和白干潟自然観察会報告
◆和白小学校4年生4クラス126名と先生4名の和白干潟
観察会
◆2010年1月27日(水)9:45〜11:45 晴れ
中潮 満潮:8:08 干潮:13:13
◆和白干潟を守る会の自然観察ガイド:8名、カメラ:1名
風もなく、日差しが眩しいくらいの良いお天気でした。
和白小学校の4年生126人が先生と学校から約30分かけて海の広場まで元気に歩いてきました。
みんな肩から袋付きのバインダーを下げ、そこには筆記用具やら守る会が事前に渡しておいた
自然観察案内リーフレットなどを携えていました。
初めに守る会担当者の自己紹介をし、山本さんが干潟の豊かさを分かりやすく説明しました。
そしてゴミを捨てないでね、埋め立てないでほしい、皆で自然を守っていきましょうと話しました。
<和白干潟のお話し>
守田さんから鳥のしぐさビンゴを説明したあと、8班に分かれバードウォッチングをしました。
<バードウオッチング>
<見えた!>
マガモ、ツクシガモ、ダイシャクシギ、ミサゴなどを望遠鏡に入れ、皆でかわるがわる観察しました。
子どもたちは望遠鏡で見た鳥とリーフレットの写真を見比べてこれだと確認して嬉しそうでした。
<望遠鏡で見た鳥を絵に描く>
<広い干潟で生き生き観察!>
そして持ってきた観察記録用紙にさっそく見た鳥の絵を記録していました。
先生方も初めて望遠鏡で見られたようで、楽しそうに観察されていました。
生徒によって関心度は違いますが、広い干潟で皆仲良く元気で生き生き観察していました。
<センダンの冬芽観察>
<鳥の足跡 み〜つけ!>
バードウォッチングのあと、アシ原を歩き植物観察をしました。
薄黄色の実をつけているセンダンの木ではお猿さんの顔に見えるセンダンの冬芽を虫眼鏡で観察しました。
「これパソコンで見た」という子もいて、守る会のホームページも事前に見てくれていることがわかりました。
冬枯れのアシ原は人気で、歩きながらここは秘密基地みたいだと言っていました。
ハマウドなどの植物も観察しました。
その後砂州に出て再びバードウォッチング、ヨシガモなどをよく観察できました。
きれいな砂浜では、よく見ると鳥たちの足跡がたくさんあり、山本さんがこれがチドリの足跡、こっちはカラスの
足跡、これはカモの足跡と話す、と子どもたちはあちこちで足跡を見つけては「ここにもあったよ」と、足跡発見を
とても楽しんでいました。
貝殻を拾ったり、鳥の羽も見つけてなんの鳥の羽根だろうと関心を持ったようでした。
穏やかな天気ということもあってか先生も生徒もゆったりとした時間を満喫しているようでした。
<今日見た鳥のおさらい>
海の広場に戻り、山下さんから今日見た鳥のことを紙芝居を使って復習しました。
守田さんが干潟ビンゴの確認をし、見たことには元気よく手を挙げていました。
それに応えて皆に和白干潟の写真絵葉書をプレゼントしました。「干潟だいすき」の絵本も寄贈しました。
子どもたちからの質問ではクロツラヘラサギがどうして絶滅危惧種になってしまったのか、
ハマシギはいつも群れるのか、草を食べる鳥は?雄雌どっちが多いの?など次々と手が挙がり、
山本さんや守田さんたちが一つ一つ答えてあげました。
ミヤコドリが見られなくて残念でしたが、引いた干潟を初めて歩いた子どもたちはさまざまな発見をして
望遠鏡の操作も覚える子などもいて、皆良い体験が出来たようでした。
RKBのテレビ取材もあり、当日の夕方6:30頃の天気予報の中で観察会の映像が放映されました。
担当者の皆さま、お疲れさまでした。
●今日観察された鳥:
