博 多 湾 人 工 島 問 題



人工島
写真中央が人工島、右下が和白海域(2002.11)


和白干潟沖で巨大人工島を建設する工事が進んでいます。
この人工島は、博多湾に残された貴重な自然である和白干潟とその周辺の環境を悪化させています。
工事前の環境アセスメントや工事途中のレビューでは、人工島を作っても環境は保全されるといっていますが、
すでに環境はかなり悪くなっています。



異常発生して海岸に積もったアオサ(海藻)をとる福岡市委託業者(2003.11.22干潟まつり前日)
博多湾で異常発生しているアオサ(海藻)を回収する福岡市委託業 者と市民ボランティア(2003.11.22干潟まつり会場付近)
[ ※この日、業者はダンプ3台分、市民は一輪車86台分を回収 ]


人工島にふさがれた和白海域は大きな池のようになりました。
その結果、潮流が妨げられて海水交換が悪くなったり、波が穏やかになって海の底に汚れた泥がたまりやすくなっています。
そのため、海水の栄養分(窒素やリンなど)が多くなりすぎて、その栄養をもとにアオサが干潟全面をおおいつくすほど大量に発生しています。
福岡市はアオサ回収のために毎年数千万円の税金を使っていますが、
回収量は少なく、残ったアオサの腐敗により一部の干潟のヘドロ化が起こっています。
根本的な解決法は、原因である人工島の一部を海に戻して、かつての潮流や波浪を復活させることですが、
対処療法としては、アオサの回収があります。アオサをきちんと回収すれば、健康な干潟に戻すことができます。
アオサ回収にご協力ください!
毎月第4土曜日午後3時からのクリーン作戦 で行なっています。

バブル経済崩壊後の1994年に着工された人工島事業は、
最初から必要性・採算性の点で大きな疑問があり、
しかも、博多湾東部の自然を大規模に破壊する恐れがありました。
そのため、人工島事業の中止を求める市民の声は、
着工前も、着工後も、絶えることがありませんでした。

いまや、市民の恐れは現実のものとなりました。

アオサの異常発生が象徴するように、和白干潟の環境は悪化しています。
また、経済的にも、人工島事業は破綻しつつあります。
独立採算で行なわれるはずの第三セクターによる事業は、
埋立地売却が思うように進まず、資金繰りが悪化したため、
第三セクター工区の約半分を市の直轄事業とすることが決まりました。
今後は公共事業ということで、市民の税金がどんどん使われていくでしょう。

いったい何のため、誰のための人工島なのでしょうか?

この事業を推進した中心人物である元福岡市港湾局長・助役で第三セクター博多港開発元社長の志岐眞一氏は、
人工島事業に関連して、知り合いの元市議の関連会社に総額3億8600万円もの利益を得させ(「ケヤキ・庭石事件」)、 逮捕・起訴されました(志岐氏は容疑を認めています)。

福岡市の責任者は、
市民や裁判所からの警告を無視して事業を進めたことについて責任をとらず、
今後も貴重な自然環境と市民の税金を犠牲にしながら
これまで通り人工島事業を進めようとしてます。

しかし、いま必要なのは、事業の抜本的な見直しです。

福岡市民にとって、貴重な自然を犠牲にしてまで埋立地を作る必要は全くありません。
これ以上の埋立はやめるとともに、すでに埋め立てた土地も一部海に戻して自然を復元すべきです。




福岡市の人工島環境アセスレビュー報告書に対する疑問

資料


  • 福岡市


2001.8.26作成  2024.04.06最終更新 

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