最近の和白干潟
2016年1月
冬の和白干潟の自然さがし「アシ原や干潟の宝物をさがそう!」報告(1月26日)
第1回「博多湾・和白干潟のラムサール条約登録」を求める街頭署名活動報告(1月12日)
日 時:2016年1月26日(火) 10:00~12:00 大潮 満潮11:27 干潮 5:05 16:53
参加者:13名 守る会11名
前日までの記録的な寒波で雪だるまができるほどの雪が降った後で、小雨がぱらつく中、傘をさして4回目の自然さがしを行いました。
始めに山本代表より、「干潟の沿岸にはまだ雪も残っていますが、ツクシガモなど生き物は寒い中で暮らしています。また形を変えている生き物もいます。今日は樹林帯にいる鳥を探せたらいいですね。
今年度は『自然さがし』の実績をもとにパンフレットを作りたいと思っています。」という挨拶がありました。アシ原近くにカモがいたので、早速望遠鏡で見ました。マガモ、オナガガモ、ツクシガモ、ウミネコが見えました。
バードウォッチングの後、アシ原に入ると青々としたハマウドがあちらこちらにありました。マサキは実がなっていて、新芽もありました。マサキは潮風が当たると、葉が厚くなると教えてもらいました。
ナワシログミも実がたくさんついていて、少しずつ色づいていました。ハマサジは葉が光を多く受けるように広がっている「ロゼット状」になっていました。シャリンバイは実がなっている株となっていない株があり、「雌雄異株かな?」
という疑問が出ました。センダンの木の葉をつけていない枝の先にかわいい顔のように見えるものは「葉痕」というそうです。足元を見るとあちらこちらにハマニンニクやハママツナの芽がありました。
ハマダイコンは雪や風にやられていました。ハマアカザの芽もありました。花が咲かないと何かわからないものもあります。「至るところに芽が出ていて嬉しいですね。」という声がありました。新芽がたくさんあると全部は育たず、
先に出たものが育つそうです。ウラギクの穂も枯れたままでありました。オオジシバリは葉をちぎると乳白色の液がでるそうです。ハマエンドウは枯れ草の中で芽を出していました。遠くを見ると葉の落ちた木に鳥が止まっていました。
ヒヨドリの鳴き声が聞こえます。近くの木にトビやカラスが止まっていました。途中でアシ原からそっと歩いてすぐ近くの海にいる鳥の様子を見に行った偵察者からは「ツクシガモが10羽いる」との報告がありました。
シャリンバイがたくさんあるところでは、リーダーより「鳥が実を食べて種を運んだので広がったのだろう。」との説明がありました。アシ原の奥の方へ踏み分けて入って行くと背丈よりも高いヒトモトススキの群落がありました。
ヒトモトススキは漢字で「一本薄」と書くそうです。石垣島に群落がある以外、他の所では珍しいそうです。カヤなので、触ると手が切れるそうです。アシ原の奥の方にあるので、夏はアシ原の藪が茂っており冬しか入れない場所でした。
見上げるとナンキンハゼに実がたくさんついていて、影絵のシルエットのようでした。ヘクソカズラ、ヌルデ、ノイバラ、黒い実がなったスイカズラ、葉がテカテカしたテリハノイバラがありました。耳を澄ますとツグミやシジュウカラの
鳴き声が聞こえました。木の下にはシロハラがいました。随分歩いてアシ原を探検して、10時55分頃、堆積して腐りかけたアオサを踏んで海の方に出ました。満潮が近付いていたので、アシ原の近くまで透明できれいな海水が
来ていました。沖ではスズガモ、ホオジロガモが、近くではマガモが波に浮いていました。この付近の沿岸にもハマウドがあちらこちらにありました。1本あるハマボウの様子を見ると新芽が確認できました。
砂地の赤いオゴノリは時間が経つとだんだん白くなるそうです。生きているホトトギスガイも見ました。センダンの木は波で洗われていて根が出ていました。枝先が「く」の字に曲がっているのはネムノキだそうです。
行く先の水際にカモたちがいたので、アシ原の方へ引き返しました。海の広場近くではハママツナの芽やシオクグも見ました。11時25分に海の広場に戻り、チェックリストを使って、自然さがしで見たものを全員でチェックしました。
