最近の和白干潟

2019年9月

和白干潟のクリーン作戦と自然観察★国際ビーチクリーンアップ参加のゴミデータ調査 報告(9月28日)

NHK学園15名の和白干潟観察会報告(9月27日)

筑陽学園中学校3年生77名と先生5名の和白干潟校外理科学習報告(9月26日)

アリの見分け方研修会(日本自然保護協会と共催) 報告(9月23日)

福岡アジア文化賞大賞を受賞したフィリピン社会学者ランドルフ・ダビッド氏等3名を和白干潟で案内しました(9月12日)

2019年度 秋期シギ・チドリ調査報告(9月10日)

定例探鳥会報告 和白海岸(9月8日)


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和白干潟のクリーン作戦と自然観察 ★国際ビーチクリーンアップ参加のゴミデータ調査報告

                                                         田辺 スミ子

  ●日 時:9月28日(土)15:00~17:00
  ●参加者:37名 : 一般25名(九産大宗像ゼミ12名、筑紫女学園高校3名、西日本シテー銀行和白支店1名、三菱ケミカル5名、他4名)守る会12名
  ●回収ゴミ:70袋、可燃ゴミ袋:66袋(人工ゴミ20袋、アオサ1袋、草木45袋)不燃ゴミ袋:4袋、(人工ゴミで一番多いのはペットボトル、次に食品包装プラスチック類でした)
  ●粗大ゴミ:自転車1台、工事用板1個、竹1本、タイヤ1個、人工芝1枚 、小型冷蔵の庫内部分1個、
  ●観られた鳥:カワウ70羽、ダイサギ50羽、アオサギ11羽、ミサゴ1羽、淡水ガモ120羽(マガモ、ヒドリガモ、オナガガモ、カルガモ等)

  本日のクリーン作戦は、国際ビーチクリーンアップ参加でゴミデータ調査を行いました。天気予報も色々と変わり、夕方場所によって雷雨と言うことでしたが、朝から良い天気でした。
  定例会議が終わり、急いで海の広場に向かいました。広場には数名の方が待っておられ、急いでテントを立て準備しました。
  始めに本日のクリーン作戦方法など山之内さんが説明をし、人工ゴミを1時間集めた後で分別担当の人は分別をしました。その他の人は1時間自然ゴミを集めました。
  風があまりなくとても蒸し暑かったのですが、何時もの宗像ゼミの先生と学生、筑紫女学園高校生、新たに三菱ケミカルからも参加して頂き、若人が多くてとても頼りになりました。
  大風17号の影響も有り人工物が大量に流れ込んでいましたが、週明けより観察会が続いて有りましたので、その都度ペットボトルなどの人工ゴミは集めており、1時間の収集でも多く集めることが出来ました。
  自転車や家電粗大ゴミも有りました。

     

  分別には宗像ゼミ、筑紫女学園高校生などに参加いただきました。終わると同時に凄い雷雨でした。傘を差しながらでしたが、お茶でのどを潤して貰いました。
  参加された皆様有難うございました。お疲れ様でした。

                

  今、和白干潟では、アシの穂が大分伸びて来ました。ハママツナは波で洗われて数本が根ごと抜けていました。広場にはキンエノコロの穂がまだ残っており、メリケンムグラが白い小さい花を沢山付けています。
  クサネムは大きく育ち沢山の実を付けており、ハマサジも黄色い花を咲かせていました。奥の方にはシロバナサクラタデも白い可憐な花を見ることが出来ます。
  ツルナやハマナデシコ、アキノミチヤナギなどの花も見られました。ハマユウ、シャリンバイ、センダン、ハマゴウなどに実が生っています。

     

                  

  また、ハリエンジュは台風で枝が何本も折れていました。カモ達も日に日にと多く渡って来ています。ミヤコドリは今年の初認は3羽奈多で観察されましたが、和白では未だ観ることが出来ていません。
  和白で観られることを楽しみにしています。




