2017年度対外活動


   2016年度対外活動

   2015年度対外活動

  2014年度対外活動
  2013年度対外活動
  2012年度対外活動
  2011年度対外活動
  2010年度対外活動


「バードウォッチングin和白干潟2017」報告
               今村恵美子

日 時:2017年12月9日(土)13:00~14:30 曇り 小潮 満潮14:27,147cm
場 所:和白干潟海の広場
参加者:39名:一般29名 港湾空港局2名、WF1名、守る会7名

気温は低いものの、和白干潟は風も無く穏やかでした。保全のつどい担当者は12時からテントを立て、望遠鏡を設置し、鳥の写真パネルを掲示して準備をしました。鳥たちも砂州や、沖合、周辺海域にもたくさん集まっていました。受付開始時刻にはどんどん参加者が集まり、近年まれな盛況ぶりとなりました。
 
    
<開会のあいさつ>              <鳥の説明>
参加者は子ども中心の若いファミリー層や年配のご夫婦連れなどがあり、市民の皆さんの関心の高さを感じ嬉しく思いました。市政だよりやなみきスクエア、ミニコミ誌などから知って参加した人が多く、母国で鳥のガイドをされているスリランカの男性も参加されていました。
 13時の開会挨拶と趣旨説明はウェットランドフォーラムの松本さん。鳥たちと参加者の多さにテンションが上がっていました。続いて笑顔いっぱいの山本さんから、和白干潟の鳥たちの特徴の解説があり、ビンゴゲームの説明の後、みんなでカードに今日見ることが期待される鳥のシールを貼って、観察開始です。
 
   
<バードウオッチング>        <ミヤコドリとクロツラヘラサギ>
 ずらりと並んだ望遠鏡は守る会のメンバーの持ち寄りと、個人で持参された方のものもあり、参加者の期待を満足させるに十分でした。初めてバードウォッチングに来たという人も多く、解説は守る会のメンバーが張り切って丁寧に行い、参加者からは歓声が上がっていました。潮が満ちてくるにつれ、鳥たちが近くに寄ってきて餌を採る光景が身近に見られ良かったようです。 
ビンゴの答え合わせで鳥たちは、ミヤコドリはじめクロツラヘラサギ、ツクシガモなど27種類観察できました。感想では「ミサゴがかっこよかった」「初めて和白干潟に来て、鳥たちが多いというのは聞いていたが、こんなに種類が多いのかと驚いた。」「雁ノ巣に住んでいるが和白干潟がどこにあるかわからなかった。
初めて鳥を一羽一羽見た」「城南区から来たが、鳥を観やすい海の広さだと思った」などがありました。最後にビンゴの景品の和白干潟の動植物下敷きをもらい、皆さん大満足のようでした。

<観察できた鳥>:27種
●淡水ガモ類:ヒドリガモ、カルガモ、オナガガモ、ツクシガモ(74)、ヨシガモ、オカヨシガモ、ハシビロガモ、マガモ、コガモ
●海ガモ類:スズガモ、ホシハジロ、ホオジロガモ、
●カイツブリ科:ハジロカイツブリ、カンムリカイツブリ
●ウ科:カワウ
●サギ科:ダイサギ、コサギ、アオサギ
●トキ科:クロツラヘラサギ(5)
●アイサ科:ウミアイサ
●猛禽類:ミサゴ(1)
●ミヤコドリ科:ミヤコドリ(25)
●チドリ科:
●シギ科:ダイシャクシギ(1)、ハマシギ(5)
●カモメ科:セグロカモメ
●山野の鳥:ハクセキレイ
●その他:オオバン


「ふくおか地域づくりフォーラム」参加報告
               有江圭子

日  時: 2017年11月18日(土)13:00~17:30
開催場所: ホテルニュープラザ久留米(久留米市六ツ門町)
主  催: 地域づくりネットワーク福岡県協議会
参  加: 守る会2名

 今年度の「ふくおか地域づくり活動賞」に応募して、グランプリ(知事賞)候補として「ふくおか地域づくりフォーラム」で活動内容のプレゼンテーションをすることになり、干潟まつりの前日の準備の日ではありましたが、久留米まで行ってきました。
 開会式の前にプレゼンテーションの打ち合わせがあり、14時から会が始まりました。初めに会長と筑後ブロック会長の挨拶のあと、グランプリ候補となった6団体のプレゼンテーションが5分ずつありました。

