人工島野鳥公園基本構想の人工干潟造成計画の撤回を求める要望書
福岡市長 山崎広太郎 様 2006年7月5日
和白干潟を守る会 代表 山本廣子
福岡市東区和白1−14−37
TEL・FAX: 092-606-0012
2006年5月26日に、福岡市野鳥公園検討委員会から 福岡市長に提出された「野鳥公園基本構想」の中に人工干潟の造成が含まれていますが、以下の理由によりこの計画の中止を求めます。
1. 人工干潟造成が予定されている場所は和白干潟のすぐ沖です。人工島の埋め立で
閉鎖性が高まり停滞水域となっている和白海域の環境を、今回の人工干潟で新たな埋立てを行えば、潮流変化とさらなる潮流停滞を招き水交換能力が損ねられ、和白干潟の環境悪化がさらに拡大することが懸念されます。
また閉鎖性の強い海域で大規模な埋立てを行えば、その潮汐にも変化が及ぶ懸念があ
ります。潮位の変化は少なからず和白干潟の生物相の変化や生態系に影響を及ぼすこ
とになります。
2.和白干潟やその海域は国指定鳥獣保護区に指定され、ラムサール条約の登録湿地の候補地にもあげられている国際的に重要な場所です。このように自然の環境価値の高い場所でその改変を行うことは、生態系の微妙なバランスを崩し和白干潟の生物に大きな影響を与えます。
3.和白海域に予定されている人工干潟造成で波浪や浸食が起きた場合、和白干潟に大量の土砂が流れ込むことになり、地形的に和白干潟を破壊する危険性が極めて高いと思われます。
4.海ガモ類(スズガモ、カンムリカイツブリなど)は、水深3〜4メートルの海域で生息・採餌しています。人工干潟の造成で海ガモ類の生息海域が狭められる危険性が高くなります。人工島の埋め立ての折にも海ガモ類の生息場所を埋め立てて、生息数を激減させています。
5.和白干潟とその海域の環境改善のためには、窒素除去、潮流回復のための施策を最優先とすべきで、その努力も無しに人工干潟を造成することは、環境破壊以外の何ものでもありません。