最近の和白干潟
2013年8月
「第4回ラムサール条約登録を目指す街頭署名活動」報告(8月27日)
和白干潟のクリーン作戦と自然観察報告(8月24日)
2013年秋期シギ・チドリ調査報告(8月22日)
「和白干潟の海底湧水観察会」報告,/a>(8月18日)
定例探鳥会報告 和白海岸(8月11日)
日 時:2013年8月27日(火)16:00~17:00
場 所:福岡市東区和白丘1丁目22-27 JR福工大前駅正面と左側歩道
参加者:8名
恵みの雨が3日間続き、1日おいて今日はまたまた快晴です。午後4時なのにまだ強い太陽の光が福工大前駅前の広場を照らします。
暑い日差しの中に立って署名をお願いしましたが、あまりに暑いので、日陰を求めて左側の歩道に移動して署名をお願いしました。
若い母子連れ、中学生、乳母車を引くおばあさん等よく署名してくださいました。
青色の「和白干潟をラムサール条約登録地に!」と「環境教育シリーズⅡの和白干潟の水鳥、底生動物」のパンフレットの説明に興味をもたれました。
「守ろう!和白干潟」のお揃いのベストを着て、今回出来立ての「和白干潟を守る会、和白干潟をラムサール条約登録地に!」ののぼり旗を持って立ちました。
最初は駅の乗降客がまばらで署名する人が少なかったのですが、後半は人が増えて署名者も多くなりました。知っている人にも出会い、スムーズに書いてもらいました。
「自然は守らなね!」と自分から書いてくれる方もありました。今日は99名の署名が集まりました。参加された皆様、熱い中お疲れ様でした。
(R・K)
以上
●日時:8 /24 (土)15:00~16:00
●参加者:19名: 一般3名(内子供2名)、城東高校先生1名、守る会15名
●回収ゴミ:合計:30袋) 可燃ゴミ:29袋(アオサ、人工ゴミ、)、不燃ゴミ:1袋
鳥は、ソリハシシギ5羽、ダイサギ、アオサギ、コサギ、カラス、トビ、今和白干潟では渡り鳥が観られるようになりました。未だ多くは有りませんがこれからが楽しみです。皆様も気をつけて足を運んで下さいね。
先日は和白では珍しいセイタカシギ2羽も観られました。
朝は満潮の雨の中を港湾局委託業者の方が7名で清掃をしておられました。お陰で大分綺麗には成っていましたが、干潟の上はアオサが増えていました。
クリーン作戦では、朝から激しい雨で皆今日は多分無理だろうと思っていました。午後1時頃には日差しも有り、2時に広場に様子を見に行き、出来ると確信して事務所に戻り皆で用意して3時に始めました。
3時半頃に激しい雨になり止めようと呼びかけましたが、一般で何時も参加してくださる方からの続けようとの意見も有り、雨も又直止んだので再び始めました。
3時40分になると再び激しく降り出してしまいました。皆ずぶ濡れになりながら4時頃まで頑張りました。最後は傘をさしてお茶とお菓子で歓談しました。
参加の皆様ありがとうございました。お疲れ様でした。
(S・T)
以上
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●秋期シギ・チドリ調査1回目を行いましたので報告します。
今津では8/4(日)午前中に調査を行いました。
コチドリ20羽、アオアシシギ8羽、アカエリヒレアシシギ1羽など、5種38羽がカウントされました。雨が降ってきたため、他の鳥たちは観察できませんでした。
博多湾東部では8/22(木)午後に調査を行いました。ミヤコドリ2羽、キアシシギ19羽、ソリハシシギ16羽、セイタカシギ2羽など、8種62羽がカウントされました。他にはミサゴ4羽が観察されました。
今日8/22の博多湾東部の調査は、猛暑の中で行いました。ミヤコドリの若鳥が2羽、香椎海岸に越夏していました。秋の渡り鳥たちが渡って来ていました。和白では珍しいセイタカシギが2羽見られました。
猛暑が続いていますが、鳥たちは確実に秋の到来を知らせています。涼しい秋が来るのも近いことでしょう!!