  
<プレゼンテーション>
プレゼンテーションが終わって、参加者は各団体1票グランプリを決めるための投票をしました。
 「講話」として、今年7月の北部九州豪雨で大きな被害を受けた朝倉町松末地区の松末地区コミュニティ協議会会長の伊藤睦人さんの「被災地の現状と今後の活動及び課題」があり、写真も交えて被害の状況を知り、朝倉の復興・再生を願わずにはいられませんでした。
 出会い・つながり・よかとこ交流会ではワールドカフェ方式による意見交換がありました。8人ずつのグループで、10分ごとにメンバーチェンジをして、①『新たな会員加入に向けてどんな取組みをしていますか』、②『活動資金をどうしていますか?』について具体的な話を聞くことができました。ファシリテーターの今泉重敏さんと原賀いずみさんが参加者から出た意見をまとめ、「①については、自分たちの街の魅力を発信する、人を呼ぶ前に、自分が楽しむ。②についてはクラウドファンディングという方法もあります」と話されました。
  
      
<表彰式>                 <記念撮影>
 最後に活動賞表彰式がありました。投票の結果、グランプリは「到津の森公園市民ボランティア森の仲間たち」で、準グランプリは「特定非営利活動法人 直方川づくりの会」と「弥栄神楽座」でした。和白干潟を守る会はプレゼンテーションの時間が5分と短くて、活動内容を十分伝えることが出来ず、残念な思いでした。講評では、和白干潟を守る会が29年間活動を続けていることを評価され、「ユネスコ未来遺産に登録されているので、次はラムサール条約ですね。和白干潟は福岡県の宝です」と言われました。守る会には地域活動賞の賞状と記念品(図書券)が贈呈されました。
参加団体の活動内容が広範囲に渡り、一つ一つの内容を深めることは無理でしたが、地域づくりについて多様な活動があることを知り、視野を広げることが出来ました。また、ファシリテーターの原賀さんは山本さんの知り合いで、グループ討議で一緒になった古賀市の団体の方は「今村さんに活動のアドバイスをもらいました」と話されました。東区在住の方は、「よく干潟通信が来ています」と言われ、人のつながりを感じました。干潟まつりの前日の忙しい中、参加させていただき、皆様ありがとうございました。



九州産業大学経済学部特別講義 行政学、「地方行政論」、「宗像ゼミナール」報告
「未来につなごう和白干潟!(和白干潟の自然と環境保全活動)

                      田辺スミ子

日時:11月14日(火)18:00~19:30                 
場所:九州産業大学1号館S101教室
参加:45名(守る会:3名)
講師:山本 廣子(和白干潟を守る会代表)

 山本さんは気分を盛り上げるために、マジックをしながら挨拶しました。皆さんの近くに和白干潟が有ること。1987年和白干潟が埋立てられることを知り、保全願いの請願書を福岡市議会に提出したこと。環境省の意見書もあり埋めたては免れたが、和白干潟より広い人工島が出来たことを話しました。次にプロジェクターで画像を見ながら、如何に和白干潟が渡り鳥にとっても重要であるかを分かりやすく話しました。クロツラヘラサギやシンボル鳥のミヤコドリ、他にも沢山の渡り鳥が飛来し、和白干潟は東アジアの渡り鳥の中継地として重要な干潟であることを話しました。
 
   
 <講演のようす>             <講演のようす>
150万都市福岡市の中にありながら、和白干潟は自然海岸のある干潟として「にほんの里100選」に選ばれ、2013年には和白干潟の保全活動が、「プロジェクト未来遺産」に登録されました。活動を続けて29年になります。和白干潟の自然を未来の子どもたちに残したいと。3月に「ラムサール条約登録」を求め福岡市議会に請願書を5千名を超える署名とともに提出したこと。8月には請願審査があり、意見陳述をしたこと。継続審議になったこと。大勢の市民が登録を望んでいることを話しました。

