最近の和白干潟
2023年4月
「全国春のビーチクリーンアップ2023」「2023干潟・湿地を守る日」参加の和白干潟クリーン作戦と自然観察報告(4月22日)
「環境省モニタリングサイト1000」2023年度 春期シギ・チドリ調査1回目 報告(4月18日)
今林 眞由美
日 時:2023年4月30日(日)13:00~15:00 天候:晴れ 場所:和白干潟
参加者:25名(子供20名、大人5名) 守る会:ガイド3名、カメラ1名
昨日の雨が嘘のように気持ちよく晴れ、絶好の観察日和でした。空気も澄んでいて立花山の色とりどりの新緑が鮮やかで、足元にはオオジシバリやカラスノエンドウの花が咲き、シラフジ、ハリエンジュ、ノイバラの白い花も
咲いていました。私たちが海の広場に着くと、センスオブネイチャーの皆さんはテントで昼食を終えたところでした。時間になるまで、打ち合わせをして、望遠鏡を立てたり浄化実験用のウミニナを集めたりしました。
初めに、生きもの手袋を使って挨拶とガイドの紹介をしました。バードウォッチングでは、望遠鏡を使って鳥を観察しました。チュウシャクシギが素早く動きながら餌をとっているのが見えました。
「茶色くて、嘴と足が長いよ。」「波がどんどん流れてきて鳥もたくさん動いている。」としっかり観察できていました。クロツラヘラサギは少し遠くて、向こうを向いていたので黒い顔は確認できませんでした。
動かし方を聞いて望遠鏡を一人で動かして鳥を探す好奇心旺盛の子もいました。まだマガモもいて見ることできました。
ハママツナの小さな新芽を紹介しながら砂浜を歩いて、アシ原でアシハラガニを探しましたが、見当たりませんでした。後で聞くともっと奥にはいたそうです。
砂洲のコメツキガニの巣穴がたくさんあるところで、巣穴から出てきているコメツキガニを追いかけ、スコップを使って巣穴を掘ってコメツキガニを探しました。
上手にカニを掘り出したのに、砂と見分けがつかなくなることもありましたが、たくさんのカニを捕まえることができました。
砂洲から波打ち際まで移動して、アサリを掘ることにしました。途中オゴノリやボウアオノリに交じってアオサも少しあり、マメコブシガニやオキシジミも見つけました。みんな嫌がることなく手で掘ってアサリを探していました。
アサリは5~6個まとまって採れることもあり、最近では一番多く取れました。
海の広場に戻る途中の干潟で輪になって、採れた生きものたちの紹介をし、みんな積極的に手に取って観察していました。濁った海水を貝がきれいな水にする浄化実験の結果も見せました。
海の広場まではゴミを拾いながら戻り、テントの陰で、紙芝居を使って和白干潟のことや干潟の生きものたちの話をしました。自然を守るために私たちができることについても話し、皆さんも自然を守る人になってほしいと話しました。
終わった後も赤いカニを見つけ、カニの名前を尋ねにくる子がいたりして、自然に対する好奇心旺盛で素直な子どもたちでした。
観察されたもの
野 鳥:チュウシャクシギ(15)、クロツラヘラサギ(3)、シロチドリ(1)識別出来ないシギ(1)ミサゴ、カワウ、ダイサギ、コサギ、アオサギ、ウグイス、ツバメ、マガモ、シジュウカラ
生き物:コメツキガニ、ケフサイソガニ、マメコブシガニ、アサリ、ユウシオガイ、マガキ、ウミニナ、ホソウミニナ、アラムシロガイ、オキシジミ、ヤドカリ、ハマトビムシ、ツボミガイ、ミズクラゲ
植 物:花:シラフジ、オオジシバリ、ハマエンドウ、カラスノエンドウ、ハリエンジュ、ノイバラ、シャリンバイ、トベラ
穂:ハマニンニク、チガヤ
海そう:オゴノリ、アオサ、ボウアオノリ
拾ったゴミ:1袋
田辺スミ子
●日 時:4月22日(土)15:00~17:15
●参加者:20名 :一般9名(九産大宗像ゼミ3名、博多青松高校生2名、福岡女子大生2名、他2名)守る会11名
●回収ゴミ:19袋: 可燃ゴミ:18袋(人工ゴミ:8袋、オゴノリなの草木10袋) 不燃ゴミ1袋
●粗大ゴミ:温風ヒーター1個、 タイヤ1個、工事用発砲スチロール板1枚、レジ籠1個、木の枝3本
●見られた鳥:クロツラヘラサギ7羽、マガモ20羽、ダイサギ2羽、アオサギ2羽、ツバメ、ウグイス、イソヒヨドリ
●生きもの:ミズクラゲ、コメツキガニ、アシハラガニ、ウミニナ、ホソウミニナ、ヤドカリ
●植物:花:ノイバラ、ハマエンドウ、ハリエンジュ、シロフジ、ヤマフジ、シャリンバイ
穂:ハマニンニク、シオクグ、チガヤ
海そう:オゴノリ、ボウアオノリ