和白、奈多、雁ノ巣にはアオサがたくさん発生していました。この暑い中、和白干潟では潮干狩りの人が5人いました。
調査参加者は今津が3名、博多湾東部が7名でした。
調査に参加された皆さん、お疲れ様でした。
(山本廣子)
以上
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「博多湾の一番奥なのに、なぜ和白干潟の海水は清浄なのか?~海底湧水の役割」
日時:2013年8月18日(日)13:00~17:00 中潮 干潮:13 51
場所:きりえ館(和白干潟を守る会事務所)、和白干潟
講師:新井 章吾 氏 (海藻研究所所長、海中景観研究所所長)
参加者:31名、一般:15名(守る会会員子ども、報道関係者含む)
取材:NHKTV、朝日新聞社、西日本新聞社
今年5月にNHKTVで、和白干潟には海底湧水が湧き出ていて海水を浄化しているということを知りました。初めて聞く話でしたので、研究されている新井先生のお話をぜひ聞きたいという私たちの願いがようやく実現しました。
先生は近くの新宮町湊坂にお住まいですが、大変ご多忙で全国各地を飛び回っておられ、やっと日程を取っていただき、現地観察と講義をしていただきました。
最高気温37度という猛暑日の日盛りではありましたが、NHKTVや新聞社2社の取材などもあり、あたらしい知識獲得に皆さんとても熱心で、すばらしい観察会となりました。
きりえ館の会場正面には久保さん制作のイラスト入りの観察会タイトルが貼られ、ワクワク感いっぱいで待ち受けた先生との対面そこそこに海の広場へ移動することになりました。
涼しい木陰で先生から、干潟で見られる澪(みお)の流れの地下には、その何倍もの汽水〜海水(塩水)が沖に向かって流れているというお話を聞きました。
この地下水には90%以上の酸素が含まれており、そのおかげでアサリや底生生物が生息していけるそうです。湧水は沿岸域にしみ込んだ淡水ではなく、塩水です。沿岸域でしみ込んだ淡水地下水が海岸まで移動してその圧力によって、
博多湾や海の中道地下の砂層にある地下海水が押し出されて、海底から海水が湧き出ていると考えられるとのことでした。地表に降った雨、家庭で庭にまいた水なども地面にしみこみ、湖沼や川だけでなく
最終的には海の底から湧き出します。地下に水が染みる時に有機物がバクテリアに分解され、有機物が直接海に流れ込むのを少なくして、水質の改善に役立っているそうです。海底湧水は酸素を多く含むので、底質の硫化を防ぎ、
砂泥中のバクテリアや色素のない鞭毛藻を育て、水質を浄化しています。無機体の栄養塩が二枚貝などの餌になる珪藻を育みます。貝や底生生物が珪藻や有機物などを食べて育つので海水の浄化し、さらに人が潮干狩りでアサリなどを
干潟から持ち出すというすばらしい自然の循環の仕組みに感動しました。
観察では、浅瀬の5地点を選び、水が冷たいと感じる深さまで素手で掘って、簡単な装置(プラ容器に短いホースをつけ、ホースの先にポリ袋をつけたもの)を置いて、湧き水が時間当たりどれくらいの量採取できるか観察しました。
最も多いところで1㎡あたり毎時31リットルもあり、豊富さに感嘆しました。採取した湧水は、澄んでいて、みんなでなめてみると塩味がそれぞれの地点で違うこと、うまみのある塩水が出ている地点もあることがわかりました。
ゴカイの多いところ、アサリの多いところは湧き水の量の多いところで、すなわち酸素が多い水脈の付近で生きものたちは暮らしているのです。一番うまい塩水のある地点ではアサリが多かったのが印象的でした。
大分から参加された神鳥さんは湧水の塩水を煮詰めて作った塩は大変おいしく、販売もできると話されていました。
室内に戻って、パワーポイントを使って学習会がありました。
博多湾は潜ってみると汚いが、和白干潟はきれいで、人工島ができて静穏化したが、海底湧水が干潟の環境を維持するのに大きな役割を果たしているとのこと。和白干潟の沿岸域は砂質の土壌なので降った雨の70%くらいが地下に滲みて、 和白干潟の地下にある海水を押し出すように湧いているそうです。雨は酸素が過飽和で、地下に染み続けることで地表に近い松林の下などの地下水は溶存酸素が100%近くになり、海岸線付近で地下海水と酸素と栄養塩の受け渡しが
できているのではないかと考えられるそうです。もし、この湧水の量が減ったら、生物が激減することが予想され、全国ではかなりの被害が出ている実例を紹介されました。
このような状況を作らないためには、干潟の埋め立てをやめること、公共工事では三面側溝、U字溝の設置をやめること、U字溝にはところどころ穴を開けて水を浸透させる工事をすること、河口や海岸に矢板を打ち込まないことなどが
必要です。
大雨による洪水被害を防ぐために大きな配水管や地下貯水槽を造る工事が行われているが、雨水などが地下に浸透できる仕組みが大切で「雨水浸透桝」設置を義務付けるなど、行政の方針が大きな鍵を握っていると強調されました。
減災の観点から、すでに関東ではその認識が広まっており、東京都では新築住宅に助成金をつけて雨水浸透桝設置を義務付けるなど積極的に推進しているそうです。福岡市でもぜひ減災と博多湾再生のためにも進めてほしいと