    
<講演のようす>
 和白干潟の保全活動は、子供から大人までの自然観察会、クリーン作戦、調査(鳥、水質、砂質)が柱になっており、具体的にスクリーンに写真やグラフを示してよく分かるように説明しました。11月19日には和白干潟まつりがあること。和白干潟通信やリーフレットなどを発行して、和白干潟の自然を知らせていること。和白干潟の保全には、和白干潟の集水域である山川海の連携が必要で、2012年7月から立花山や唐の原川流域のグループといっしょに保全活動をしていること。また海底湧水のビデオを見て、和白干潟には自然海岸があるおかげで、如何に海底湧水が多く湧きだしているかを丁寧に説明しました。和白干潟の海水に比べて酸素が10パーセントも多く含まれており、静穏域でありながら如何に底生動物やアサリなど2枚貝が多くいるかを話しました。最後にマジックで、山、川、海がつながっていることを見て貰いました。このマジックは分かりやすいようでした。
 山本さんのきりえ作品を映し出しながら、会場から質問や感想を受けました。
・リーフレットを見て、ラムサール条約登録地がイギリスは多いが日本はなぜ少ないのか? ・ボランチィアをしたいがどうすればよいか? ・和白小の近くに住んでいるが、環境教育が重要と思うがどんな伝え方をしているか? などの質問がありました。西日本新聞東支局の記者も取材にきてありました。



香住丘小学校5年生の総合学習で講演
「未来につなごう和白干潟!」(和白干潟の自然と環境保全活動)報告

                       村上 寿浩

日時:2017年11月6日(月)10:45~12:20
場所:香住丘小学校音楽室
参加:香住丘小学校5年生4クラス147名と先生4名
和白干潟を守る会:3名(講師:山本 廣子他2名)

香住丘小学校の校長先生に挨拶の後、おだやかな秋の陽が差し込む音楽教室に5年生147名が待っていました。山本代表の講話がはじまりました。全国に2か所しかないといわれる貴重な自然海岸のある和白干潟。絶滅危惧種のクロツラヘラサギやミヤコドリなど、多くの種類の渡り鳥の渡来地。ヒトモトススキやハマニンニクなどの貴重な塩生植物。海水浄化をうながすたくさんのカニや貝やゴカイなどの底生動物のこと。ラムサール条約に登録されるための意義、運動のこと。福岡にある和白干潟は福岡市民の誇り、皆で守り続けていかなければならないこと。夏の海水浴、ノリの養殖、潮干狩り。守る会の発足、これまでの活動。
 
     
<山本代表>               <講演のようす>
ここで生まれ育った山本代表の臨場感ある話は、生徒たちの興味を引いたことと思います。途中、5年生担任の須田先生の怖いお話2題が、疲れ気味の生徒たちに一息つかせたようです。

    
<守る会の紹介物展示>
生徒たちは今年すでに3度も和白干潟に行ったそうで、7人の子どもたちの質問はなかなか鋭く、要を得ていました。今後はもう1回干潟に冬鳥を見に行き、今回の講演を参考に「和白干潟新聞」を作り、4年生に渡すそうです。彼らが干潟まつりやクリーン作戦などにも参加してもらえたらいいなと思いました。約1時間半の講義は12時20分頃終了しました。校庭の桜の紅葉がきれいでした。


「アオサのお掃除大作戦2017」第2回参加報告
                今村 恵美子

日時:2017年10月1日(日)12時30分~14時30分 曇り
場所:和白干潟・海の広場沖
主催:和白干潟保全のつどい
参加者:102名(守る会8名)
アオサ回収量:326袋(約2t)

 天気予報では晴れで、30度にもなるということでしたが、薄曇りで、体が楽に動きやすい日和でした。
今日は毎年参加のイオンチアーズクラブの子どもたちや、アオサの堆肥化をはじめ暮らしの様々な問題を学ぶ市内の九大生中心で、色々な大学生からなるグループ13名、循生研と共にアオサの堆肥化から玉ねぎを栽培し、ドレッシングの開発までやっている九産大生などたくさんの参加者が集まり、活気あふれるアオサ回収となりました。
  
   <アオサ回収作業>               <記念写真>
 沖合には緑のアオサがたっぷりありますが、中には白く変色して腐敗に向かうアオサも増えて来ていました。白くなったのを先に回収するようにという注意を受けて、若者たちも子どもたちも一生懸命に集めて網袋に入れ、次々に中間地点にソリで運んでいきます。40分ほどで回収作業をやめるように言っても、皆なかなかやめようとせずに続けていました。周りを見ればいくらでも回収しなければ、という気になってしまいます。

 いったん中間地点まで運んで、子どもたちがアオサネットの袋の山に登って記念写真を撮り、集積場所に再びソリで運びました。集積場所には前日九電商友会の300人の参加者が築き上げたアオサの袋の山があり、約700袋あったそうです。