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NHK学園15名の和白干潟観察会報告

                            山之内 芳晴

  日 時:2019年9月27日(金) 8:35~10:30天候:晴れ
  場 所:和白干潟
  参加者:15名  守る会ガイド:3名

  雨が降るかと心配しましたが、強い日差しの中での観察会です。大潮の満潮時間帯でしたので、海の広場やアシ原の植物観察が主体の観察会でした。今回のグループは、PADIジャパンが全国から募集した15名のグループです。
  主に東京周辺の人達で、九州も3名いました。自己紹介をした後、山本さんが干潟を守る活動をしたきっかけや紙芝居を使って干潟とはどんなところか、干潟の役割などを話しました。バードウオッチングでは、鳥は少なかったですが
  羽を広げたカワウやスズガモなどを見てもらいました。

                

  満潮時間帯でしたので干潟の中には入れず、海の広場のハマボウやハママツナ、ハマサジ、ハマニンニクなどを紹介しながらアシ原の入口付近に移動.。
  浜辺にはたくさんのアシハラガニがおり、みなさんにカニ捕りを体験してもらいました。その後、アシ原の中を探索、アキノミチヤナギやハマナデシコなどが花を咲かせていました。
  そのほか実をつけたセンダンやシャリンバイ、ナンキンハゼ、ハマユウなどを紹介、アシ原の中道では、ツルナの葉っぱを試食してもらいました。全国各地を探索されているだけあって、植物への興味も強いようで、アシとは異なる穂の
  クサヨシを見られて、これは何ですか、との質問もあり、ハマゴウを紹介した時には、鳥取でも見たことがあるとのことでした。

                      

  昨日、アシ原の道づくりをしておいたので、アシ原の探索はスムーズに運びました。アシ原から砂州に出たところで、望遠鏡で唐原川河口のマガモやヒドリガモなどを観察した後、浜辺の植物観察とゴミ拾いをしながら海の広場へ移動。

               

  砂州の辺りの浜辺には、たくさんのアシハラガニがおり、新たな和白干潟の発見でした。最後に海の広場の奥のヒトモトススキを紹介しました。参加されたみなさんは植物が好きな人が多く、研究熱心な方たちでした。
  最後に、海の広場で記念撮影をして散会しました。

              

  
  見られた鳥:カワウ、ウミネコ、ダイサギ、コサギ、スズガモ
  観察された生きもの:アシハラガニ、クロベンケイガニ、アカテガニ
  海そう:アオサ
  観察された植物
       (花)ハマナデシコ、シロバナサクラタデ、アキノミチヤナギ、ツルナ、ハマサジ
       (実)ハマユウ、シャリンバイ、センダン、ナンキンハゼ、アキグミ
       (穂)キンエノコロ、ダンチク、アシ、クサヨシ、ヤマアワ、ヒトモトススキ

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筑陽学園中学校3年生77名と先生5名の和白干潟校外理科学習報告

                                                                           今村 恵美子

  日 時:2019年9月26日(木)10:00~14:30 曇り 中潮(満潮7:35 干潮14:03
  場 所:和白干潟海の広場~牧の鼻
  参加者:中学生77名と先生5名 守る会ガイド5名  校外学習ガイド見習い研修3名

  曇り空の下、風がなく、時折小雨がぱらつく蒸し暑い一日でした。海ではアサリ獲り業者が船を浮かべ、海中に入りジョレンを使ってアサリを掘っていました。業者による乱獲禁止の条例もまだないままに注意もできず
  もどかしい限りです。
  10時開始山本さんによる干潟の話と紙芝居の後、望遠鏡でダイサギ、コサギ、ミサゴ、マガモ、ヒドリガモ、オナガガモ、カワウ、セグロカモメ、ウミネコを観察しました。コサギがたくさん群れ遊ぶ光景とゆったりしたダイサギや
  マガモの姿が対照的でした。ウミネコやセグロカモメも来てくれて見せることができてよかったです。私が見せたミサゴは人工島の前に市が造った人工の石積みの上にいました。

                

