kgと換算して約1.5tになりました。昨年の柿が美味しく質も良かったと朝倉の柿農家の方が今年も回収作業にも参加し、トラックにたくさん積んで帰られました。循環生活研究所も軽トラック2台いっぱいのアオサ袋を積んで、人工島の堆肥化する場所まで運んでいきました。燃えるごみ、燃えないごみは坊薗さんがそれぞれ1袋ずつ回収されていました。
後片付けして帰る途中から雨がかなり降り出し、傘を持ってきていなかった私はびしょぬれになりましたが、作業した後の火照った体には心地よく感じられました。



筑陽学園中学校3年生の校外理科学習報告
                  今村 恵美子

日時:2016年9月15日(木)10時~14時30分 満潮:8:22、干潮14:46
場所:和白干潟海の広場、アシ原、沖合い、岩場
参加者:筑陽学園中学校3年生2クラス75名、先生4名、カメラマン1名。守る会6名。

曇り時々雨、一時強い雨という天気予報に心配しながらの観察会でしたが、予報は完全に外れ、晴れて陽射しの強い一日でした。生徒たちが予定より10分早く着いたので早く始めました。
山本代表の挨拶、守る会メンバーの紹介、干潟の説明をしましたが、蚊がたくさんいるので落ち着かず、守る会で用意していた虫除けスプレーをみんなにまわしながら話を聞いてもらいました。
バードウォッチングと記念写真撮影の2班に分かれ、望遠鏡でオナガガモ、カワウ、サギ類を観察しました。未だ秋の渡り鳥が少なく、種類が限られていて残念でした。
 
    
<干潟のはなし>             <バードウオッチング>
次にアシ原入口付近で干潟の生物観察。アシハラガニを夢中で追いかけて捕まえる姿は小学生と変わりありません。コメツキガニの巣穴を見つけて掘り、アサリ掘りの時間が少なくなりました。午前中は海水がなかなか引かず観察会でのアサリ掘りは難しく、少ししか掘れませんでした。一旦午前中の観察は終わり、昼食。草むらは虫がイヤというので、生徒は太陽の照りつける砂浜でお弁当を広げていました。沢山の生徒が昼食もそこそこに海の中に入って遊んでいました。後で聞くと「エイ」がいたので、珍しくて興奮したようでした。
 
    
<干潟の生き物観察>           <採集した生き物の確認>
 午後からは9つの班に分かれて、テーマごとに調査しました。砂地、砂泥地、泥地・岩場のいきもの、植物、アオサ調査の班を守る会が指導しました。砂地では澪筋近くに貝類、コメツキガニ、ゴカイなどを観察。砂泥地ではアサリが多く、泥地・岩礁ではヤマトオサガ二、ケフサイソガニが多く、ハクセンシオマネキも捕まえましたが、泥の川に2人の生徒がはまって苦労したそうです。
  
   
<砂泥地の生きもの調査>          <アオサ堆積調査>
アオサは毎年堆積して腐り、下になった生物を圧迫し、干潟を汚染しているところを調査しますが、アオサは今年は高温が続いたためか発生が少なく、その代わりアサミドリシオグサの大量発生を観察しました。ふわふわの厚い藻の下で、大きなモクズガニのメスを見つけ、大騒ぎ。今日は大潮で産卵に来たモクズガニがほかでも何匹か目撃されていました。自然のサイクルの不思議がわかるといいのですが・・。
  
   
<岩場の生きもの調査>             <植物調査>
 植物観察はベテラン田中さんに代わって荒牧さんがデビュー。ヒトモトススキの葉のがさがさ感を触ったり、ツルナを試食、ハマニンニクがニンニクの仲間ではない証拠に根を抜いて見せたりと色々工夫されていました。
 最後に、アサリとウミ二ナの浄化実験を見せ、山本さんが生き物の環境を壊さないよう語りました。