    
<回収されたアオサ>
 今日のアオサ袋は参加者102名で326袋でしたので、みんなよく頑張ったのがわかります。ソリを洗って広場に戻り、循生研のアオサ堆肥化の話や、参加者の大学生の紹介などがありました。WFの松本さんの振り返りでは、日本でも数少ない自然干潟であることなどの説明に参加者は驚いていました。
 初めて参加した大学生からは「干潟を初めて体験した」「アオサ回収を通して人の生活の営みなどとの関連問題を知ることができ、大変貴重な体験だった」、子どもたちからは「大きなカニ(ハマガニ)を捕った」などの感想が出され、これからも干潟に関心を持って参加してくれそうな雰囲気が感じられました。最後にスポンサー提供の飲み物やお菓子、スタンプカードを渡して終了しました。
 2羽のミサゴやトビが杭に止まっているのを、荒牧さんの望遠鏡で観察できました。天気が暑くも寒くも無く、落ち着いて作業できたことは有難いことでした。
 次回の3回目は10月15日(日)12時30分から14時30分の予定です。


アオサのお掃除大作戦2017」(1回目)参加報告
山之内 芳晴

◆日 時 : 2017年9月3日(日) 13:00~15:00  晴れ
◆主 催 :「和白干潟保全のつどい」
◆場 所 : 和白干潟・海の広場沖
◆参加者 : 45名(守る会:8名(今村、坊薗、荒巻、山口、平松、村上、南、山之内))
◆アオサ回収量 : 190袋

 曇り空であればと期待しましたが、晴天でのアオサ回収作業になりました。
 最初に藤井さんからアオサについてのミニ勉強会。アオサはが育つ条件は、温度、太陽の光、栄養分があること、そして、その栄養分は私たちの家庭から出されており、流域人口が多いことが流入する栄養分を増やしているとのことでした。温度については30度位が成長し易く、20度以下になると分解されるとのことでした。
 この後、各自アオサを入れるネットとソリを持って沖合いの回収場所へ移動、ここでは藤井さんを講師に、干潟の生きもの学習。アオサの上にはたくさんのウミニナが、手でアオサを取り除いて見ると、砂の上に5、6個のアサリ、スコップで掘ってみるとゴカイがいました。
  
   
<干潟の生き物学習>              <アオサの回収>

 見ていた人たちはアオサの下にアサリがいたことに驚いていました。干潟がアオサに覆われたため、砂の中にいたアサリが苦しくなって砂から出てきてしまったとのこと、アオサが腐るとその下のアサリやゴカイは死んでしまうので、そうならないよう回収しましょうとの言葉でミニ勉強会を終わりました。
 回収作業はアオサをネットに詰める人、ソリで中間地点まで運ぶ人に分かれて回収作業にかかりました。浜辺から見た時には余り多くないように見えましたが、実際に回収作業に入るとアオサは結構ありました。まだ腐っていなかったので、綺麗なアオサが回収できました。40分ほど行った後、中継地点へ移動しました。中継地点では全員集合して記念撮影、そして全員で中継地点に積まれたアオサをソリに乗せ、ゴミ置き場まで運びました。
  
     
<アオサの運搬>             <中継地点で記念撮影>
作業に使用したソリを清掃した後、海の広場でスポンサー提供の飲み物を飲みながら歓談。参加者からは、「楽しかった」「干潟が思っていたよりも広かった」「良い筋肉トレーニングになった」などの感想がありました。最後に参加者にスポンサーからのお菓子とスタンプカードを渡して散会しました。
今年は子ども連れのお母さん方の参加が多かったです。赤ちゃんを胸に抱えて参加された方が2組もおられ、本当に頭が下がる思いでした。アオサのお掃除大作戦、市民の中に根付いているようです。


第4回 ふれあい環境教室報告
松田 元

日時:平成29年8月5日(土)9:00~12:00
場所:九州産業大学(12号館)12109教室 と 唐原川
主催:九州産業大学野生動植物研究会(共催:山・川・海の流域会議)
参加:37名:守る会4名、九産大野生動植物研究会13名
   子供:8名と保護者9名、香住丘校区自治協:中山会長、九産大:花田課長
   東区役所総務部企画課:飯笹氏

「東区いきいきまちづくり提案事業」採択の唐原川自然体験も今年で4回目を迎えました。年々子供の参加者が減少傾向に有り、募集方法の再検討が必要です。去年今年と地域を限定して募集していましたが、全市を対象にメールで募集することを提案しました。
さて、今年も暑い中最初に教室で香住丘校区自治協の中山会長の挨拶の後、産大生の進行で、唐原川の解説や唐原川に住む生き物の紹介をスライドと水槽に入れた実物で詳しく説明しました。
  
