最近の和白干潟
2022年11月
柏陵高校環境科学コース1年生の和白干潟自然観察会 報告(11月4日)
今林 眞由美
日時 :2022年11月28日(月)13:45~15:20 晴れ 中潮 満潮13:29
参加者 :和白小学校4年生100名 先生5名 守る会7名(ガイド:6名 カメラ:1名)
回収ゴミ:2袋(可燃ごみ1袋、不燃ゴミ1袋)
11月末にしては暖かく晴れて、観察するにはちょうど良い天気でした。始める前は砂洲にたくさんのカモの群れがいましたが、砂洲近くに人が入ってきて逃げてしまいました。
最初に山本代表が生きもの手袋を使って皆さんに呼び掛け、「夏は海の浄化作用について学びましたね。今日は干潟の秋を楽しんでください。
まわりの木々や植物の紅葉が見られます。このように季節がわかる和白干潟は貴重なところです。
渡り鳥が越冬に来ています。海の浄化作用でたくさんの命が育ちます。干潟は海の子宮と呼ばれる大切なところです。埋め立てないでと言ったから、この自然が守られました。皆さんも思っていることは言ってください。
そして貴重な和白干潟を守っていってください。」と挨拶をしました。紙芝居を使って、干潟や干潟に来る冬鳥たちについて話しました。
バードウォッチングでは、太陽が反射したキラキラの光の中のダイシャクシギやツクシガモが見られました。「くちばしがながあーい」と歓声が上がりました。捕まえた魚を棒の上で食べているミサゴもいました。
「食べよる、食べよる」[食べよった]「なんの魚食べようとかな?」ととても賑やかでした。
次は植物観察です。海の広場では、林の中のアキニレやナンキンハゼの紅葉が、浜辺ではウラギクの綿毛やハママツナ、ハマボウの鮮やかな紅葉が見られました。
アシ原の入り口で、センダンの木の葉痕をルーペで観察しました。覗くと皆さん笑顔になって、人の顔みたいとかお猿さんみたいと楽しそうでした。
シャリンバイやアオツヅラフジの青い実は「ブルーベリーみたい、食べられないんですか?」とあちこちで聞かれ、食べられないと言うと残念そうでした。
グミやノイバラの赤い実もたくさんありました。グミの実は食べられると話すと持って帰りたがった生徒さんもいました。アシ原をかき分けながらなので悲鳴も聞こえましたが、たくさんの歓声が聞こえました。
アシ原から砂洲へ出ると、広い砂洲にカモたちがたくさんいましたが、子どもたちの気配で飛び立ちました。ダイシャクシギが1羽残りました。
帰りにアシ原の端に若い葉痕が美しいセンダンの木があり、これを皆さんに見ていただきたかったと思いました。海の広場に戻って、観察した鳥の写真と採取してきた植物を見ながらおさらいをしました。
和白干潟では冬はどんな鳥が見られるのですか?という質問がされ、今いる鳥たちが冬来る鳥です。ミサゴやカワウは一年中います。と回答しました。
皆さんが帰られてから、海の広場の沖にミヤコドリの群れとクロツラヘラサギ1羽が現れました。一足違いで残念でした。
観察された鳥 :ダイシャクシギ、ツクシガモ、マガモ、オナガガモ、ヒドリガモ、カンムリカイツブリ、スズガモ、カワウ、ヨシガモ、ウミアイサ、ミサゴ、ミヤコドリ18、クロツラヘラサギ1
生きもの :ウミニナ、ホソウミニナ、コメツキガニ
海そう :アオサ ボウアオノリ オゴノリ
植物:紅葉:ハマボウ、ハママツナ、アキニレ、ナンキンハゼ、ハゼ、アカメガシワ、イソホウキギ、ホソバハマアカザ
:穂 :アシ、ダンチク 綿毛:ウラギク
:実 :センダン、シャリンバイ、ノイバラ、クコ、マサキ、アオツヅラフジ、ネズミモチ、ナンキンハゼ、アキグミ
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田辺 スミ子
●日 時11月26日(土)15:00~16:50
●参加者 :43名: 一般29名(九産大宗像ゼミ1名、澤田ゼミ先生共に6名、香住ケ丘高校生1名、個人7名、三菱ケミカル(株)3名、GCOMホールディングス11名)、和白干潟を守る会14名
●回収ゴミ:43袋:可燃ゴミ袋42袋(自然ゴミ:草木6袋、ボウアオノリ29袋、人工ゴミ7袋)、不燃ゴミ1袋
●粗大ゴミ:ビニール傘1個、板切れ大小10本
●鳥 :ミヤコドリ18羽、ダイシャクシギ1羽、クロツラヘラサギ4羽、ミサゴ1羽、コサギ、アオサギ、淡水ガモ、海ガモ