   
<水質浄化実験の結果>

<観察された鳥・生物・植物など>
野鳥:ダイサギ、コサギ、アオサギ、カワウ、オナガガモ
生き物:貝類―アサリ、オキシジミ、ソトオリガイ、ホトトギスガイ、ツボミガイ、マガキ,ユウシオガイ、ウミ二ナ、ホソウミ二ナ、アラムシロガイ、シロスジフジツボ、タテジマフジツボ、アマガイ、タマキビガイ、ヤドカリ
    カニ類―コメツキガニ、ケフサイソガニ、モクズガニ、クロベンケイガニ、アカテガニ、アシハラガ
ニ、マメコブシガニ、ハクセンシオマネキ
    その他―ミズクラゲ、ゴカイ、フナムシ
植物:海藻―オゴノリ、ボウアオノリ、アオサ、アサミドリシオグサ
   草花―ダンチク、ハマナデシコ、ホソバノハマアカザ、アキノミチヤナギ、メマツヨイグサ、アシ、ホコガタアカザ、センダングサ、ハマゴウ、センニンソウ


「夏休み!和白干潟のいきものやハマボウを見る会」報告
                  今村 恵美子

日時:2016年7月31日(日)13:00~15:00
場所:和白干潟(海の広場~アシ原前~牧の鼻)
参加:48名:港湾空港局3名、WF1名、講師藤井さん親子3名、守る会9名(大人28名 子ども20名)

 真夏の暑い盛り、12時に担当者が集合し、テント立てなど準備。12時30分から受付。観察マップやガイドブック、いきもの写真、アオサのお掃除のチラシを渡しました。今日の参加は小さな子ども連れが多く、小学校高学年はほとんどいませんでした。
 山之内さんの進行で、挨拶と趣旨説明は山本さん。ハマボウを見る会は和白干潟を守る会が始め、ハマボウの1本の木が大きく育ち、保全のつどいに広がっていったことなど話しました。港湾空港局から熱中症や危険ないきものへの注意があり、講師藤井さんから和白干潟で沢山の種類のカニなどのいきものに出会えることを話していただき、スタートしました。干潟はアサミドリシオクサとボウアオノリがかなり広がっていました。
  
   
 <山本代表の挨拶>             <アシハラガニ探索>
 アシ原では、アシハラガニが今にもひっくり返りそうなほどおなかいっぱいに卵を抱えているのを観察しました。なかなかこんな状態のカニにめぐり合う機会はありません。唐原川右岸にハクセンシオマネキがいることを田辺さんが教え、山之内さんと荒牧さんの望遠鏡で観察できました。その後、アシ原に入って藤井さんがハクセンシオマネキを2匹捕獲し、じかに見せてもらいました。岩礁に近づき、石をひっくり返したりしてカクベンケイガニやケフサイソガニやヒザラガイなどを観察。岩礁地帯にはオゴノリが多く、マガキなどの間に昨年に比べかなり泥が深く堆積して歩きにくくなっていました。
  
  <唐原川ハクセンシオマネキ群>          
<河口のコサギ>
 牧の鼻では、ハマボウが盛りを過ぎてはいましたが、大きな大木になり、子どもや孫の木も育ち一体化してどれが親だったのか一目見てはわからないほどです。みんなでとりあえず記念撮影して、測定は港湾空港局職員の方が繁みの中に入ってしらべ、今年は「直径27m(昨年25m)・高さ5,5m(昨年5.3m)・花の数200余(昨年1030)・周囲に260株の子孫」ということでした。
  
    <アシハラガニの大群>             <ケフサイソガニ>
花は昨年に比べ盛りを過ぎていて極端に少なかったのですが、きれいな黄色の花をみんな喜んで眺めていました。ガイドブックの写真と比べるといかに大きく成長したかがわかります。牧の鼻の植物については、港湾空港局が山本さんの代わりに説明するとなっていましたが、詳しくないとのことで急遽、田辺さんと荒牧さんにお願いしました。タブノキ、アカメガシワ、イヌビワ、トベラなど説明してもらいましたが、暑いので関心が薄く反応は余りありませんでした。
  