    
<教室での説明>               <川での生き物観察>
その後子供たちが3班に分かれ実際に唐原川に入って、魚や、川エビ、カワニナなどを採取しました。今年は連日の猛暑で、子供たちの熱中症を心配しましたが、大学生のお兄さん達の見守りで子供たちは喜んで網で魚取りに夢中でした。炎天下の中約1時間、沢山の生き物を水槽に入れました。

    
<川での生き物観察>
最後にもう一度教室に戻り、各班毎に数、大きさ、種類などの数値による評価をし、表彰状を渡して盛り上げの工夫をしました。また参加してくれた子供たちに、小枝で加工した鉛筆の作り方や缶バッジの作り方を教え、自然体験に工夫がありました。
来年は日時や募集方法を再検討して、参加者を最低15組くらいになるよう提案したいと思います。


第8回「和白干潟の生きものやハマボウを見る会」(主催:和白干潟保全のつどい)報告
                         今村 恵美子

日時:2017年7月23日(日)13:30~15:15
場所:和白干潟海の広場~牧ノ鼻
参加者:66名。(守る会12名、港湾空港局3名、WF1名、講師1名)

 最高気温35度の真夏の昼下がり、保全のつどい関係者は12:30に海の広場に集合。海の広場入り口は坊薗さんが前日丁寧に草刈りをしてくださって見通しが良くなっていいました。まずテントを立てて、受付などの準備をしました。守る会の受付担当は中嶌さんと今村。13時30分開会で進行係は山之内さん。山本さんの挨拶と趣旨説明がありました。2003年に守る会会員が1本のハマボウの木を発見してから今日に至るまでの「ハマボウを見る会」の歴史を分りやすく熱く語りました。熱中症や危険な生き物についての注意の後13:40、藤井さんから生き物の解説をしていただきながら、干潟に移動開始。
  
    
<開会の挨拶>                 < 観察開始>
 夏休み最初の日曜日なので、参加者は子ども連れの家族が多く、小さな子どもたちでとてもにぎやかでした。宿題の自由研究に、と藤井さんに密着して熱心にノートを取る小学2年生もいて感心させられました。干潟の生き物の主役はカニです。潮がよく引いていてコメツキガニは少なかったのですが、アシハラガニなどをたくさん子どもたちが捕まえ「カニを捕ったあ」と叫ぶ声があちこちから聞こえていました。今年は軍手を渡していたので、子どもたちも怖がらずに捕まえることができたようです。次々と小さなプラケースに入れるこどもたちもいました。沿岸のアシ原にハマナデシコがきれいに咲いており、ハママツナやイソホウキギなどの塩生湿地植物などを山本さんが紹介しました。
  
    
<アシハラガニ>                 <ハマナデシコ>
唐原川浅瀬を渡りますが、冒険気分です。怖がる子供はいないようでした。こんな体験が楽しい思い出として残ることでしょう。貴重植物シバナの囲ってある付近にいるハクセンシオマネキは、この時は望遠鏡ではなかなか見えませんでした。藤井さんの助手の息子さんが捕まえた小さな個体を、藤井さんが皆に見せました。
  
    
<ハママツナ>                 <生きもの観察>
小川を渡ると、牡蠣殻がいっぱいの岩礁地帯を歩き、石をひっくり返して隠れているケフサイソガニやタテジマイソギンチャクなどを観察しました。歩きにくい場所でしたが、幸い転ぶ子どももいなくてほっとしました。
  
    
<海草の説明>                 <シバナ生育場所>
 牧ノ鼻下のハマボウにたどり着くと、そびえるばかりに大きく育った親木の周りには隙間も無く子孫たちが繁茂し、無数の黄色の花を咲かせていました。毎年来ている私たちもわが子の成長ぶりを見るようで、「ほー」と見上げるばかりでした。ここでしばし休憩し、ハマボウをはじめ照葉樹林の牧の鼻の植物について今村が簡単に説明しました。
  