1つ1つ名前をあげ、「赤い実がなっていたね。」と言ったりして状態を確認しました。歩いているときはそうでもないのですが、立ち止まっていると靴の底からじんじんと寒さが伝わってきました。
参加者からは「夏のハマボウの観察会に参加しました。今回は寒く、鳥が少なかったですね。ダイシャクシギを初めて見ました。」「ヒトモトススキがいっぱいあるのに感動しました。」「和白干潟の中でも唐原は海岸ぎりぎりまで
家が建っていて、自然海岸が少ないと思いました。あっと言う間に開発されていると感じました。」などの感想が聞かれました。山本さんから和白干潟には昔は砂丘があったことや海の家が30軒ぐらいあったとの話も聞きました。
「今日は氷雨の中、熱心に自然さがしを行いました。春の芽吹きを楽しみに見てみたいですね。」という今村さんの挨拶で無事閉会しました。寒い日ではありましたが、冬ならではの自然を見ることが出来、一般の参加者も
2名あったことは嬉しいことでした。4月からの自然さがしではどんな自然に出会えるでしょうか。
(K・A)
以上
●観察された鳥 26種類
カワウ・アオサギ・ツクシガモ・マガモ・カルガモ・コガモ・ヒドリガモ・オナガガモ・ホシハジロ・スズガモ・ホオジロガモ・ミサゴ・トビ・ダイシャクシギ・ウミネコ・ハクセキレイ・ウグイス・シジュウカラ・ハシボソガラス
ハシブトガラス・ツグミ・シロハラ・ムクドリ・ヒヨドリ・キジバト・ドバト
※大潮の満潮時のため、干潟のシギやチドリがほとんど観察できませんでした。
●観察された貝類 3種類
ウミニナ・ホソウミニナ・ホトトギスガイ
●観察されたカニ類・ヤドカリ類・ゴカイ類・魚類 なし
●観察された植物 40種類
アキグミ・アキニレ・クコ(実)・クスノキ・クロマツ・シナサワグルミ・シャリンバイ(実)・センダン(実)・ツルウメモドキ・テリハノイバラ(実)・トベラ・ナワシログミ(実)・ナンキンハゼ(実)・ヌルデ
ネズミモチ(実)・ノイバラ・ハマゴウ(実)・ハマボウ・ハリエンジュ・マサキ(実)・ヤマフジ・スイカズラ・ウラギク(穂 )・オオジシバリ・シオクグ・ダンチク・ツルナ・ハマウド・ハマエンドウ・ハマサジ
ハマダイコン(花)・ハマナデシコ(種)・ハマニンニク・ハママツナ・ヒトモトススキ・クサヨシ・アシ・クサフヨウ・キミガヨラン・ハマユウ
●観察された海そう類 2種類
アオサ・オゴノリ
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●日時:2016年1月23日(土)15:00~16:30
●参加者:17名、一般参加 4名、(奈多小5年生2名)守る会13名
●回収ゴミ:60袋: 可燃ゴミ:59袋(人工ゴミ9袋・自然ゴミ:古いアオサ、海藻、枯葉等50袋)不燃ゴミ1袋
●粗大ゴミ:浮き1個、畳1畳分の板1枚、金属製物干し1個
●見られた鳥:ミヤコドリ5羽、ツクシガモ4羽、ダイシャクシギ1羽、オナガガモ、マガモ、ハクセキレイ、ヒヨドリ、ウグイス、シロハラが鳴いていました。
今和白干潟ではアシ原や後背林、小道の植物たちも枯れています。特に、アシは穂も落ちてしまい完全に冬の眠りの最中です。一番元気なのはハマウドで、青々と若い芽が育ち、あちこちに葉を茂らせていて、八マダイコンも元気に
育っています。
ハマニンニクは遠慮がちに芽を出し、ハマサジも若い芽が育っています。木の実では、シャリンバイ、クコ、マサキ、ナンキンハゼ、センダンの実も少ししぼんではいますが鳥達に沢山与えています。
これから春にかけてはナワシログミが色づいて来ます、鳥ではカモ達も大分少なくなってはいますが、オナガガモや、マガモは残っていて見ることが出来ます。
クリーン作戦では、14:00頃は雪が降っていましたが、クリーン作戦の時間になるとすっかり止んでいたので、始めることが出来ました。悪天候で足元も悪く、一般の方の参加はないだろうと思いつつ行ってみると、何時もの2名の方が