本日のクリーン作戦は、「全国春のビーチクリーンアップ」と「干潟・湿地を守る日」参加のクリーン作戦でした。始める前に参加者全員で輪になり「2023干潟・湿地を守る日宣言と和白宣言」を読み上げました。
全国の干潟の保全への皆の承認を得てから、清掃範囲などの説明をして始めましたが、朝から風が強く受付の机を木陰に移動しました。唐原川河口右岸より一輪車、リヤカーで運ぶのは向かい風の上に距離があるため大変でした。
高校生や女子大生の参加もあり、親子で参加の小学3年生の子は最初から最後までとても頑張ってくれました。大変嬉しく思いました。
環境問題に関心を持つ人が増えているのでしょうね。見た目には意外ときれいでしたが、唐原川河口右岸のアシ原の中には沢山の人工ゴミがありました。
親子づれの方と一緒に河口の水際まで入って自然ごみや人工ゴミを回収しましたが、砂洲より河口付近にはアシの上に倒れた草木に絡んだオゴノリ等は、まだまだ沢山取り残されていました。
野鳥などを見てもらい、最後に本日の成果などをお知らせして、感想を聞き記念撮影をして散会しました。参加された皆様お疲れ様でした。ありがとうございました。
参加者の感想:
季節でゴミの違いがあることが分かった。
環境問題に関心があった。
海洋汚染が心配だった。
参加してよかった。
和白干潟ではアシの新芽も大分伸びて、ハマニンニクの穂も沢山出ています。アシ原中道ではハマエンドウの群落が出来ており、可憐な花を沢山咲かせていました。
後背林では、色んな色合いの緑が鮮やかで見とれてしまいます。広場周りにはフジや、ノイバラ、ハリエンジュの花が満開でとても良い香りがします。
干潟にはコメツキガニの砂団子がたくさんあり、コメツキガニは活発に動きます。
また嬉しいことにアシハラガニも5匹見つかったようです。まだマガモや渡りのシギ、チドリなども見ることができます。
本日は干潟で3名のモデルさんのプロカメラマンによる撮影が行われていました。潮干狩りの人が和白川河口にたくさんいました。
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山本廣子
●春期シギ・チドリ調査1回目を行いましたので報告いたします。
今津では4/2(日)午前中に1回目の調査を行いました。天気は晴れです。
ムナグロ1羽、コチドリ35羽、イソシギ3羽、ハマシギ61羽、ホウロクシギ2羽、タシギ7羽、アオアシシギ11羽、タカブシギ1羽の、8種121羽がカウントされました。
他にはツクシガモ14羽、クロツラヘラサギ6羽、ヘラサギ7羽、ズグロカモメ1羽が観察されました。
博多湾東部では4/18(火)午後に1回目の調査を行いました。一斉調査になります。
ミヤコドリ16羽、シロチドリ4羽、メダイチドリ2羽、ハマシギ1羽、アオアシシギ1羽、イソシギ9羽、オオソリハシシギ3羽の、7種36羽がカウントされました。
他にはクロツラヘラサギ11羽、ヘラサギ2羽、カンムリカイツブリ1羽、ミサゴ1羽が観察されました。
4/18の博多湾東部は季節外れの高温(28度)になり、強風で飛ばされそうでした。私は帽子が吹き飛ばされ、サングラスも壊れて散々でした。
潮干狩り客は和白が多く62名で、全体で72名でした。シギやチドリは少なかったです。唐原川河口にシロチドリとメダイチドリがいました。
また夕方にオオソリハシシギがいました。クロツラヘラサギやヘラサギは和白や多々良川河口にいました。ミヤコドリが奈多のカキ礁に16羽残っていました。
和白にはマガモ、スズガモ、五丁川や塩浜のクリークにコガモやオカヨシガモ、ホシハジロが少数見られました。ハマエンドウの花がきれいでした。
トベラやシャリンバイにつぼみがついていました。スダジイやアキグミの花が咲いていました。奈多では海を大きく埋めて、護岸工事が続いていました。奈多沖に砂が溜まっていたりして、砂が動いているようです。
五丁川河口や唐原川河口にオゴノリがたくさん生えていました。和白干潟の後背林の新緑が美しくなってきました。名島にはアオサがありましたが、他の地域にはアオサは余りなく、和白ではボウアオノリが生えていました。
調査参加者は今津が2名、博多湾東部は7名でした。調査に参加された皆さん、お疲れ様でした。
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今林 眞由美
日時:2023年4月14日(金)9:35~11:20 曇り 小潮 満潮5:40 干潮9:56
参加者:香椎保育所さくら組39名 先生8名 守る会6名(ガイド:5名 カメラ:1名)