  鳥の観察より砂浜にお絵かきすることに夢中な生徒たちもいて、苦笑してしまいました。
  沿岸のハママツナは、先週の台風で根元から横倒しになっていたものもかなりあり、踏んづけたりする生徒がいたため、山本さんが貴重な海岸の植物について説明してから、アシ原に向かいました。
  アシハラガニを捕獲するミッションでは、小学生や保育園児の方が夢中でつかまえるのに対し、強そうなカニに手を出せない男子学生もかなりいました。

                         

  干潟に入り、コメツキガニを巣穴近くから掘って、出てきたところを捕まえて手に載せて小さな命を感じてもらいました。沖に出てアサリを手で掘って、浄化実験のペットボトル再利用容器に投入しました。
  素手で掘ることに抵抗ある子供たちもいましたが、たくさん採ることができ、泥水もしばらくたつときれいに澄んできました。

             

  午前の部を終わり、広場の草の上でグループごとにお弁当を広げ、休憩時間には砂浜でキャッチボールをするなど楽しそうでした。
  午後は9つのテーマでグループに分かれ、干潟の生きものたちを調査しました。守る会は5人のガイドが①砂地の生きもの②砂泥地の生きもの③泥地・岩場の生きもの④アオサ⑤植物について調査の手伝い兼指導を担当しました。
  砂地班は、生徒たちがまじめに取り組んでいたとのこと。砂泥地班は澪筋にはアサリが多く、生き物がまあまあ多いと感じたそうです。岩場班は、楽しく活発に生き物探しに取り組み,モクズガニやテナガダコを見つけました。
  アオサ班はアオサが例年より少なく、調査地点探しや臭いに苦労しましたが、沖合でアオサの下からテナガダコが出てきて大喜びでした。植物担当は積極的に植物を見つけようとする生徒が少なかったとのことです。
  植物は動きがないので関心がいまいちなのでしょう。

             

                      

  14時に調査を終わり、採れた生き物などを見せましたが、マテガイの殻を説明する前に「塩をふると出てくるやつでしょう?」と言う生徒がかなりいて、TVなどで目にする機会があって面白そうだという記憶があったのでしょう。
  荒尾干潟では毎年やっているそうですから、ここでもそういう体験ができるように干潟を復活させたいですね。私は雁ノ巣に住んでいた時、砂州に行ってやっていたことがあります。
  生徒たちはこの後、学校でまとめの学習をするそうで、モクズガニはメスは海に返し、オスだけ標本にされるとか。タコの入った袋に海水を足し、大事そうに持って帰りました。植物の名前を担当の荒牧さんに確認している生徒もいました
  最後に山本さんが「みんな自然を守る人になってくれるかな?」と問いかけると、おずおずと手を挙げる生徒もいましたが、再度挙手を求めるとみんな手を挙げていました。
  今日の楽しい思い出を生かして、自然について考え行動してほしいと思いました。

                       

  今日は校外理科学習のガイド見習いということで3名の方に午後から参加していただきました。テーマ別に5人は絶対に必要なのです。今年で27回目を迎えた筑陽学園中学校の校外理科学習を中断させることはできないので
  高齢化問題を抱えながらも、人材育成は緊急課題です。見習いといってもこれまでもガイドの経験がある方ばかり、守る会の柱として活躍をお願いします。
  終了後、翌日に観察会が予定され、アシ原を案内する可能性が高いということで、アシ原の道が台風で通れなくなっているため、何人かで鎌で切ったり、手で押しのけたりしながら通れるように踏み固めました。
  ◆観察された野鳥:ダイサギ、コサギ、ミサゴ、マガモ、ヒドリガモ、オナガガモ、セグロカモメ、ウミネコ、カワウ、キアシシギ(声)、トビ(声)
  ◆生き物:アサリ、オキシジミ、ユウシオガイ、ホトトギスガイ、アラムシロガイ、ウミニナ、ホソウミニナ、ツボミガイ、シロスジフジツボ、ヤドカリ、ゴカイ、イトゴカイ、ヨコエビ、タマキビ、イシダタミ、アマガイ、アカニシ、
       マガキ、テッポウエビ、ヒメケハダヒザラガイ、マテガイの殻、コメツキガニ、アカテガニ、ケフサイソガニ、ハクセンシオマネキ、クロベンケイガニ、アシハラガニ、ガザミ
  ◆植物:ハマナデシコ、ハマゴウ、アキノミチヤナギ、キンエノコロ、ダンチク、アシ、シロバナサクラタデ
  ◆海藻:アオサ、オゴノリ、ボウアオノリ、アサミドリシオクサ