    
<ハマボウの花>             <ハマボウの前で記念撮影>
 ゴミ拾いをする予定でしたがほとんどゴミがなくゴミ拾いは中止して、感想を聞きました。子どもたちは一様に「カニがいっぱいいて楽しかった」「暑かったけど楽しかった」「ハクセンシオマネキがよかった」と満足していました。大人は「暑かったけど楽しかった」とのこと。ほとんど初めて参加した人が多く、城南区や早良区など市内でも遠くからやって来た幼児を連れた家族が多かったようです。和白小学校の観察会に来られた先生方2人(男女)も参加され、子どもたちも一緒に来たかったといっておられました。藤井さんの絶妙な子どもたちへの接し方は参考になったのではないでしょうか。
最後は、アオサのお掃除への参加を呼びかけ、終わりました。ハマボウの花は盛りを見せたかったのですが真夏の昼下がり、熱中症も出ず、無事終わりほっとしました。観察された鳥は、山口さんによれば、カルガモ5羽、カワウ50羽、アオサギ4羽、ダイサギ8羽、コサギ2羽、トビ2羽でした。


六条潟見学と葦毛(いもう)湿原見学の報告
                 山本 廣子

六条潟見学報告
 12名程参加。六条潟は三河湾奥にある干潟で、周りは全て埋立地に囲まれています。六条潟のすぐそばにあるシンポジウム会場のシーパレスリゾートホテルの周りは総合スポーツ公園になっており、体育館やプールが立ち並んでいます。少し離れると田畑があります。六条潟前には高い護岸があり、立ち入り禁止になっています。私は前日早く着いたので、六条潟に行ってみました。立ち入り禁止の看板の横を抜けて高い護岸から見た海は殺風景でした。遠くにも山や緑がほとんどなく、風力発電の風車が10基くらい回っていました。護岸とホテルの間は淡水のクリークがめぐらされており、カワウが10羽程いました。
 
    
<六条潟の看板>              <六条潟護岸>
 さて6月26日(日)9:00~10:30、ホテルから徒歩で昨日の講師の山本茂雄さんの案内で六条潟を見学に行きました。体育館の横を回って15分ほどで護岸につきました。「アサリ禁漁区」の看板が立っていましたので、写真に写しました。和白干潟も国の「水産資源保護法」により、業者のアサリ漁は禁止となるはずだと山本茂雄さんは言われましたので、検討が必要ですね。護岸付近は風が強く吹いており、気を付けて護岸上を歩きました。護岸の下の海辺には石が積んでありました。2kmほど護岸を歩き、海へ降りる階段から降りました。コンクリートの高い護岸から海までは砂浜が少しだけありました。ツルナやハマダイコンなども少し生えていました。六条潟はアサリが採れるというだけで、景観も海水からも豊かさは感じられませんでした。なお見学時は満潮で、干潮の干潟を見ることはできませんでした。干潮時には600m引くそうです。和白干潟と同じくらいですね。

     
<六条潟見学>

葦毛(いもう)湿原見学報告
 17名程参加。昼食後に専用バスで運んでもらいました。豊橋市文化財センター所長の贄(にえ)元洋さんの案内と説明がありました。葦毛(いもう)湿原は六条潟から12kmほど内陸の山里にある湿原です。愛知県の天然記念物に指定されています。現在は森林化してきているので、保全と復元がボランティアの力を借りて取り組まれているそうです。湧水湿地で、表土が少なく、地表面を常に水が流れている小規模な湿地だそうです。森林化が進み湿地が失われていくので、これ以上絶滅させないように植生回復作業(木の伐採、除草、表土の除去など)を行っているそうです。土や森に埋まっている湿地を掘り出し、再生している途中だそうです。パンフレットに「東海のミニ尾瀬」と書いてあったので、佐賀県の樫原湿原のような感じかと思っていましたが、低い山肌を水が流れて湿地を作っているような湿原でした。