●植物 紅葉:ハママツナ、アキニレ、ナンキンハゼ、ハマボウ、イソホウキギ
実:アキグミ、マサキ、ナンキンハゼ、シャリンバイ、ノイバラ、クコ、アオツヅラフジ
綿毛:ウラギク
穂:アシ、ダンチク
本日のクリーン作戦は暖かくて過ごしやすい日でした。初めて参加された企業の方や個人が多かったです。参加者に清掃範囲などの説明をして作業に入りました。
今回は例年と違いアオサが少ししか発生しておらず、代わりにボウアオノリが目立ちます。細くて長いためにくるくる巻きになって打ち上げられており、ソリや一輪車、リヤカーで回収しました。
唐原川河口まで行くと距離が長いために、暑くなってきました。ソリやリヤカー、一輪車などでゴミを運びました。また雨も少なかったせいか、ゴミはいつもより少なかったです。最後に記念撮影して散会しました。
参加された皆様お疲れ様でした。有難うございました。
参加者の感想:
初めて参加したがゴミ拾いが楽しかった。
野鳥観察やごみ拾いができて良かった。
干潟がきれいでよかった。
天気が良くて楽しくごみ拾いができた。
守る会新会員の谷口さん:いつも奈多、三苫、などの外海を清掃している。外海は海外のごみも流れてくるので和白干潟とは比べものにならない位にゴミが多い。
和白干潟では、渡り鳥のカモ達が大勢で越冬しています。ミヤコドリも今年も頻繁に見ることができ、ヘラサギやクロツラヘラサギは数羽から10数羽が来ています。海を見ると毎日違った風景に出会います。
今年はアオサガ無く全面干潟になっており、特に渡り鳥のハマシギやシロチドリ、ミユビシギも多く、何度か群舞やあちこち動き回る姿が見られます。
海の広場周りの紅葉も綺麗です。アキグミもたわわに実り、赤くなって美味しそうに見えます。夕日もきれいです。皆様もぜひ和白干潟に来ませんか!感動しますよ。
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山本廣子
開催日時:2022年11月20日(日) 11:00~15:00 晴れ
開催場所:和白干潟海の広場
参加者 :約400名
お天気に恵まれ、4 年ぶりの和白干潟まつりは大成功でした。約4 0 0 名の参加者があり、観察会には子供たちが多く参加していました。干潟の鳥たちも多くて嬉しかったです。
お魚やヒトデなどの美しい水槽展示や自然遊びコーナーや「ひもくじ」もにぎわっていました。コロナ禍なので食べ物の出店をしませんでしたが、手作り小物などが人気でした。
ステージは今回、和白干潟や海をテーマにしたものにかぎらせていただき、コーラスや紙芝居、エプロンシアター、ギターの弾き語り、マジックなどもあり、暖かい干潟の前で一日ゆっくりと過ごすことができました。
4 年ぶりの懐かしい方々に会えました。反省会や後片付けなど、最後まで力を合わせて頑張ることができました。
前日の会場整備では、(株)環衛サービスの皆さんにご協力いただきました。ありがとございました。
●開会式
4年ぶりの開催を歓び、第34回干潟まつり開会とラムサール宣言をしました。
●バードウォッチング
望遠鏡でカモなどを観察、お子さんから高齢の方まで60名参加で、53種確認しました。
●自然あそび
堀講師指導で自然界での「保護 色」や「擬態」を人工物探しゲー ムで体感しました。16名参加。
●植物観察
海の広場からアシ原の中を歩き、木の実や紅葉など干潟の秋に出会いました。14名参加。
●干潟の生きもの観察
藤井講師指導で砂浜を掘りカニや貝、ゴカイ等、干潟の生きものを見つけました。31名参加。
●お魚水槽展示
マリンワールドのヒトデやお魚が水槽に展示され、目の前で海の生きものを楽しめました。
●ギター弾き語
堀さんが「思い出の渚」「能古の恋歌」など懐かしい曲をギターで弾き歌いました
●エプロンシアター
エプロンの和白干潟に手作りの干潟の生きものたちが、潮の満ち干に合わせて現れました。
●紙芝居
「ひがただいすき」「和白干潟の秋」の紙芝居と、「和白干潟の秋」誕生秘話も披露しました。
●九州青年合唱団
「ミヤコドリ」「和白の春」など6曲を感情豊かに披露、素晴らしいハーモニーでした。
●マジックショー
マジシャン・ひろさんが、干潟の生きものたちやお話の楽しいマジックをしました。
●一言アピール
9団体がそれぞれの活動内容や今回のバザーについて、大きな声でアピールしました。
