最近の和白干潟
2015年7月
夏の和白干潟の自然さがし 「アシ原や干潟の宝物をさがそう!」(7月28日)
日 時:2015年7月28日(火) 10:00~12:20
参加者 22名 守る会11名
「春の和白干潟の自然さがし」に引き続き、台風の後の暑い日、うす曇りの中で2回目の自然さがしを実施しました。10時からの山本代表の挨拶では、干潟の四季の自然を探すため、「自然さがし」を年4回
実施することや、和白干潟は塩性植物、湿地植物があるのが特徴であること、和白干潟は樹林帯、アシ原、砂浜という干潟本来の姿があり、干潟では唯一、2009年に日本の里100選に選ばれたことなどの
話がありました。「自然さがし」には自然観察会のガイド養成の目的があり、季節の違いによる生き物の確認をしていくという話もありました。その後、案内リーダーの紹介、スケジュール案内がありました。
まず、海の広場のすぐそばで爽やかに咲いているハマボウの黄色い花を見ました。アシ原に向かって歩くと、シオクグ、秋に紅葉するハママツナがありました。潮の引いた足元の砂地にはウミニナ、ホソウミニナがたくさんいます。
ウミニナとホソウミニナの違いの説明もありました。よく見るとチドリが食べるハマトビムシがいっぱい飛んでいました。ハマサジの白い花が咲いていました。
アシ原の手前にはアシハラガニ、クロベンケイガニが思い思いに動いていました。石の下にはケフソイソガニが潜んでいました。遠くにはダイサギが3羽見えました。
アシ原に入ると中は藪でした。背丈以上の草が茂り、前の人が踏んだ後を身をかがめながら進んでいきました。アシの根本付近には大きな穴がたくさん開いていました。
ハマガニ、アシハラガニなど大きなカニたちの巣穴です。その近くに最近生まれた小さな子ガニたちが見られました。ハマダイコン、夕方花が開き香りが強いハマユウがありました。ハマウドは枯れて茶色になり、
種が出来ていました。葉が丸いハマヒルガオ、ナンキンハゼを見ました。テリハノイバラがいたるところにあり、白い小さい花もありました。ハマナデシコは蕾、花、種になっているものなど様々ありました。
シロバナサクラタデ、藪の中にぽっかりと咲いた白い花のクサフヨウ、センニンソウ、匂いが強く線香に使うハマゴウの紫の花、スイカズラと、アシ原の中で次々に宝物に出会いました。
迷路のようなアシ原から出たのは10時51分でした。干潟から沖の方を見ると、羽を広げて乾かしているカワウがいたので望遠鏡で見ました。干潟には心地よい風が吹いていました。
唐の原川の方に行くとフジツボとウミニナがアシの茎の上の方に上がっていました。アシにしがみついて茎についたケイソウ(藻)などを食べているそうです。この様子は初めて見た人が多かったようです。
唐の原川河口にはかつてはハクセンシオマネキがたくさんいたことを案内リーダーから聞きました。望遠鏡で牧の鼻の方を見るとレンズの中がハマボウの花でいっぱいでした。
11時6分からアシ原の干潟側を海の広場の方へ引き返しました。コサギ、ダイサギ、トビ、カルガモが遠くに見えました。足元にはヤドカリ、色のきれいなソトオリガイがいて、小さな噴火口のようなゴカイの巣穴もいくつも
ありました。たくさんのウミニナやヤドカリを見て「1つ1つ動いている。すごい。速い。じっと見ているとたいしたものだ」という声も聞かれました。ウミニナが水たまりの縁を彩っていました。
アシ原の海側にもハマボウがあり、花が咲いていました。ハマダイコン、オカヒジキ、メマツヨイグサ、コマツヨイグサ、ネムの木、クコの花と宝物は尽きません。
海の広場に戻り、シナサワグルミ、樹林帯の中のヒトモトススキなども見ました。
11時53分に集合して、全員でチェックリストで自然さがしで見たものをチェックしました。参加者からは「干潟は生態系が豊かである。生態系が狂うと元に戻すのに時間がかかるので、生活する時に気をつけたい」
「夏にも植物が多いのに驚いた。ハマナデシコがきれいだった」「何度か来たことがあるが、前になかった他のものが茂って、前からあったものが少なくなっている」「春と違って、変わっていたのが面白かった。
ハマゴウの花を初めて見た」などの感想が聞かれました。前回よりも一般の参加者も増え、小学生も2名いて、「自然さがし」の活動が守る会以外へも広がっていることを感じました。