マガモ、ヒドリガモ、オナガガモ、ヨシガモ、ツクシガモ、スズガモ、ホオジロガモ、ホシハジロ、ウミアイサ、カルガモ、
ハシビロガモ、ダイサギ、コサギ、カワウ、ハマシギ(約100)、シロチドリ(約30)、ダイゼン(3)、ダイシャクシギ(2)、
トビ、ハシボソガラス、ミサゴ、セグロカモメ、モズ、ハクセキレイ、ヒヨドリ、ウグイス、ツグミ、
●観察された生き物:
ハマトビムシ、ゴカイ、ウミニナ、ホソウミニナなど 貝殻:マテガイ、オキシジミ、アサリ、ソトオリガイ、
●観察された植物:
緑の葉ではハマウド、ハマニンニク、ハマナデシコ、ツルナ、ハマダイコン、
実ではセンダンの実、マサキの実など、
センダンの冬芽
(報告:片岡)
真冬の和白干潟では、アシや、アシ原の小道に生えた植物たちも、みな枯草色に染まり、
周りの木々も葉を落としながら、春の訪れを待つています。
気温の激しい変化のせいか、アオサが無くなったせいか、一時よりカモ達が少なくなっています。
波で打ち上げられた海草には、アサリ、ホトトギスガイ、ウミニナなどの稚貝が沢山付着していました。
<作業内容の説明>
<打ち寄せたゴミを集める>
クリーン作戦では、今年も幸先良く、沢山の若人の参加が有り、嬉しくもあり頼もしい限りです。
始める頃に雨やあられが降り、実施出来るか心配していたのですが、段々と天気も回復してきて、
無事終わる事が出来ました。
<ゴミの収集と運搬>
<広場前の作業風景>
海の広場前〜唐原川河口(右岸)近くまで、広範囲に清掃することが出来ました。
<クリーン後の交流会>
クリーン後の交流会では、矢部さんから心づくしのぜんざいのサービスが有り、かじかんだ指や身体も温まり、
参加者全員笑顔でした。
参加者・・・・合計42名
リコーテクノシステムズ・・7名、 福岡リゾート&スポーツ専門学校・・7名、
ザノースフェイス・・5名、 スターバックスコーヒー・・8名(3才、小3、学生バイト含む)
パタゴニア・・2名、 一般・・2名、 守る会・・11名
ゴミは・・・・・合計150袋
可燃ゴミ・・59袋、
不燃ゴミ・・1袋、 ソリ・・39回=78袋、 一輪車・・4回=12袋
その他
発泡スチロール浮き・・2個、ケースバラ・・3個、数個大袋入り・・1個プラスチック波板3枚
観られた鳥・・・・ダイゼン・9羽、 ダイシャクシギ・1羽、 クロツラヘラサギ・3羽、 ツクシガモ・約100羽
以上でした。
参加の皆様、寒い中有難うございました、お疲れ様でした。
(報告:田辺)
◆1/23の水質調査と砂質調査結果
水質調査結果
測定場所:海の広場
リン酸イオン(PO4)
0.02mg/l
化学的酸素要求量(COD)
5mg/l
亜硝酸(NO2)
1.0mg/l
透視度
24.0p
砂質調査結果
基点:海の広場前
測定場所:浜辺側10メートル
測定点@ 表層酸化層の厚さ:35o 還元層の黒色度:7
測定点A 表層酸化層の厚さ:45o 還元層の黒色度:2
測定点B 表層酸化層の厚さ:48o 還元層の黒色度:3
測定場所:沖合い150メートル
測定点@ 表層酸化層の厚さ:36o 還元層の黒色度:8
測定点A 表層酸化層の厚さ:48o 還元層の黒色度:9
測定点B 表層酸化層の厚さ:39o 還元層の黒色度:9
(報告:山之内)
冬期シギ・チドリ調査の2回目を行いましたので報告します。
今津では1/10(日)に調査を行いました。
タゲリ20羽、ハマシギ52羽、オオハシシギ1羽など、10種111羽がカウントされました。
他にはクロツラヘラサギ21羽、ヘラサギ1羽、ズグロカモメ5羽、ツクシガモ22羽が観察されました。
博多湾東部でも、1/10(日)午後に調査を行いました。