●心を合わせて
和白干潟に向かって「ぼくらはみんな生きている」「海」のお遊戯をしました。
●干潟の掃除
23名の参加で、海の広場前の海藻などをソリで16杯分回収しました。
●写真展・パネル展
和白干潟の自然アルバムや、守る会と山・川・海の流域会議の活動の写真を展示しました。
●模擬店 ・バザー
15店出店、食べ物は出店できませんでしたが、どの店も賑わっていました。
●ブース
ワークショップなど参加できるブースの様子です
★ 第34回 和白干潟まつりラムサール宣言 ★(抜粋)
1. 私たちは、これからも大切な和白干潟の保全活動と環境保全の啓発活動を続けて行きます。
2. 福岡市に、「博多湾・和白干潟のラムサール条約登録」の前提となる国の特別鳥獣保護区申請の方針を定め、具体化に向けて早急に取り組むことを求めます。
同時に、市民に向けて、和白干潟が福岡市の貴重な自然であり、保全の大切さを理解できる取り組みを進めることを求めます。
3.福岡県に、「博多湾・和白干潟のラムサール条約登録」の前提となる国の特別鳥獣保護区申請を福岡市へ働きかけることを求めます。
4.環境省に、「博多湾・和白干潟のラムサール条約登録」の前提となる特別鳥獣保護区設定申請を福岡市へ促すことを求めます。
2022年11月20日 第34回和白干潟まつり参加者一同
福岡市長からのメッセージ
第34回和白干潟まつりの開催をお喜び申し上げます。今年は、4年ぶりの開催ということで、コロナ過でもあり、企画・準備にあたり、ご苦労も多かったことと存じます。
また、実行委員会の皆様をはじめ、参加の皆様におかれましては、長年にわたり、干潟の清掃や自然観察会など、和白干潟の保全活動に取り組んでおられますことに、心より敬意を表します。
福岡市では、第二次博多湾環境保全計画に基づき、「生きものが生まれ育つ博多湾」の実現に向け、市民、NPO等市民団体、事業者、大学等研究機関など、各主体との共働による博多湾の環境保全施策を
進めているところです。今まで以上に、博多湾の環境保全の取り組みが広がり、和白干潟の自然が次の世代に引き継がれていくことを祈念いたしております。
令和4年11月20日 福岡市長 高島 宗一郎
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山本廣子
2022年11月13日 -曇り一時雨-
【観察鳥種】35種
【参加者数】12人 守る会 6人
【担当者】山本廣子、田辺スミ子、今林眞由美
【コース】和白4丁目海岸→海の広場→唐原川河口右岸→海辺
今日は雨の天気予報でしたが曇りでしたので、探鳥会を実施することにしました。歩きだしたら小雨が降り出し、海辺は霞んでいました。
ミヤコドリは右寄りに、クロツラヘラサギは左の唐原川の方面に2羽見えました。満ちがけの潮でだんだんと鳥たちが近くなってきます。海の広場付近に淡水ガモがたくさん見えましたので、浜辺を歩いて海の広場まで行きました。
海の広場からすぐ近くにハマシギやシロチドリがたくさんいて、あちこち動き回っています。久しぶりにハマシギの大きな群れに出会い、とても嬉しかったです。
クロツラヘラサギは増えて6羽になりました。ミヤコドリは22羽を確認しました。
近くにはオナガガモ、マガモ、ヒドリガモ、ヨシガモなどの淡水ガモがいて、沖にはスズガモの群れが見えます。和白干潟の冬鳥たちが戻って来ました。カンムリカイツブリも62羽を数えました。
ミサゴは棒杭の上で食事中です。途中で雨が少しひどくなりましたが、しばらくしてまた止みました。海の広場付近は、ハママツナが紅葉していました。ナンキンハゼも紅葉し、ウラギクは綿毛になりかかっていました。
アシ原近くに淡水ガモがたくさんいたので遠慮して、唐原川河口右岸まで道路を歩いて行きました。河口から海岸に入り、ミヤコドリを近くで見ました。
南側から砂洲を見ましたら、黒い目と嘴のセグロカモメの若鳥がいて可愛かったです。ミヤコドリに比べて大きいのがわかりました。唐原川河口の護岸をイソシギが速足で歩いていました。
【参加者の感想】
◆ミヤコドリが近くで見られて良かった。
◇カモが増えて来て嬉しい。
◆ハマシギが多く見られて良かった。
◇セグロカモメの幼鳥が可愛かった。