暑くて汗がたくさん出ましたが、参加者の皆さんはとても元気で、たくさんの自然に出会えました。次回の自然さがしで秋の宝物に出会いたいと思いました。
(K・A)
以上
●観察された鳥 12種類
カワウ・ダイサギ・コサギ・マガモ・カルガモ・スズガモ・トビ・ウミネコ・スズメ・ムクドリ・ハシボソガラス・ハシブトガラス
●観察されたカニ類など 9種類
アシハラガニ・アカテガニ・クロベンケイガニ・ケフサイソガニ・コメツキガニ・マメコブシガニ・ヤマトオササガニ・ヨコエビ・ハマトビムシ
●観察されたヤドカリ類 1種類
ホンヤドカリ
●観察されたゴカイ類 1種類
スゴカイイソメ
●観察された貝類 6種類
ウミニナ・ホソウミニナ・ソトオリガイ・シロスジフジツボ・イボキサゴ(殻)・オキシジミ
●観察された魚類など 2種類
クサフグ・ミズクラゲ
●観察された植物 47種類
アキグミ・アキニレ・イヌビワ・クコ・クスノキ・クロマツ・シナサワグルミ・シャリンバイ・センダン・ツルウメモドキ・テリハノイバラ(花)・トベラ・ナワシログミ・ナンキンハゼ・ヌルデ・ネズミモチ
ノイバラ・ハマゴウ(花)・ハマボウ(花)・ハリエンジュ・マサキ・ヤマハゼ・ヤマフジ・スイカズラ(実)・センニンソウ(花)・イソホウキギ・オカヒジキ・コマツヨイグサ・シオクグ
シロバナサクラタデ(花)・ダンチク・ツルナ・ハマウド・ハマエンドウ(花)ハマサジ(花)・ハマダイコン(花)ハマナデシコ(花)・ハマニンニク・ハマヒルガオ・ハママツナ・ヒトモトススキ
メマツヨイグサ(花)クサヨシ(穂)・アシ(穂)クサフヨウ(花)・ネム・ハマユウ(花)
●観察された海藻類 4種類
アオサ・オゴノリ・ボウアオノリ・アマモ
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●日時:7/25(土)15:00~16:30
●参加者:12名 一般参加3名(九産大宗像ゼミ2)、守る会9名
●回収ゴミ:合計30袋 可燃ゴミ:17袋(人工ゴミ:6袋 自然ゴミ11袋)不燃ゴミ:2袋
●粗大ゴミ:折りたたみベッド1、布団2、クッション2、クーラーボックス1、プラスチック衣装ケース1、風呂スポンジマット1、鉄の杭1など
●見られた鳥:カルガモ16羽、トビ2羽、アオサギ2、ダイサギ2
本日のクリーン作戦は台風が近いため城東高校の参加予定が急遽中止になり、地元の夏祭りの準備などでメンバーも少なく、高温注意報も出ていました。テントを立てて、できる範囲で短時間の実施で16時までとしました。
今回は粗大ゴミが多く、ベッドや布団、空き缶が大量に袋に入れて捨てられていました。どうしてこんなものを海や川に捨てるのか、憤りとあきれるばかりでした。
守る会が集めたゴミを早く収集してもらわないと、ゴミの集積所を不法投棄の場にしている市民が増えているような気もします。アオサはまだ少ないですが、腐ったりしないように、波打ち際に寄せたものをできるだけ回収しました。
16時から30分間、自然観察と本日のまとめをしました。暑い盛りで鳥の姿は少なかったですが、カルガモが群れでいました。いつも美しい声でさえずっているウグイスもさすがの暑さに声を潜めていました。
広場ではウスバキトンボが群れ、草丈が伸びた草むらにはバッタが飛んでいました。植物では、海の広場のハマボウにも花が数輪咲き、つぼみもかなりあったので当分花が楽しめそうです。
ツユクサの青い花とヒルガオのピンクの花が並んで咲いていて、きれいでした。また、ハマサジが広場まで広がってきており、花をつけていました。
宗像ゼミから参加した学生は、「大きい布団やベッドがあって驚いた。次に来るときはもっと誘ってゼミ生の数を増やしたい」「暑い中ご苦労様でした。大きいゴミが多かった。また参加したい」と感想を述べてくれました。
常連の高齢の椋木さんもお元気で、倉庫のアオサ運びに使うそりのチェックを手伝っていただきました。
(E・I)
以上
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-和白川河口→塩浜堤防→五丁川河口→奈多堤防-
2015年7月12日(日) -曇り- 中潮(干潮 13:13 満潮 6:35)
[観察鳥種] 28種
[参加者数] 15名