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アリの見分け方研修会(日本自然保護協会と共催) 報告

                                            有江 圭子

   日 時:2019年9月23日(月・祝)10:30~16:15  天候:曇りのち時々小雨
   講 師:寺山 守 氏:理学博士 
   参加者:13名 日本自然保護協会担当者 萩原氏 守る会8名

   前日は台風17号の強風が吹きましたが、台風も福岡を通り過ぎ研修会が無事開催されました。参加者の中には他県から見えた熱心な方もいらっしゃいました。
   日本自然保護協会担当者の萩原さんの司会で始めに山本さんが挨拶をしました。萩原さんが「自然保護協会の自然しらべでは『アリ』は2年続けて取り上げています。
   この研修会は全国で川崎、福岡、兵庫の3カ所で行われ、アリの外来種の侵入を食い止めるためにアリのことがよくわかる人を増やしていきたい」と言われました。

                                          

   そして講師の寺山先生の「日本のアリと外来アリの侵入・定着」の話が始まりました。
   (ヒアリの侵入・定着)
   ヒアリは2年前に日本に侵入が確認され、日本にさせてはいけないと水際で食い止めるために国が動いているとのことでした。しかし、その後も巣が発見され、侵入から定着の状況になっている。
   最初はマスメディアも盛んに取り上げたが、最近では取り上げなくなっている。しかし、今日、定着が始まっている。ということでした。
   (アリの概要)社会性昆虫としてのアリ
   孤独性昆虫のチョウは卵を産むとどこかへ飛んで行き、卵からかえったら一人で生きていくそうです。家族性昆虫のゴキブリの一種はオスとメスは朽木の中に巣を作り、子が大きくなるまで一緒に暮らすそうです。

                            

   ドロバチは子どものために安全な巣を作り、エサは親が準備するそうです。カメムシ母は卵の上に乗っかって外敵のアリから子を守る。家族性が進化したものが社会性昆虫で、子どもが大人になっても巣から出て行かす、生殖能力ゼロで
   母(女王アリ)のために働くということでした。働きアリ、働きバチは子どもで、女王アリ、女王バチは母親で家族を構成しているそうです。社会性昆虫は母がたくさん子を産み、ハチは5~6万個、アリは百万個産むそうです。
   社会性昆虫のハチ類はメスが一人で巣を作り、社会性昆虫のシロアリは王(オス、父)と女王(メス、母)が常に交尾しなくてはいけないので常にペアでいるそうです。アリやミツバチのオスは一時期しかいなくて、交尾後死ぬそうです
   精子は普通3日しか生きていけないが、アリやハチのメスの袋の中ではずっと生きていて、メスは袋の中に精子をためておき、小出しにするそうです。昆虫が小さい理由は、小さいとエサを獲得するのが楽、隠れ場所、生活の場所が
   見つけやすい(外敵から身を守る)ということで、小さく進化したとのことでした。アリは世界中では約1500種、日本では約300種、福岡県では88種いるそうです。食性は植物性、肉食、雑食など多様だそうです。
   (アリの社会生活)
   新女王はオスと結婚飛行をし、オスはすぐに死ぬが、新女王は10年以上生きるそうです。働きアリの寿命は1年ぐらいとのことでした。女王アリは交尾後翅を切り離し、4~5年で新女王とオスを作るとのことでした。女王アリは
   最大2㎝ぐらいの大きさだそうです。
   単女王性のアリもいれば、同じ巣に複数の女王アリがいる多女王性のアリもいるそうです。その場合、1つの巣が家族の集合体になっているとのことでした。アミメアリは女王アリのいないアリで、日本では普通にいるが世界的には珍しい
   アリだそうです。働きアリが卵を産んで子どもを作っているそうです。働きアリはメス(白アリは例外)でまれにオスがいるそうです。アリには一時的社会寄生、恒久的社会寄生をするアリがいるそうです。 
   (様々な環境とアリ)
   日本は多様な環境があり、アリも多種類が見られ、北の方が種類が少ないとのことでした。1平方メートル四方にいるアリの種類と数を調べると、都会では民間の庭で10数種類、小学校で10~29種類(平均16種類)、皇居で49種類
   いるそうです。富士山や砂漠、洞窟にもアリはいるそうです。
   外来種は約40種いて、人類の交易に付帯して世界中に分布を広げていったアリを放浪種ということでした。生態学では「侵略的外来種」は一般外来種とは区別するそうで、「特定外来種」は環境省の用語で法律用語ということでした。