ミヤコドリ9羽、シロチドリ38羽、ハマシギ156羽、ミユビシギ19羽など、6種233羽がカウントされました。
他にはクロツラヘラサギ14羽、ツクシガモ330羽、ミサゴ4羽、カンムリカイツブリ11羽が観察されました。
博多湾東部海域の内、和白海域では野鳥の会福岡支部の水鳥全種調査も兼ねて行いました。
カモ類は4020羽、シギ・チドリ類は233羽でした。
水鳥総羽数では昨年6942羽の約3分の2の4361羽、最も多かった1992年の26380羽に比べて6分の1でした。
鳥類で見ると和白海域は環境悪化が進行しているようです。
博多湾東部は和白探鳥会後急いで調査を行いましたが、若潮で11:23が干潮で干潟の出現が少なくて、
シギやチドリの観察数は少なかったです。
<シギ・チドリ調査風景>
<塩浜護岸下の小さくちぎれたアオサ>
アオサ堆積状況は、和白海域では奈多や塩浜の護岸下、雁ノ巣桟橋付近などの北側に少しアオサが
堆積していました。
アオサは緑色でしたが小さくちぎれていました。
名島海岸では堆積アオサはほとんどありませんでした。
香椎海岸には沿岸に緑色のアオサの帯が見られました。
和白海域と香椎海域ではウエイクボードのモーターボートが通っていました。
調査参加者は16名でした。調査に参加された皆さん、お疲れ様でした。
(報告:山本)
定例探鳥会(主催:日本野鳥の会福岡支部)報告
和白海岸 − 和白川河口〜塩浜堤防〜五丁川河口〜奈多 ―
2010年1月10日 −曇り−
[観察鳥種] 61種 [参加者数] 26人
2010年最初の探鳥会です。
遠く広島県や岩国市、田川市からの参加がありました。
福岡支部の田村副支部長から挨拶をしていただきました。
引き潮なので、和白川の堤防方面へ行きました。
和白川河口にはヒドリガモがたくさん休んでいます。
辺りのセンダンの木々にはムクドリが群れていて、実を食べていました。
<クロツラヘラサギ>
<トベラ>
干潟にはオナガガモやマガモなどの淡水ガモがいて、ミヤコドリ9羽やダイシャクシギ、クロツラヘラサギも
確認しました。
遠くアシ原付近にはハマシギやシロチドリも群れていました。ツクシガモも多くいました。
<センダンの冬芽>
<センダンの実>
堤防の道ではアキグミやトベラの赤い実が生っています。
センダンの枝には冬芽のお猿さんの顔がたくさんできていました。
草は枯れていましたが、カワラヨモギには柔らかな新芽が出ていました。
クリークでカワセミが2回飛びましたが、スーッと青い筋を見た人はわずかでした。
<カルガモ>
<ハシビロガモ>
クリークにはコガモやカルガモ、ハシビロガモなどがいましたが、近づくとすぐに飛び立ちます。
ホオジロやジョウビタキ、ミヤマガラスなどもゆっくり見ることができました。
<ジョウビタキ>
<探鳥会風景>
和白海域の沖ではスズガモやカンムリカイツブリもいましたが、少し前よりもかなり少なくなったように感じました。
その中でホオジロガモは多くいたようです。
塩浜展望台下の砂浜にはちぎれたアオサが流れ着いていました。
奈多海岸ではオカヨシガモが多く見られました。
和白海域の中でも、場所によって見られるカモの種類が違います。
カモにも場所に好みがあるのでしょうね。
奈多で鳥合わせをしました。曇り空でしたが、昨日までの寒さが和らぎ暖かな探鳥会でした。
(参加者の感想)
・ ミヤコドリやツクシガモが見れてよかった。
・ いつも小鳥を見ているので、カモたちが大きく見えた。
・ ホオジロガモやスズガモがきれい。
・ ミヤマガラスやカワセミが見れてよかった。
(報告:山本)