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今林 眞由美
日時 :2022年11月4日(金)12:50~15:00 晴れ 若潮(満潮 6:28 干潮 13:05)
場所 :和白干潟
参加者:42名(生徒38名、先生4名)守る会4名(ガイド3名、カメラ1名)
快晴で真っ青の空にさわやかな風がふき、観察会に最適の天気でした。林にはナンキンハゼの真っ赤な紅葉と白い実が美しく、浜辺にはウラギクの薄紫の花咲き、ハママツナの紅葉が進んでいました。
クロツラヘラサギの群れと、たくさんのカモがいました。沖ではハマシギの群れがキラキラ光りながら飛んでいました。
早く集まれたので、10分ほど早めに始めました。ガイド紹介のあと、山之内さんが紙芝居を使って干潟のしくみや働き、生息する生きものなどを紹介しました。皆さん私語をすることもなく、熱心にメモをとっていました。
バードウォッチングでは、塩浜護岸沖に綺麗に並んだクロツラヘラサギや、逆立ちになってタケノコのようになっているオナガガモの群れが見えました。
棒切れの先にとまったミサゴもいました。唐原川河口沖にはカワウやアオサギもいました。
観察しているとシロチドリが海の広場の前の砂浜に現れ、近かったので素早く動く姿を「かわいい。動きが早すぎる。」といいながら肉眼で追いかけることができました。
望遠鏡だけでなく、それぞれの双眼鏡で見たり、自分で探した鳥を教えあったりもしていました。
次は生きもの観察です。干潟に出ると水たまりにはオゴノリ、ボウアオノリが生えていて、アオサはわずかでした。
コメツキガニの巣穴を掘り起こしたり、ゴカイを掘り出したりしながら沖に向かいました。クルマエビやアナジャコも捕りました。マハゼを素手やスコップを使って上手に捕まえていました。
アサリはたくさんいて、大きいものもありました。
クロツラヘラサギの近くに行って、ヘラ状のくちばしや黒い顔を確認し、餌を捕って食べる様子や飛び立つ姿を近くで観察出来てうれしかったと報告してきた生徒もいました。
でも自分のせいでクロツラヘラサギが沖に行ってしまって他の生徒が観察できなくなってしまったと反省していました。楽しくにぎやかに観察できました。
海の広場に戻り、捕ってきた生きものをケースに分け、みんなで観察しました。
アサリが入った海水、ウミニナが入った海水、海水だけのボトルで浄化実験をし、その結果を見て貝が水をきれいにしていることがわかり、干潟の生ものが海をきれいにしていることを確認しました。
質問に答えた後、生徒さんからのお礼の言葉で閉会し、海の広場近くのゴミを拾い、記念写真を撮って、解散しました。片付けの時、ミヤコドリの群れが来ているのが見えました。
質疑応答:
・黒い砂があるのはなぜですか?
有機物が多く分解されずに残って、腐って発生する硫化水素と砂の中の鉄分が反応してできた硫化鉄の色です。黒い砂が多いのは有機物が多い証拠です。
・ゴミを鳥が食べることはありますか?
小さなプラスチックは食べることがあります。だから皆さんプラスチックごみを出さないようにしましょう。
・和白干潟で毎月ゴミの回収をしていますが、ごみの量に変化はありますか?
ゴミが社会問題となってから少なくなったようにも思われるが、まだまだ多いです。
・水温が暖かかった理由は?
水深が浅く陽射しに温められたからです。
・和白干潟が抱える問題はありますか?
海流が閉ざされているので、アオサが発生しやすいことです。今年は少ないが、毎年多くのアオサの処理に困っています。
観察されたもの
鳥 :ミヤコドリ15、クロツラヘラサギ16、ヘラサギ2、ハマシギ50~60、シロチドリ6、マガモ、オナガガモ、アオサギ、ダイサギ、カワウ、ミサゴ2、ヒヨドリ、モズ
生きもの :アナジャコ、クルマエビ、モエビ、アサリ、オキシジミ、ユウシオガイ、アラムシロガイ、ウミニナ、ホソウミニナ、ツボミガイ、アシハラガニ、ガザミ、ケフサイソガニ、イトゴカイ、マハゼ
植物:穂 :ダンチク、オギ、ホウキギク
花 :ウラギク、ホウキギク、アキノミチヤナギ、ハマボウ
実 :マサキ、シャリンバイ、キヅタ、ナンキンハゼ
紅葉:ハママツナ、イソホウキギ、ナンキンハゼ、ハマボウ、ホソバハマアカザ
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