                           

   (日本へのヒアリの侵入)
   ヒアリの日本侵入は2017年からだが、ヒアリは世界中で大暴れしているそうです。南米からアメリカに侵入し、次に中国、台湾、オーストラリアに侵入したものが日本にやってきているということでした。
   (ヒアリに刺された時)
   アリがヒトを噛むと噛むことにより自分の体を固定し、針で刺し、一回転しながら複数回刺すそうです。噛まれても痛くはなく、刺した時に痛みが出るが、痛みがひどくないので放っておかれることが多いため、しばらくして全身症状
   (赤い発疹)が出てから病院に運ばれるので処置が遅くなるそうです。ヒアリが刺すのは自分の巣を守るためで、定着すると巣が増えるとのことでした。ヒアリの毒の強さはスズメバチと同じ程度で、毒がヒトの体に一気に流れ細胞を
   破壊し、赤血球が死に、白血球も死ぬとのことでした。全身症状が出るかどうかは個人差があるそうです。全身症状が出た後、呼吸困難、汗などのショック症状が3日位続くそうです。
   ヒアリに刺された時の対処法はスズメバチやアシナガバチと同じで、エピペン(アレルギー対応の注射)は有効だそうです。エピペンを学校の保健室に置いておくべきだが、まだ実施されていない。急性症状による死亡はゼロにできる
   可能性があるが、日本ではスズメバチによる死亡が毎年20人ぐらいある。日本は救急搬送システムが出来ていないとのことでした。
   (ヒアリの被害と対策)
   アメリカ:6000億~7000億円の被害。雑食性のため、電化製品・信号機故障、農業・畜産業被害、ゴルフコース・学校・商業施設被害など様々な被害が出ていて、官公庁による年間防除費用は7800億円、医療被害5000億円などが
   あげられるが、生態系の被害は算出されていないそうです。  
   台湾:ヒアリ駆除のための組織を作ったが、多額の資金を投入したにもかかわらずヒアリの封じこめができずに、組織は縮小されたとのことでした。小学生向けに着ぐるみを使った啓発活動を行っているそうです。
   オーストラリア:国際空港での根絶成功例があるが、別のところで発見され、継続中とのことでした。ハヤトゲフシアリについては優秀な探索犬の協力を得ているそうです。
   中国:対策をとったが駆除できす、中国から日本に女王アリが侵入しているとのことでした。女王アリをゼロにしないと根絶できないそうです。
   日本:今年、ヒアリの定着した巣が見つかっており、専門家だけで根治することは無理なので、できるだけ多くの目が必要だそうです。日本でも湾岸を突破した例がいくつも出ているそうです。日本は積極的な啓発が必要とのことでした
   (ヒアリの巣の駆除方法)
   ヒアリは立派な巣を作るので、駆除には何回か殺虫剤を散布し、半年後に駆除できたかどうか確認するそうです。
   先生の話は延々と続き、私たちはすっかり話に引き込まれていましたが、13時より一旦昼食休憩をとりました。和白干潟を守る会の会員以外の方もいらっしゃったので、食事をしながら自己紹介をして交流しました。
   13時45分より講師の先生の話が再開しました。
   (侵略的外来アリ)
   侵略的外来アリにはアカヒアリ、アカカミアリ、アルゼンチンアリ、コカミアリがいるが、そのうち、アカカミアリとアルゼンチンアリが日本に定着している。アカカミアリは緊急対応外来種であるが、自衛隊の基地がある硫黄島には
   アカカミアリの巣がたくさんあるにもかかわらず、対策がなされていないとのことでした。専門家以外の人は野外でヒアリの可能性を把握すれば十分で、ヒアリと似ているアリがいるが、間違ってもかかわっていこうとする姿勢が
   大事です。と話されました。
   (ヒアリの観察のポイント)
   腹柄(腹部の節)が2つある、触角は10節で、先の2つが大きい、色は茶色、働きアリはいろいろなサイズのものがいる(連続多型)ということでした。巣は大きくなると高さ50センチ位になるが、初期の場合探すのは難しいけれど
   アリの行列を見つけるとよいそうです。行列を作っているので小学生でもわかるとのことでした。
   先生の話が終わり、時折小雨が降る中、和白干潟に行って、アリを採取し、鳥の観察をしました。講師の先生は補虫網で海の広場で虫を捕まえ、「本州と九州の虫は違うものがある」と言いながら標本用に持って帰られました。
   チャック付きのビニール袋を配られたので、それぞれでアリを探してその中に入れました。沖の方にいた鳥も望遠鏡で見ました。淡水ガモが50羽くらい来ていました。ホウロクシギも1羽いました。