市民から働きかけようと呼びかけられました。
和白干潟の湧水には、陸の有機物がバクテリアによって分解された無機体の栄養塩が含まれています。陸から海への栄養塩の循環として大切な仕組みです。海岸付近にビオトープをかねた池を作り、下水処理水を地下に浸透させることで、 湧水量を増やすと干潟の水質浄化がさらに促進されるそうです。三河湾では焼きそばやたこ焼きに振りかけられるアオサ粉の製造のためにアナアオサが大量に採取され、その残滓が有機農業の肥料になっているとの経済的に循環している
アオサ駆除の例をあげ、さらに大分から参加された神鳥さん夫妻の紹介があり、打ち上げ海藻を肥料として活用してゆず農園をされている体験も聞かせていただきました。アオサはどのような状態でも活用でき、乾燥して粉にして
青海苔のように製品化する、肥料とするなら発酵させたり、畑にすき込まず、そのまま農地に乗せるだけがよいなど、アオサの被害に悩む和白干潟としては、農業用肥料などに有効活用されれば最善であろうと思われました。
観察会では和白干潟の自然が太古からの数々の自然の恵みによってバランスが保たれて、都市部にあるにもかかわらず、奇跡的に海水が清浄に保たれている貴重な干潟であることを実感しました。
このかけがえのない和白干潟を守って引き継いでいくことの責任を感じざるを得ませんでした。
一方、和白干潟がラムサール条約登録を目指していることについては、ラムサール登録されたからといって必ずしもよいことばかりではない現実を実例を挙げて紹介されました。
新井先生の多方面にわたる豊富な知識と精力的な実践のエネルギーに圧倒されましたが、私たちもこの感動を実践として生かすことが求められていると思います。
当日午後6時45分からのNHKTVの地方ニュースの中で、観察会の様子が放映され、しっかり5年生の久保ひなたさんがコメントしてくれました。また、西日本新聞、朝日新聞の朝刊にも記事が載りました。
子どもたちが参加したことの意味は大きいですね。
※NHK福岡のNEWS WEBに、ニュースの動画がアップされています。 (E・I)
http://www3.nhk.or.jp/fukuoka-news/20130818/3838941.html
以上
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- 和白川河口→塩浜護岸→5丁川河口 -
2013年 8月11日(日) -快晴、猛暑- 中潮(干潮5:42 満潮12:09)
[観察鳥種] 18種
[参加者数] 8名
気温40度のニュースがテレビで流れている。四国四万十の気温の予想は今日も40度。西日本は酷暑である。セミの声も衰えを感じない。
この暑さにひるむことなく和白の探鳥会には元気なメンバーが集まってくれた。東京から帰省中の南区の方も参加いただいた。探鳥会はいつも当日観察が期待される野鳥の説明から始まる。
そろそろシギ・チドリの渡りが始まる頃だ。
私が今朝散歩中5羽のシギを観察したことを伝えると、アオアシシギでではないかとのことだった。気になっていたコアジサシやミヤコドリの消息も話した。先ずは水分を補給して熱中症対策をして出発。
和白川河口では木の枝にアオサギが止まっていた。お気に入りの場所のようだ。足を伸ばし羽を広げ、撮影ポーズを披露してくれた。
道路沿いをカワラヨモギやピンクのコマツナギ、砂浜のコメツギガニを観察しながら進んだ。
鉄塔にはミサゴ、右には別のアオサギを観ることができた。更に進むとウスバキトンボやアオスジアゲハ、キチョウ等の昆虫たちが飛んでいた。植物ではトベラ(実)、エノキ(実)、ハマユウ(花)、キカラスウリ(花)、
メマツヨイグサ(花)などを見ることができた。エノキは赤い実をつけていて、食べてみたら甘くて不思議な食感を味わえた。
クリークに沿って植えられた植栽はどんどん大きく成長して、クリーク内の様子は観察し難くなっている。勇敢な仲間が支え木に登りイソシギを発見した。
奈多の海にカワウが2羽飛んできて、海中から出た障害物に止まり羽を乾かしだした。アキニレの木陰でカワウを見ながらしばらく休み、出発した。
五丁川河口の新開橋付近で、イソシギ2羽が対岸の土手の木陰で丸い可愛い目で川面を見つめていた。1羽で行動することが多いイソシギ。デート中なのかな? すぐそばにバンを発見。バンは足の付け根も赤いことを教わった。
ちょっと早いけど猛暑の中そろそろ限界、木陰を見つけ鳥合わせをし散会となった。観察できた野鳥の数は少なかったけれど、いろいろなものがじっくり観察できた探鳥会だった。
来月には、たくさんのシギ・チの渡りが観られるといいなと思う。
(S・M)
【参加者の感想】
・植物がしっかり見られて良かった。
・バンが綺麗だった。足の付け根も赤いことを発見できて良かった。
・イソシギが2羽見られて良かった。
・ミサゴがしっかり見られて良かった。
・アオサがすごく多かった。
以上
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