先に来て下さっていました。アオサが色を無くし、地面と同化しているのを剥がしながら集めて運びました。人工ゴミは相変わらず打ち寄せられています。大きい板も1枚ありました。何であんなものが有るのか不思議です。
前半の会議が長引いてしまい、先に行った人も開始にギリギリでしが、寒さのため無理の無い様に早めに切りあげ約1時間の清掃でした。また沖でアオサをかぶって死んだものか、沢山のアサリの稚貝の殻が打ち上げられていました。
相当な数が有りました。本当に可哀そうでも有りもったいなくもあり、残念でなりません。最後に簡単なお茶とお菓子で場をやわらげ散会しました。 参加された皆様お疲れ様でした。有難うございました。
(S・T)
以上
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日時:2016年1月12日(火)10時30分~11時30分 天気:小雨
場所:西鉄香椎駅周辺商店街
参加者:8名
集まった署名:60名分
和白干潟を守る会は2年にわたって和白干潟のラムサール登録の早期実現を求める署名を昨年1月に約1万名分福岡市長と環境大臣宛提出しましたが、2015年ラムサール登録は実現できず、改めて福岡市議会議長宛の請願署名に
取り組むこととしました。今回は、「150万都市福岡に自然と共生する『博多湾・和白干潟のラムサール条約登録』を求める請願署名」の街頭活動第1回目を実施しました。第1回目はあいにくの雨でしたが、香椎商店街で呼びかけを
開始しました。西鉄電車高架下のスペースで、ラムサール署名のノボリを立て、和白干潟の四季のパネルも展示しました。暖かな日が続いた後に、寒くなってお天気が悪く、通行人は少なかったのですが、
守る会メンバーはおそろいのジャンバーを着て、あちこちに散らばって、通行する市民の方々に署名協力をお願いしました。和白干潟通信も配布しました。なかには、「和白干潟にアサリ採りに行っていたから」
「前にも署名したけど、いいの?」など進んで署名に寄ってきた方もあり、励まされる思いでした。この天気で1時間に60名分も集まったのは良かったと思いました。
来週は初めて千早駅前で夕方に署名活動をします。がんばっていきましょう。
(E・I)
以上
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山本 廣子
和白海域水鳥調査(野鳥の会福岡支部)を行いましたので、報告します。
日時:2016年1月10日(日)14:30~16:50 大潮 満潮:10:25 干潮:15:48 晴れ
調査範囲:和白海域(和白~奈多~雁ノ巣)とクリークや畑
博多湾東部の冬期シギ/チドリ調査も兼ねて行いましたが、シギ/チドリ調査の方が範囲が広いので、和白海域のみ調査員が兼ねて調査を行いました。和白海域の報告をします。
カモ類13種3149羽、カモ類以外の水鳥18種2452羽がカウントされました。昨年はカモ類13種5266羽、カモ類以外の水鳥15種555羽でした。カモ類は2117羽減り、カモ類以外の水鳥は1897羽増えています。
今年度でも12月に比べてカモ類が減っているように思います。カモ類以外の水鳥ではカワウが大幅に増加しています。種数で増えたのはハジロコチドリ、ユリカモメ、ウミネコの3種です。
カモ類1位はスズガモ1849羽(昨年は4098羽)、2位はマガモ475羽(昨年は518羽)、3位はホシハジロ252羽(昨年はオナガガモ389羽)、4位はオナガガモ240羽(昨年はツクシガモ57羽)でした。
昨年よりもスズガモもツクシガモも減少しました。昨年12月にはヒドリガモももっと多くいました。寒くなりアオサが分解して食物が減り、ヒドリガモが減ってきているのかもしれません(今年は44羽)。
昨年12月にはツクシガモも最大236羽を観察しましたが、どこへ移動したのでしょうか?ハマシギやシロチドリたちは唐原川河口先の干潟で群れで食事をしていました。その中にハジロコチドリ2羽を見ました。
シロチドリ65羽、ハマシギ95羽がカウントされました。ミヤコドリは16羽、ダイゼンは6羽でした。クロツラヘラサギは奈多に1羽が見られました。