梅雨の時期ですが、何とか雨が降らずに探鳥会ができました。和白川方面に向かいました。和白川河口では、クサフグがたくさん泳いでいました。トキワススキが赤い穂を風にそよがせています。
今日はどこでもウスバキトンボがたくさん飛んでいました。突然の可愛いイタチの出現に、しばらく見とれました。和白川河口から干潟を見ると、沿岸にはダイサギ、アオサギ、コサギなどがいました。
遠く唐原川河口付近にはカルガモ8羽とマガモ1羽が浮かんでいます。対岸の牧ノ鼻下のハマボウ群落地では黄色い花がたくさん咲いていました。塩浜堤防上でアカテガニに会いました。
堤防の生垣にはスダジイの木にたくさん実がついています。ハマナデシコのピンクの花がきれいでした。
電柱上にはトビがりりしい顔で休んでいます。ハヤブサを見た人もありました。セッカの声を聞き姿を見つけた人がいて、皆で上空を見ました。皆が遠ざかってから、セッカは降りてきたようです。
私たちがいてなかなか降りることができなかったのでしょうね。五丁川河口先から雁ノ巣海岸を見ましたら、カワウの50羽程の群れのそばにミヤコドリ2羽がいました。まだまだ残っていますね。このカワウたちは後ほど
かぎ型になって上空を飛び和白方面に向かいました。五丁川河口と奈多のクリークでは、ハクセンシオマネキやヤマトオサガニが元気にツメを振っています。モンキアゲハやゴマダラチョウも飛んだり降りたりしています。
ニイニイゼミも鳴き声だけではなく、止まっているところも見つけました。同じ場所なのに、毎回違うものを発見できて楽しいです。
今日は子供たちもカメラ持参で積極的に素敵なものを探していました。大人も子供たちに見せてあげたいと頑張りました。ネムの花が涼しげでした。
(山本 廣子)
以上
【参加者の感想】
・ハヤブサがかっこよかった。 ・鳥もカニもよかった。
・鳥が近くで見られた。 ・鳥の種類がたくさん見られた。
・イタチを見た。 ・久しぶりにセッカを見た。
・カルガモの親子が見られた。 ・ハマナデシコやスダジイなど植物の観察もできた。
・トンボやチョウ、セミなども観察できた。
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日 時:7/6(月)9:10~10:25
場 所:海の中道大橋
参加者:7名
見られた鳥:ミヤコドリ2羽、ミサゴ1羽、カワウ2羽、セッカの声
植物:センダン、エノキ、ハマゴウ、コマツヨイグサ、クズ、ネナシカズラ
今朝は雨マークで、心配していましたが、何とか持ちこたえてくれました。朝8:45に事務所集合でしたが皆早めに揃いましたので、8:50に高田さんのバンに乗り出発しました。
海の中道大橋近くの駐車スペースに着いたのが9:05。坊園さんが待っていました。ミヤコドリが雁ノ巣の砂地に2羽いました。若鳥の様です。
そこから大橋を4~5分歩き、最初の潮流を観ましたが、先日から降った雨の為に海水が濁っていて、微かにしか見えませんでした。
何回も下を覗きながら移動して行くうちに、橋脚の側から砂が博多湾側から和白海域に流れ込んでいることが分かりました。
人工島に近づくにつれて潮流の時間差のためか、はっきり砂の流れがわかるようになりました。砂は渦を巻きながら雲のように湧きあがっていました。
私たちは人工島まで行き、戻りました。行きより帰りの方が流れが速く、はっきりと見えました。全部で6か所で筋を作って砂が流入していました。筋の幅は雁ノ巣に近いところ辺りが一番広かったです。
橋の下の流れの幅は全体で600メートルあるそうです。橋の下には新たに砂洲が出来ていて、コメツキガニやウミニナなどがすんでいる様でした。近くの植物を観察しながら駐車スペースにもどりました。
砂以外にもミズクラゲ、油、ゴミも流れ込んでいました。和白干潟のゴミは川からの流れ込みだけでは無く、博多湾からも流れ込んでいることもはっきりと分かりました。
ボラの稚魚?がキラキラ光って見えました。橋の上で記念写真を撮りました。
一度観てみたいと思っていたので念願がかない、有意義な観察会でした。次回も参加したいと思います。帰りは人工島を通過し、事務所に10:50に着きました。
(S・T)
以上
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