                            

   約1時間で海の広場からきりえ館に戻り、捕ってきたアリをファーブル(倍率20倍の顕微鏡)で見て「全国アリしらべ」のリーフレットで名前を確認しました。海の広場で9種類のアリがいたことがわかりました。他にも先生が持参
   されたヒアリの標本も見せて頂きました。アリをファーブルで見るのは難しく、苦心しましたが、ヒアリの女王アリを見て「仮面ライダーみたいだ!」と感激する元少年もいました。

                 

   最後に先生が「今日は90分の予定でしたが2時間以上話を聞いてもらいました。干潟は海と陸とのつながりがよくわかるところでした。大事にしていかなくてはいかませんね。アリを1つの窓口として、自分の周りの環境を
   良くしていきましょう。生活環境を住みやすくしていきましょう。アリの話の中で1つでも2つでも面白いと思ってもらえたらいいです」とまとめられました。参加者は積極的に質問し、今まで知らなかったことをたくさん教えて頂き
   世界が広がり、わくわくして充実した時間を過ごしました。自分にできることをやっていくことが大切だと改めて思いました。今日の研修会に参加したことは感謝でした。

   観察されたもの
   アリ: トビイロシワアリ、オオズアリ、テラニシシリアゲアリ、アミメアリ、サクラアリ、トビイロケアリ、オオハリアリ、クロナガアリ、キイロオオシワアリ
   鳥 : カワウ、ホウロクシギ、ミサゴ、コサギ、ダイサギ、マガモ、オナガガモ



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福岡アジア文化賞大賞を受賞したフィリピン社会学者ランドルフ・ダビッド氏等3名を和白干潟で案内しました。

                                                                               報告:山本廣子

  日 時:2019年9月12日(木)9:15~10:35 
  場 所:和白干潟海の広場付近
  参加者:ランドルフ・ダビッド氏、娘のカラさん、通訳の福岡市職員
  案内者:日本野鳥の会福岡支部支部長小野さん、山本、山口(カメラも)

  9月10日に福岡市主催の第30回福岡アジア文化賞の大賞を受賞されたフィリピンの社会学者ランドルフ・ダビッド氏と娘のカラさんが和白干潟の野鳥観察に来訪されました。

                                      

  氏はバードウォッチングが趣味で、博多湾の鳥を見たいと希望され、日本野鳥の会福岡支部長の案内で実現しました。和白干潟では山本などの案内で見て回られました。
  大潮の満潮時で干潟はほとんど出ていませんでしたが、砂洲にカワウが200羽の他ダイサギやコサギなどがいました。棒杭にはミサゴも止まっていました。
  アシ原ではアオアシシギが見え隠れしていました。カワウはフィリピンではいないそうで、珍しかったようです。