    
<葦毛湿原見学>
湿地にはモウセンゴケの白い花がたくさん咲いていました。日曜日のためかボーイスカウトや登山の人たちがたくさん来ていました。晴れていて気温が高くとても暑かったのですが、考古学者の案内者はこの湿原の復元に熱心で、立ち止まっての説明が長くだんだん疲れてきました。林の中に進むと涼風が吹いていて、いい気持でした。ここまでして復元が必要なのかと思いました。自然再生事業が各地で取り組まれているようですが、その前に現在の自然をこれ以上壊さない努力の方が先ではないかと思いました。三河湾のように海もほとんど開発されているので、山もきっと同じでしょうね。開発を進めながら一方で自然再生事業を行うのは、土木業者を潤わすだけではないでしょうか。少し複雑な思いを感じた見学会でした。


JAWAN総会とシンポジウム参加報告
                         山本 廣子

2016年JAWAN総会参加報告
2016年6月25日13:00~13:40、ホテルシーパレスリゾート(愛知県豊橋市)にて、日本湿地ネットワーク(JAWAN)2016年度総会が開催されました。23名参加。2015年度活動報告、決算報告、2016年度活動方針、予算案、役員について話し合われました。財政基盤が強化されたこと、環境省への申し入れ行動や辺野古埋め立て反対の署名協力など、「自然と環境を守る交流会」を他団体と共催できたこと、関係団体の活動の取材を行い通信に掲載したこと、などの報告がありました。2016年度活動方針としては、①JAWAN通信の定期発行と充実②運営体制の強化③JAWANの存在意義を示す活動を活発に、があげられました。行政や企業からまったく自由な立場で発言し活動するJAWANの存在は貴重であるので、今後も活動を発展させていこうと呼びかけがありました。役員は牛野さんと辻さんが共同代表、事務局長は中山さん、私は運営委員として続けることになりました。

JAWANシンポジウム「日本の湿地を守ろう 2016」参加報告
 2016年6月25日14:00~17:00、ホテルシーパレスリゾート(愛知県豊橋市)にて、JAWANシンポジウムが開催されました。28名参加。①講演「三河湾の現状と課題」講師:鈴木輝明さん(名城大学大学院特任教授)②講演「貝屋の欲目から診た日本の干潟(貝産地)の現状」講師:山本茂雄さん(アジアの浅瀬と干潟を守る会)の後、各地の報告がありました。アンパル、和白干潟、瀬戸内海、中池見湿地、三番瀬。特別報告として「日本の湿地~現状と課題~」報告:中山敏則さん(JAWAN)がありました。
① 講演では愛知県の漁業には全国1位の漁獲を誇るアサリ、シャコ、トリガイ、トラフグなどがあります。
三河湾などの内湾の豊かさは入口の狭さ(閉鎖性)と干潟・浅場のおかげ。豊富な栄養塩類やプランクトン類を蓄えているおかげで、日本1のアサリ漁獲量があります。→私は、10年位前に三河湾そばの蒲郡市職員がアオサ問題の解決策を聞きに来られたことがあり、現在の三河湾ではアオサの大量発生は起こっていないのかを聞きました。現在は全国的にも排水規制が強くなり、流入負荷が減っており、アオサの問題は収まってきているそうでした。東京湾三番瀬でもアオサの大量発生は減っているそうです。和白干潟ではなぜ解決しないのかと思いました。またアナアオサを若い内に収穫して天日干しし「青のり」ふりかけにしている業者があるそうです。
② 講演では、講演者は貝類の問屋をされていて、漁業者から小売りへの橋渡しをしているそうです。
 
  
<山本代表 報告>               <講演のようす1>
埋め立てや浚渫で浅場の環境が悪化し、流入河川のダムや堰の建設により流入水量が低下しています。富栄養化により赤潮や青潮が多発しています。日本の店頭では中国産や北朝鮮産のアサリやハマグリが増加していたが、今後減少傾向にあります。六条潟の場合は赤潮や青潮対策でアサリ資源が増加しています。六条潟は県の管理地で一般の人は立ち入り禁止や禁漁区となっており、六条潟で発生したアサリ稚貝を三河湾各地の漁業者が採って、各干潟で育てている。これらの育ったアサリが全国生産の8割を占めているそうです。稚貝の一部は愛知県外にもまかれているそうです。また小学生対象に「山川里海健康診断」として六条潟で区画を決めてアサリがどのくらい住んでいるかを調べているそうです。→埋め立て地や護岸で囲まれた六条潟で、なぜアサリが多く採れるのかを聞きました。三河湾に注ぐ豊川の恵みだろうということでした。