   
 <ハクセンシオマネキ>              <ハマボウ>
続いて藤井さんがどんな生き物に出合ったか、ふりかえりをしました。10種類のカニなどの生き物を確認しました。参加した子どもたちからは「水辺のいきものや植物を知ることができて楽しかった」「カニを捕まえるのが楽しかった」と感想が出され、大人からは「知らないことばかりで勉強になって良かった」「市政だよりで知って、来てみて良かった」と感想が出されました。みんなで記念写真を撮って、フェイスブックにも載せるそうです。最後にアンケートを書いていただいて終了しました。

    
<記念写真>

ほとんどの参加者が海の広場まで帰りましたが、こんな遠かったかな、と思った方が多いようでした。少しペットボトルのゴミがあった程度で、守る会のメンバーが拾いながら帰りました。J:COMの取材もあり、山本さんもインタビューを受けました。7月25日(火)17:00~17:24までのニュースのとき放映されるそうです。熱中症も出ずに「楽しかった」と満足されて終えることができ、私たちの疲れも癒されました。

◆観察された生きもの:コメツキガニ、ハクセンシオマネキ、ケフサイソガニ、ヤマトオサガニ、オサガニ、アシハラガニ、イシガニ、ハサミシャコエビ、テッポウエビ、ユビアカベンケイガニ


第5回「唐原川お掃除し隊」(山・川・海の流域会議主催)報告
                     今村 恵美子

時:2017年6月3日(土)10時~11時30分
場所:唐の原川柳が坪橋~唐原川河口
参加者:約50人(和白干潟を守る会12名、グリーンガイドの会:1名、九産大唐原川ラボラトリー7名、香住丘自治協議会1名、香住台町内会4名、和白4区町内会2名、唐原団地町内会3名、清水建設5名、他)
 真夏のような晴天でしたが、風がありさわやかな天候に恵まれ、9時50分に唐原西公園に集合しました。今回は、香住丘自治協議会の町内会長さんたちが協力してくださり、総勢約50名の参加となりました。
  
   
<はじめの記念写真>             <川を降りて>
中には、清水建設の方々が熱中症対策にとたくさんの塩飴持参で助っ人に参加、今回は大学の講義のため、学生の参加が少ないと覚悟していただけに、大変心強く有難かったです。九産大からは学外連携課の職員の方も参加され、長靴をたくさん貸し出していただきました。
  
       
<河口清掃>             <アシの中を清掃>
町内会からは胴長や、鉤つきロープ、はしごをお借りしました。松田代表の開会挨拶の後、清掃区域の説明があり、3班に分かれて道具類を持ち、持ち場に向かいました。1班は国道に近い「柳が坪橋」付近で香住丘町内会長グループ、2班はその下流「外輪崎橋」付近を九産大生、3班はさらに「河口まで」とし、和白干潟を守る会と清水建設と香住台町内会などが中心に担当しました。記念写真撮影後に清掃開始です。
1班は子ども用自転車が3台も泥の中に埋まっていて、なかなか引き出せず、近くの方が家からツルハシを持ってきてようやく出すことができました。下流では山本、田辺の女性陣も梯子を使って川底に下り、丁寧に燃えないゴミを拾っていました。
  
    
<川の上の土手も清掃>            <投棄された自転車>
橋の下でバイクが見つかり盗難バイクの可能性があったので、パトカーで警察官が駆けつけ、現場を確認する騒ぎになりました。免許証やカードなどの照合をされていました。このバイクは現場に置いておくことになり、引き揚げませんでした。お掃除し隊も5年目となり、たくさんの参加者が清掃活動に参加され、効率よく動くことができます。
  
    
<河口終了の記念写真>             <河口のゴミ>
どこのグループでも重くなったごみの袋をカギ付きロープで引き揚げ、手際よく処理していました。みんな汗びっしょりになりましたが、達成感はありました。きれいになった川面を涼しい風が吹き抜け、それぞれ現地解散しました。
  
    
<投棄されたバイク>             <河口のゴミ>
河口のゴミ集積所では、記念写真を撮り感想をお聞きしました。「思ったよりゴミが多かった」「川がきれいになって心も美しくなった感じ」「参加して良かった」など、建設会社の若手社員が初めて参加の感想を語ってくれました。下流域参加者は唐原団地の会長さんが集会所でお茶とコーヒーを用意していただき、感謝しながらいただいたそうです。唐原団地からは4名の方がお世話いただきました。このような交流ができて有難いですね。地域に定着することを期待したいです。
集めたゴミは、役員などが手分けして「燃えるゴミ」と「燃えないゴミ」に分別し、まとめました。またカード入りの財布が出てきたので、松田さんが交番に届けに行きました。九産大生のものだったそうです。落ちていた自転車の一つは春日市の人のものだったとか。さらに松田さんが長靴を洗って九産大に返却し、いろいろ後始末が大変でした。
※ゴミ集計結果は、以下の通りです。(概算)
1班:燃えるゴミ10袋、燃えないゴミ5袋程度。
2班:燃えるゴミ5袋、燃えないごみ3袋程度。
3班:燃えるゴミ10袋、燃えないゴミ10袋程度
粗大ごみ:自転車5台、バイク1台、鉄柱1、バッテリー1、傘多数、シート状のもの、木材など多数。