     

  キンエノコロやハマボウ、ハマサジ、ハマニンニク、ハマゴウなどの植物にも関心がありました。浜辺にいたウミニナはフィリピンではスープに入れて食べているそうです。

     

     

  福岡市の大都会にある干潟本来の自然を持つ和白干潟のすばらしさが、ダビッド氏に伝わったようでした。昔作った和白干潟の英文リーフレットが大変役に立ちました。



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2019年度 秋期シギ・チドリ調査報告

                                山本 廣子

  ●秋期シギ・チドリ調査2回目を行いましたので報告します。

  今津では9/1(日)に予定していましたが雨天中止となりましたので、その少し前に片山さんが調査された分を2回目調査とします。
  8月25日((日)午後に2回目の調査を行いました。アオアシシギ22羽、タカブシギ3羽、キアシシギ4羽、イソシギ19羽、ソリハシシギ22羽の5種70羽がカウントされました。

  博多湾東部では9/10(火)午後に2回目の調査を行いました。
  ダイゼン1羽、トウネン1羽、アオアシシギ3羽、キアシシギ8羽、イソシギ15羽、ソリハシシギ11羽、オオソリハシシギ2羽の7種41羽がカウントされました。他にはミサゴ3羽が観察されました。

                          

  9/10の博多湾東部では気温が高く蒸し暑かったです。和白や奈多、雁ノ巣ではアオサが多かったですが、名島と香椎ではアオサが見られませんでした。
  カワウやサギが多かったです。潮干狩りの人は少なく和白で2人でした。和白や奈多の護岸の生垣ではツルボの紫の花が咲いていました。
  センダンやトベラ・エノキの実がたくさん生っていました。ハマゴウの花もきれいでした。

                

  調査参加者は今津が1名、博多湾東部が6名でした。調査に参加された皆さん、お疲れ様でした。


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定例探鳥会報告 和白海岸

   和白川河口右岸→和白川河口左岸→海の広場
   2019年9月8日  -晴れ時々曇り-
   【観察鳥種】25種
   【参加者数】9人 守る会6人
   【担 当 者】山本廣子、田辺スミ子
 

   集合地の和白公園ではサンゴジュの赤い実がきれいでした。今日も残暑が厳しく、熱中症対策の帽子や飲み水、名札を確認して出発しました。和白川河口の道端には、コマツナギのピンクの花がたくさん咲いていました。
  キジバトが道に降りていましたので、ゆっくり観察できました。河口右岸から見ましたら、海の広場方面にキアシシギやトウネンの群れが見えたので、ここでコースを変更しました。
  和白川河口を戻り、和白川左岸から干潟に降りて、岸辺にいるシギたちを観察しました。転石に見え隠れするキアシシギやソリハシシギ、イソシギなどがいました。

     

  さらに岸辺を歩いて沖の干潟にいるオバシギの幼鳥やトウネンの群れを観察しました。ミサゴが5羽もいました。棒杭の上だけではなくて干潟に降りているものもいました。猛暑の中でしたが、可愛いトウネンの姿に癒されました。

     

  暑くても秋の渡り鳥が来ているのですね。サギたちやカワウがたくさん干潟の中にいました。海の広場には、キンエノコロの穂が金色に光っていました。

               

  砂浜のハママツナも大きく育ち、ハマサジやツルマメ、メドハギなどの小さな花がたくさん咲いていて、きれいでした。

              

  先日の豪雨で岸辺にはゴミやアオサがたくさん打ちあがっていました。海の広場で人工ゴミを皆で少し拾いました。

  (山本廣子)
                      

  【参加者の感想】
   ◇鳥にたくさん会えて楽しい探鳥会だった。
   ◆トウネンの群れが見られて良かった。
   ◇めずらしくミサゴが干潟に降りていた。
   ◆渡りのキアシシギやソリハシシギが見られた。
   ◇キンエノコロの穂が光っていてきれいだった。


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