    
<講演のようす2>
 各地の報告や課題では、石垣島のアンパルについて関心がありました。アンパルはラムサール条約に登録されているが、地元の人たちの関心は薄く、開発による環境悪化が心配だということでした。→ヒトモトススキの大群落地は残っているかと聴きましたら、開発で減ってしまっているそうです。 私は和白干潟の報告をしました。「現状と課題」では、日本では「地元自治体などから登録への賛意が得られていること」がラムサール条約登録の条件になっており、開発を優先する自治体は登録に賛同しません。保全のために開発者の同意が必要という、矛盾した手続きになっていることが問題だ、と報告がありました。
 少し難しい話でしたが、JAWANのメンバーと会え意見交換ができて、良かったと思います。


山・川・海の流域会議 第4回「唐原川お掃除し隊」報告
                      今村 恵美子

日時:2016年6月11日(土)10:00~12:00
場所:福岡市東区松香台九州産業大学学友会棟横唐原川
参加:45名(守る会9名、グリーンガイドの会3名、楽友会1名、唐原川を考える会1名、個人2名、
   唐原川ラボラトリー11名、野生動植物研究会9名、福岡女子大2名、一般7名)

 曇りのち雨の予報がはずれて、陽射しも強く暑いお掃除日和となりました。唐原川鋤寄橋(すきより橋)周辺に目印のノボリ(ラブアースクリーンアップの)を3本立て、九産大学友会棟横に受付設置。10時、今宮さんの元気の良い司会で山・川・海の流域会議主催の第4回「唐原川お掃除し隊」を開会しました。松田代表から挨拶と、今回の掃除区域、役割分担について説明がありました。
 
     
<記念写真>               <松田代表の挨拶>
① 鋤寄橋~中流が唐原川ラボラトリー(北山ゼミ)、②中流~上流は、和白干潟を守る会、唐原川を考える会、③ ②の先~下原公民館までを野性動植物研究会(内田ゼミ)とグリーンガイドの会、楽友会が担当しました。参加者は、山・川・海の流域会議のメンバーと九産大の学生がほとんどで、一般の方は少なく、福岡女子大の学生2名がポスターを見て参加してくれました。用具は、金バサミ・ゴミ袋・軍手を区役所から、脚立と鉤つきロープは唐原川を考える会から、一輪車・手洗い水・ノボリは守る会から、脚立と胴長を内田ゼミから用意、長靴は九産大学生課から5足借りました。
 脚立を伸ばして川底に降り、落ちているゴミ、埋もれているゴミを拾う人、川岸に落ちているゴミを拾う人は道路や橋の上からゴミのある場所を下に伝えながら進めていきました。唐原川の生態を守るため昨年実現した「保全区」(中流~上流)は植生が濃く、ハグロトンボやチョウトンボなどがたくさん飛び交っていました。ウシガエルも川に飛び込みました。これらの植物の繁みにも空き缶やペットボトルが捨てられ、かき分けながらゴミを回収していました。
 
     
<川底の清掃1>             <川底の清掃2>
 担当区域で人手がほしいときは伝達して手助けをしてもらいながら、汗だくで清掃できました。初めて参加した女子大生も胴長をはいてみたいと申し出て、川底で積極的にゴミ拾いし楽しかったという感想でした。暑い日でしたので、松田代表が途中でグループごとに声を掛け、お茶の差し入れで水分補給をしてもらってみんな最後まで元気にやり遂げました。車の通行も多かったのですが、監視担当の坊薗さんにがんばっていただき事故もなく終えることができました。
 
     
<川底の清掃3>              <1,2班回収のゴミ>
参加者からは「唐原川がすっきりときれいになって気持ちよかった」「付近の住民がもっと関心を持って参加してほしい」「ゴミは暗渠の中にたくさんあった。古いビール瓶がたくさんあった」「燃えるゴミも、燃えないゴミもたくさんあった」「胴長をはいていても深いところもあった」「堰で水が深いところがあり、ゴミが拾えなかった。堰の必要がなくなった箇所の堰は取り除いてほしい」などの感想がありました。
 暑い中、皆さんお疲れ様でした!!