上西郷川見学会報告(山・川・海の流域会議主催 )
                     今村 恵美子

日時:2017年5月16日(火)10時~11時40分
場所:福津市上西郷川周辺
参加:11名 和白干潟を守る会9名、個人2名

薄曇りで風も無く、程よい気温の絶好の観察会日和。今回の見学会は山・川・海の流域会議の総会で講演された「上西郷川の多自然川づくり」の現場を見学しようと提案があり、企画されたものです。
JR福間駅東口方向にある西郷橋に10時に集合。西郷橋は上西郷川の中ほどにあり、周辺は新しい住宅やコンビニ、などがぼちぼち建ち始めている静かな区域です。

まず、松田さんが手にした多自然型川づくりの機関紙の表紙に載っている地点をめざし、シロツメクサが一面に咲いている野原のなだらかな斜面を下りてみました。水深の浅い川にはきれいな水が流れ、大きな石の陰で渕ができていたり、小石を敷き詰めて堰を造り流速を緩やかにしたり、と様々な生き物が生息しやすいような工夫がなされていました。
  

夏には子どもたちが川に入って遊べるように、安全で楽しく生き物たちとふれあうことができる素晴らしい空間が作られていました。川沿いの草むらや小道を国道3号線に近いところまで約1㎞歩いて引き返しました。何か所も流れを変える仕組みがあり、せせらぎの音が何とも心地よく、いつまでも飽きない快適な時間を過ごすことができました。

川辺の植物相は豊富で、クローバーの中にいろいろな植物が入り混じっていて、数え上げたらきりがありません。びっしりと生えたクローバーの中で、四葉のクローバーがかなり見つかり、それぞれ幸運を手中に納めたかもしれません。クサヨシの穂に触ると、ネコの毛のように柔らかな手触りであることを発見。草の中にナナホシテントウムシをかなり見かけました。
  
     
<クサヨシ>                <クレソン>
珍しかったのが、準絶滅危惧種と言われる水辺の「アサザ」の群落です。最大で3、4cm程度の緑の円形の平たい葉が、一見浮草のホテイアオイのようにも見えますが、水辺の土にしっかり根を張っていました。荒牧さんが「こんなにたくさん広がっているとは」と驚くほど、ずっと川に沿って他の草に交じって見かけられ、旺盛な繁殖ぶりです。若い葉はジュンサイのように、食べることができるとか。白い小花をたくさんつけたクレソン(オランダガラシ)もいたるところで見かけましたが要注意外来生物で、他の植物を駆逐するので良くないとのことです。立派なセリも見かけましたが、量的には確かにクレソンに負けています。
  
   
<アサザ(準絶滅危惧種)>           <ツマグロヒョウモン>
自然が豊かに保たれているので生き物も多く、コイが泳ぎ、小さなトノサマガエルも見ました。いろいろな蝶も飛び交い、モンシロチョウ、モンキチョウはもとより、オレンジと黒の模様の鮮やかなツマグロヒョウモン、ナガサキアゲハが水を飲んでいたり、オハグロトンボやムギワラトンボ(シオカラトンボの♀)もいました。亀も見かけましたが、多分ミシシッピアカミミガメではなかったかと思います。唐原川のようにたくさんいないようで1匹だけでした。
  
   <河原を観察>                 
<ナガサキアゲハ>
鳥は、カルガモ、コガモが川を泳ぎ、ダイサギ、コサギが川の中に、アオサギは帰りに寄った公園の観察デッキの柵にじっと止まって君臨しているかのようでした。上空にはヒバリが羽を震わせてさえずっていました。下流にはハクセキレイ、川の石の上にもムクドリが降りて餌を探し、ツバメも飛び交っていました。途中、坊薗さんや山本さん、村上さんなどゴミを拾いながら歩きましたが、少ないことに感心しました。