調査は3つのグループに分かれて行いました。調査参加者は10名でした。調査に参加された皆さん、お疲れ様でした。
以上
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●冬期シギ・チドリ調査2回目を行いましたので報告します。
今津では2016年1/3(日)午前中に2回目の調査を行いました。
シロチドリ10羽、タゲリ60羽、ハマシギ70羽など、5種148羽がカウントされました。他にはクロツラヘラサギ11羽、ツクシガモ4羽、ズグロカモメ11羽、ミサゴ8羽、カンムリカイツブリ2羽が観察されました。
博多湾東部では1/10(日)午後に2回目の調査を行いました。
ミヤコドリ16羽、ハジロコチドリ2羽、シロチドリ76羽、ダイゼン6羽、ハマシギ113羽など、8種228羽がカウントされました。他にはクロツラヘラサギ16羽、ツクシガモ24羽、ミサゴ1羽、
カンムリカイツブリ10羽が観察されました。
12/6の博多湾東部は晴れていましたが、海辺は風が強く寒かったです。寒さでアオサは分解して沿岸部に寄せていました。寒さのためでしょうか12月に比べてカモ類もシギ・チドリ類も減ったように思います。
今回の博多湾東部の調査は、野鳥の会福岡支部の「水鳥全種調査」も兼ねて行いました。
調査参加者は今津が3名、博多湾東部が12名でした。
調査に参加された皆さん、お疲れ様でした。
以上
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-和白4丁目海岸→海の広場→アシ原→砂洲→唐原川河口左岸-
2016年1月10日(日) -曇り時々晴- 大潮(干潮 15:48 満潮 10:25)
[観察鳥種] 50種 [参加者数] 21名
集合地の和白公園から鉄塔上のハヤブサが2羽見え、ジョウビタキやモズも観察されました。新年のご挨拶をして、海の広場方面に向かいました。途中の道路からも先ほどのハヤブサとミサゴも鉄塔上に見られました。
和白4丁目海岸に降りて観察しました。満潮に近くて砂洲付近にカモたちが集まっていました。ミサゴが魚を捕まえて飛び、杭に止まります。また飛び立って行きました。このところ寒かったせいでしょうか、ツクシガモも他のカモたちも
少なくなっているようでした。
ダイシャクシギは子どもたちにも人気でした。沿岸にイソシギが飛び回っていました。海の広場では近くからツクシガモやマガモやオナガガモなどを良く観察できました。オナガガモは光線が良くて美しく見えました。
ウミアイサが6羽の群れで素早く潜ったり泳いだりしています。雌も雄もいて良く確認できました。ミヤコドリを探しましたら、対岸の雁ノ巣海岸の砂浜に15羽が見つかり、皆さんにも見てもらいました。
沖は波がありましたが、スズガモの群れやホオジロガモ、ハジロカイツブリなども観察できました。
アシ原の中道を歩きながら、小鳥たちを探しました。小鳥たちが食べるセンダン、シャリンバイなどの木のみがたくさん生っています。シロハラやウグイスやヒヨドリなどの声が聞こえます。カワラヒワが群れで飛び回っています。
砂洲へ出ると、カモたちが飛び立ち、沖や河口奥に移動しましたので、砂洲から唐原川河口へアシ原の藪を歩きました。藪の中にハマダイコンの花が咲いていて、早春を感じました。
唐原川の護岸の下の方にイソシギが斜めに止まっていました。
唐原川河口左岸の小さな公園で鳥合わせをしました。今日は鳥たちに関心を持った子どもたちも参加していて、にぎやかでした。
(山本 廣子)
以上
【参加者の感想】
・海岸にウレタンゴミが落ちていた。ウレタンは小さくなり鳥が食べて被害が起こっている。
・ダイシャクシギが良かった。 ・白いサギの羽とオナガガモの羽を拾った。
・ウミアイサが素晴らしかった。 ・オナガガモがきれいだった。
・イソシギを覚えられた。 ・ミサゴが魚を食べているのがすごかった。
・ミヤコドリが遠かったけど見えた。 ・ハヤブサが2羽で獲物を食べているところが見えた。