◆ 回収したゴミ
・中間地点  燃えるゴミ4袋。不燃ごみ3袋。
・下流地点  燃えるゴミ14袋。不燃ごみ8袋。粗大ゴミ:自転車1台、タイヤ1本、フェンス.傘
・上流地点  燃えるゴミ4袋。不燃ごみ4袋。粗大ゴミ:角材3本、電線1


「和白干潟をみんなの手で守りましょう!」ふれあいサロンで講演報告
                                  河上 律代

日 時:2016年5月24日(火) 13:00~14:10
講 師:山本廣子
参加者:44名 サロン37名・守る会7名
会 場:香椎公民館 ふれあいサロン香椎第一駅前
配布した資料:「和白干潟を守る会の入会案内」「和白干潟自然案内」「和白干潟通信118号」
「ミヤコドリ」の楽譜「「和白干潟を未来へ」の要旨
海辺の歌・・「うみ」「海」「われは海の子」「浜辺の歌」などの歌詞
集めた署名:34名分。

 雨の予報でしたが、幸い雨は降らず多くの参加がありました。最初に「うみ」「浜辺の歌」を麻生さんのピアノ伴奏でみんなで歌いました。
  
     
<和白干潟の講演>            <干潟のマジック>
山本さんは和白干潟は貴重な存在であることを、野鳥、植物、底生生物の映像やパネルを使って説明しました。また守る会のこれまで約30年間の歩みを述べました。
次にマジックでも干潟の生きものたちを紹介しました。そして「ミヤコドリ」の歌をみんなで歌いました。最後にラムサール条約登録について、解りやすく話され、署名をお願いしました。ラムサール条約登録の署名は、香椎の街頭ですでに署名した人もありました。
質問は、アオサは食べられるか?ラムサール登録地に何故ならないか?などがありました。

   
<ミヤコドリの歌を歌う>
松田さんは、6月11日の唐原川の清掃のチラシを配って、参加を呼びかけました。
今日のお話を聴いて、和白干潟を訪れたいという人がありました。20数年前に後藤さんと私を初めて和白干潟に案内してくれた人もいました。また干潟で知りあった山内さんも篠栗から来てくれて、人の縁を感じました。歌ありマジックありの、楽しい講演でした。和白干潟をもっと沢山の人に知ってもらいたいですね。いろんな会場でこのような楽しい企画があるといいなと思いました。


「和白干潟の自然と環境保全活動」と学校のメダカ池へのアドバイス 講演報告

                                報告 田辺スミ子

日時:2016年1月22日(金曜日)  14:15~15:55
場所:福岡教育大附属福岡小学校視聴覚室(福岡市中央区西公園)
講師:山本廣子:和白干潟を守る会代表 守る会参加1名
参加:5年生2クラス80名と先生1名(理科の授業の一環として行われました)

今日の講演は、学校の校庭にメダカのすむ池を作るための参考にしたいと、自然保護活動をしている守る会の山本代表に依頼が有り、実現しました。まず生徒代表の挨拶が有り、山本さんの紹介で始まりました。

  
  
<生きものの手袋を使って挨拶>         <講演のようす>

山本さんは生きものの手袋を使って挨拶して、皆の関心を引きながら話し始めました。和白干潟が埋立てられると知り、埋立てられないように保全願いの請願書を福岡市議会に出したこと。和白干潟は埋めたれられないことが決まった。
 皆さんも大切なものを守るために言葉に出してみようと呼びかけました。その後、和白干潟を守る会を作ったこと。最初にしたことは、和白干潟に名前を付けること。「和白干潟」のリーフレットを作り全国に広めたこと。今では「和白干潟」でどこでも通じるようになった、和白干潟の保全活動は28年になることや、皆さんもメダカの池にも名前を付けると愛着がわきますよと話しました。


