筑陽学園中学校秋の校外理科学習は、底生生物の研究者として和白干潟に来られていた、
元同校教諭の逸見さんの指導で始まり、今年で19回目との
ことでした。
さわやかな秋晴れに恵まれ、海の広場で挨拶。
和白干潟について紙芝居を使って紹介し、ガイドが自己紹介し、生徒たちの写真撮影の後、
望遠鏡を使っての野
鳥観察をしました。
<干潟のお話>
<話に聞き入る生徒たち>
あいにく、鳥の数は少なかったのですが、今年初めて姿を見せたオナガガモ9羽を見ることができて幸運でした。
そのほかウミネコ、カワウ、アオサギ、ダイサギ、コサギ、トビなども観察できました。
<望遠鏡で野鳥の観察>
今回は潮が引いていないため、10時50分から早めの昼食を取り、11時50分から干潟の生
き物観察を始めました。
<アサリの採り方臨時講習会>
<早速、アサリ採り>
干潟を手で掘ってアサリやオキシジミを探しあてたり、海水浄化実験では、アサリなど二枚貝を入れた
ペットボトルの海水が見事に海水を
浄化していることを目の当たりにして感嘆の声が上がりました。
<二枚貝による浄化実験>
砂地でのコメツキガニ探し、アシ原でのアシハラガニ探しなど、夢中になって採集するほほえま
しい光景が見られました.
<アシ原の中でアシハラガニ探し>
<可愛いコメツキガニ>
引き続き14時10分まで生徒が9班に分かれ、干潟の生物調査を行いました。
9つのテーマのうち、干潟を守る会ガイドは干潟動物
生息調査(砂地、砂泥地、泥地・岩場)、干潟の汚染とアオサ調査、
干潟沿岸の植物調査をサポートしました。
<砂地の生き物調査班>
<砂泥地の生き物調査班>
<泥地・岩場の生き物調査班>
<カニの巣穴調査班>
<干潟の汚染とアオサの調査班>
<干潟沿岸の植物調査班>
<干潟の汚染と浄化能力の調査班>
砂地では、コメツキガニは多かったものの、例年見られるマメコブシガニがまったく観察できませんでした。
砂泥地も、今年は例年より動物が少ないという印
象を受けました。
岩場ではトビハゼやハクセンシオマネキ、クルマエビなどが観察されました。
アオサは毎年大量発生し、堆積して腐敗し、干潟の環境汚染の一
因となっていましたが、今年は極端に少なく、
点在するだけで堆積はまったくありませんでした。時期的に発生が遅くなっているのか、今年は発生が少ないのか
今後の経過を見守り、専門家の調査が必要と思われました。
沿岸の植物は、塩生植物のハママツナが紅葉し始め、ハマナデシコは、ナデシコJAPANの影響も
あっ
て調査前から関心を集めていました。
<唐原川流域に拡がるハママツナ群落>
草笛をうまく吹きこなす生徒もいて、自然に溶け込むことのできたひと時ではなかったでしょうか。
植物調査の用紙が
事前に配られていなかったことは残念でした。
また、備品をおき忘れ、失くしたりする生徒もいるので、ガイドも注意することが必要です。
14時15分からまとめを行い、和白干潟の自然に触れて、保全することの意味と、楽しさを学んでもらえたようです。
●観察された鳥 :
オナガガモ(初)9、ウミネコ20、アオサギ1、ダイサギ3、コサギ1、カワウ10、トビ1
●観察された生き物 : アシハラガニ、コメツキガニ、ケフサイソガニ、ハクセンシオマネキ、アカテガニ、
クロベンケイガニ、
アサリ、ソトオリガイ、オキシジミ、マガキ、ウミ二ナ、ホソウミ二ナ、アラムシロガイ、
アマガイ、タマキビガイ、ケハダヒザラガイ、ツボミガイ、ヤドカリ、
クルマエビ、トビハゼ、ミズクラゲ
●観察された海藻 : オゴノリ、ボウアオノリ、アナアオサ
●観察された植物 : シバナ(穂)、ハママツナ(紅葉)、ハマサジ(花)、ハマニンニク、ハマナデシコ(花)、
ハマヒルガオ、ハマエンドウ、イソホウキギ、ハマウド(種)、コマツヨイグサ(花)