荒牧さんが水質検査の道具を持参され、水を汲んで試薬を入れてみたところ、CODは8、亜硝酸は0.005、リンは0,7でした。上西郷川の水は透明できれいなように見えましたが、唐原川や和白川より水質は悪いということです。上西郷川には山から水が入っていないためではないかという意見もありました。
最後に、公園で記念写真を撮り「水遊びがしたいと思った」「ゴミが唐原川よりずっと少なかった」「水質検査では余り良くなかった。福津市は下水処理をもっと進めなければ」「土手の感じが良かった」「水辺に入りやすくて良かった」などの感想が出されました。
講演会では、住民と行政と大学が連携して川を再生したと聞きましたが、実際に現場を見て、歩いて、触って、その成果を実感しました。たくさんの人が知恵や労力、自治体も税金を使ってこれからの世代のためにより良い自然を残していることに感動しました。福岡市にぜひ参考にしてほしいものです。大変良い経験をすることのできた貴重なひとときでした。
  
    
<途中で記念写真>             <終了時の記念写真_>
観察した鳥:カルガモ、ハクセキレイ、コガモ、ツバメ、ヒバリ、ムクドリ、トビ、ヒヨドリ、ダイサギ、コサギ、アオサギ
植物:アサザ、クレソン、シロツメクサ、レンゲ、オニタビラコ、キツネノボタン、クサヨシ、ヘビイチゴ、ギシギシ、セリ、カヤツリグサ、スギナ、エノキ、アカバナユウゲショウ、クズ
生き物:ナナホシテントウ、コイ、モンシロチョウ、モンキチョウ、ツマグロヒョウモン、ナガサキアゲハ、オハグロトンボ、ムギワラトンボ、ミシシッピアカミミガメ


「2017年度日本湿地ネットワーク総会」 参加報告
                   山本 廣子

日 時:2017年4月15日(土)13:10~15:30
場 所:港勤労福祉会館(東京都港区)
参加者:11名 和白干潟を守る会2名

議長の牛野さんが議事進行をされ、2016年度活動報告などを中山さんが行いました。
2016年度総会とシンポジウムについて、2017干潟・湿地を守る日について、2016年度の役員とJAWAN活動の課題、「JAWAN通信」の定期発行についてなどの報告がありました。

    
<総会の様子>
JAWAN運営の強化、JAWANの存在感を示す活動、重要湿地のラムサール条約登録などを求め環境省と交渉を行ったことが報告されました。また、三番瀬と盤洲干潟のラムサール条約登録を求める環境省交渉を行ったことやシンポ「東京湾の再生と葛西三枚洲のラムサール条約への登録を目指して」に参加したこと、辺野古の埋め立てと県外からの土砂搬入問題についての報告がありました。

2016年度決算報告、監査報告(細田さん)があり、2017年度活動方針について中山さんから報告がありました。
「JAWAN通信」の定期発行は年4回を目指すこと、運営体制の強化について、JAWANの存在意義を示す活動を活発にすることについて、行政や企業から全く自由な立場で発言し行動するJAWANの存在は大変重要であるので、日本の湿地保全活動の伝統を保持し、発展させ続けることが求められていることなどが報告されました。

全国各地の湿地保全運動への協力・支援については、それぞれの湿地団体による環境省などとの要請行動を支援することが話されました。
和白干潟を守る会も環境省への要請行動をしたら、JAWAN事務局や三番瀬関係者がぜひ支援したいということでした。しかし福岡からは遠いのでなかなか難しい問題ですが、「中野さんなどの東京近郊在住者が中心になって活動できれば実現できないか」とアドバイスがありました。JAWANシンポジウムは2018年春に三番瀬で開催予定。若者の運動参加と退職者への期待が述べられました。

2017年度予算報告があり、2017年度の役員候補について検討しました。私も運営委員を継続することになりました。その後、各地の状況と取り組みについて、参加していた中池見、熊森協会、三番瀬、環瀬戸内海会議などから報告があり、劇「ギジムナー」のお知らせがありました。私はできたばかりの通信122号やリーフレットを配布して「和白干潟を守る会」の請願書提出などの活動について紹介しました。

JAWAN総会の前に田町駅で中野さんと会い昼食後、総会に参加しました。参加者が少なくて残念でしたが、JAWANの皆さんと会えて意見交換ができて有意義な一日でした。また中野さんにいつもご協力いただき心強く、感謝いたします。



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