     
<講演のようす>
次に、和白干潟の保全活動について紹介しました。自然観察会、クリーン作戦、鳥や水質の調査をしていること。この保全活動をメダカの池の参考にできるのではと話しました。草や木や水草などの最低限の整備で、日光や雨が育ててくれるだろう。皆さんは池や周辺の観察をして、ビニールなどのゴミを拾い、池やメダカの観察や調査をし、記録していくことが大切だと話しました。
映像を見せながら和白干潟の植物や、生きもの、渡り鳥ではミヤコドリを和白のシンボルとして守る会の会鳥にしたことや、貴重な絶滅危惧種のクロツラヘラサギが飛来することなど、和白干潟の四季折々の自然を紹介をしました。

みんなそれぞれ関心のあるところでは歓声を上げて、見たり聞いたりしていました。渡り鳥の話では和白干潟は、渡りの中継地や越冬地であることや、日本の干潟で自然海岸が残っているのは2か所しかないことで自然の里100選にも選ばれたこと、昔の和白干潟の様子などを詳しく話しました。NHKで放映された「和白干潟の湧水」のビデオを見て貰いました。生徒たちはメモを取りながら食い入るように見ていました。

地球上の自然には命を食べあうことによる「食物連鎖」の生態系があり、生態系の上位にいる鳥もまたカモなどがハヤブサに襲われ、魚はミサゴやトビに食べられる。こういう関係がこのメダカ池周辺にもあり、ネコやカラスもやってきて、メダカも食べられるかもしれない。観察や調査をもとに、今後の対策を考えること。暑い夏はどうか、寒い冬はどうかなど、やさしい気持ちで見守ってほしいと話しました。メダカ池やメダカの絵を描き、展覧会をしたり、メダカの歌を作ったりして、学校の皆が関心を持ってくれるように楽しく活動してと話しました。

切り絵の映像を流しながらの話には子供たちも見とれるほどでした。ラムサール条約にも登録されることを願い、署名活動を始めたこと。登録されて未来の子供たちに和白干潟の自然を残せることを願っていますと話しました。
最後の質問の時間には、水温が下がるとメダカはどうなるか?メダカとフナは一緒に飼えるか?などたくさんの質問が有りました。最後に生徒や先生の希望で「ミヤコドリ」の歌を2人で歌いました。生徒たちが活発で、楽しく話せたと山本さんの感想でした。帰りに2人で池を見て帰りました。



九州産業大学経済学部特別講義「和白干潟を未来へ」参加報告
                       報告 松田 元

日時:2016年1月9日(土曜日)  午後14時40分から16時10分まで
主催:九州産業大学経済学部(宗像ゼミ)
場所:九州産業大学1号館1階 N101教室
講師:山本廣子:和白干潟を守る会代表
参加:約90名(守る会:5名)

 同日は、午前10時から12時まで東市民センターで、山・川・海の流域会議定例会が開催され、海藻研究所所長の新井章吾先生をお迎えし、「和白干潟の命のつながり」をテーマに市民参加の新春講演会が開催されました。それに引き続き午後から、九州産業大学経済学部特別講義「宗像ゼミ」の講師として、山本代表が壇上に立たれました。
  
     
<講演のようす>              <講演のようす>
 「宗像ゼミ」は、ほとんど毎月宗像先生が学生と共に十数名で和白干潟クリーン作戦にご参加くださいます。山本代表もここ数年毎年講師として同ゼミの壇上に立たれ、多くの学生に和白干潟との関わり、歴史や現状などを通じての自然保全の大切さ、命の大切さ、なぜ多くの鳥たちが和白干潟に飛来してくるのかなど、映像やパネル、切り絵などを使い、また最近の動向やトピックスを挟みながら解りやすく説明されました。
教室には約90名の生徒や一般市民が熱心に聞いて、最後に質問・感想コーナーが有り「和白干潟の素晴らしさを知ることができた」「一度和白干潟に行って(活動に参加して)みたい」「守る会の活動の内容を知ることができ、とても興味を持った」「行動に移すことの大切さを感じた」といった内容のコメントが多数寄せられました。

 学生の中には今後行政マンとして活躍する人達もいるようで、是非自然環境に配慮した大きな心を持った
行政マンになっていただきたいものです。一般市民の参加者の中には、午前中の新井先生の講演会にも参加いただき、この講演会ことを知り参加された方もいらっしゃいました。毎回2つの講演がセットであるのですかと問われたりもしましたが、偶然になったとおはなしいたしました。
本当に本日は新年から、大きな夢や希望の持てる和白干潟の一年を迎えるに相応しい充実した一日でした。


新春講演会「和白干潟命のつながり~山から海までの物質循環による環境修復と地域活性化~」
(山・川・海の流域会議)
                       報告 今村 恵美子

日時:2016年1月9日(土)10:00~11:00
場所:東市民センター視聴覚室
講師:新井章吾氏 ((株)海藻研究所所長)
参加:28名 山・川・海の流域会議関係20名(立花会6名、唐原川を考える会1名、楽友会1名、グリーンガイドの会1名、唐原川流域会議2名、干潟を守る会9名) 一般8名

 「山・川・海の流域会議」恒例の新春講演会は、和白干潟の海底湧水の存在を明らかにし、和白干潟の更なる価値を教えていただいた講演でした。
新井氏は町おこしなどで地元の自然の再生に取り組んでいるところからの依頼で、日本各地を回っておられます。
実際に海に潜って調査して海底湧水を発見し、干潟や里山・里海がどれだけ自然の力で守られているのかを明らかにし、その力を活かすことを支援してこられました。今回の講演は“海の中から見た視点”で説明されました。
  
   
<松田代表の挨拶>              <講演のようす>
 和白干潟の地質には、博多湾シルト層・海ノ中道砂層・奈多砂層があり、山や丘陵からそれらの層を通して滲み込んだ水は、地下に溜まった海水を押し出し、海底から酸素や栄養を多量に含んだ海底湧水として生物の命を育んでいるということです。和白干潟では、外洋と同じくらいの塩分を含んでおり、30~40分で袋がいっぱいになるほどの海底湧水が湧き出ています。
和白干潟が人工島建設により海域が静穏化したにもかかわらず、砂質干潟が維持できアサリも育っているのは、海底湧水の力があるからだとわかりました。
  
      
<講演のようす>              <講演のようす>
 海底湧水が湧き出す仕組みを遮断するような工事などの開発行為があればたちまち水脈が断たれて、干潟の生態系は悪影響を受けるでしょう。沖縄の基地建設で反対している辺野古周辺は海底湧水が湧き、豊かな生態系が築かれていますが、開発が進む地域ではサンゴなどの消失が進んでいるとのことです。
海底湧水はなかなか目には見えませんが、「見えないものを見ることが大事」と強調されました。 

和白干潟を悩ましているアオサ問題については、アオサが厚く堆積すると細菌によって海水が貧酸素となり、硫化水素が大量発生してアサリなどが死んでしまうとのことです。対策はアオサを肥料として大量に駆除することだそうです。肥料として畑にじかに平置きするだけで、作物は根から栄養分(特にミネラル)を吸収し大きく美味しく育つそうで、アオサを使った場合とそうでない場合の紹介がありました。農家は農協などの指導でどうしても化学肥料に頼りがちですが、昔から海藻は使用されており先人の知恵を活かすことが見直されています。

海底湧水が増えればアサリも増えます。このように腐葉土など陸の栄養分も含む海底湧水は甘く、美味しい食塩として販売も可能ということです。私たちも2年前に和白の塩づくりを新井先生に教えていただき体験してみましたが、改めてその意義を振り返りました。
アオサを肥料とした農産物のブランド化、商品化が進んでいる例も紹介がありました。こうした海と陸の自然の恵みによる物質循環が経済的循環として進むよう、私たちも身近にある和白干潟をもう一度その視点で見直し、自然の恵みを活かすことに力を尽くす必要があると思いました。





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