回収ゴミ:1袋
曇り空でしたが昼頃から雨が降るという予報だったので、スケジュールを入れ替えることにしました。最初に生きもの手袋を使って挨拶をし、スタッフの紹介をしました。
次にバードウォッチングで、ミヤコドリ、マガモ、オナガガモ、ダイサギなどを見ました。順番に望遠鏡を覗き「見えた、見えた。」「かわいい。」と歓声が上がりました。
肉眼ではなかなか見えないので「どこにおるのが見えると?」と尋ねる子どももいました。望遠鏡で鳥を見るのになかなか慣れない子どももいました。
砂浜を歩いて砂洲まで行きました。砂洲には水かきのあるカモの足跡と水かきのないサギの足跡が残っていました。さっき望遠鏡で見た鳥たちの足跡でした。コメツキガニの巣穴もたくさんあり、まわりにたくさんの砂団子がありました。
スコップで掘って砂の中にカニを見つけると、そのたびに「おった。」と歓声が上がり、どれどれと周りのお友達がのぞき込んでいました。自分も見つけようと一生懸命に掘っている姿が楽しそうでした。
「挟まんと?」と確認してから両手に大事そう乗せて眺める子ども、別の子どもはスコップの上に乗せてこわごわ触って観察していました。マメコブシガニもいました。
少し沖に移動してアサリを探しました。アサリは少なめでしたが、浄化実験ができるくらいは採れました。アサリのほかに大きなオキシジミや桃色のユウシオガイもいました。みんなでオゴノリを集めて、オゴノリの山ができていました。
つかみ上げるとぞろりと採れるのが面白かったのでしょうか。貝やカニ探しに夢中で長靴に水が入り、服が濡れた子どももいました。戻る途中の干潟で円陣を作ってまとめをして、みんなで採った貝や生きものを紹介しました。
ユウシオガイを見て「色がきれいね。」「カニ、手に乗せてください。」とカニを手に乗せてもらい「カニがコチョコチョしようよ。」とうれしそうでした。
最初は生きものにおっかなびっくりでしたが、遊んでいる間になれてきて、自然を楽しんでいるようでした。アサリとウミニナの浄化実験の結果も見せて、貝が海の水をきれいにしていることを話しました。
海の広場に戻り、子どもたちが着替えを済ませてから、紙芝居を使って和白干潟の話しと今日観察した生きものを紹介しました。
海を守るために私たちができることを話し、「守れる人?」と山本代表が尋ねると勢いよく皆さんの手が上がりました。感想を尋ねると「楽しかった」と声がたくさん帰ってきました。
ウグイスが盛んにさえずり、林の中には白や紫のフジの花が咲いていました。観察会が終わるまで雨が降らなくて幸いでした。
観察された鳥:ミヤコドリ4、マガモ、オナガガモ、ダイサギ、コサギ、シロチドリ1、ウグイス、ツバメ、シロハラ、カワウ、ミサゴ、クロツラヘラサギ2
生きもの:コメツキガニ、マメコブシガニ、ゴカイ、ウミニナ、ホソウミニナ、アサリ、ユウシオガイ、オキシジミ、アラムシロガイ、ヤドカリ
植物:花:ハマダイコン、オオジシバリ、ウマゴヤシ、ヤマフジ、シロフジ、アキグミ、ハマエンドウ、ノイバラ
穂:ハマニンニク、シオクグ
海そう:アオサ ボウアオノリ オゴノリ
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今林 眞由美
2023年4月9日 -晴れ-
【観察鳥種】33種
【参加者数】15人 守る会8人
【担当者】山本廣子、田辺スミ子、今林眞由美
【コース】和白4丁目海岸→海の広場→アシ原→砂洲→唐原川河口左岸
晴れて見通しも良く、波も穏やかで観察には最適の日でした。集合した公園の桜はだいぶ葉桜になり、クスノキも柔らかな若葉になっていました。
和白4丁目から浜に下りると、砂洲にカモやミヤコドリの群れとシギが数羽見えたので、近くで観察しようと海の広場まで海岸を移動しました。
途中の空き地には、フジやアキグミの花が咲いていい香りがしていました。シロハラが鳴きながら林の中に消えていきました。
オバシギとオオソリハシシギが確認できました。マガモ、オナガガモ、オカヨシガモなどの群れの中にヘラサギやカワウもいました。
沖にはカンムリカイツブリがいて、冬羽のままで白い個体と、夏羽になって赤茶色の個体が混じっていました。スズガモの群れも見えました。
ツバメも私達の目の前を飛びました。メジロが木のてっぺんで大きな声で鳴き続けました。アシ原の中を通って砂洲に出ました。
アシ原にはシオクグやハマニンニクなどの植物の穂がたくさん出ていて、ハマエンドウの紫の花や、オオジシバリの黄色の花も咲いていました。
ウグイスのさえずりがさかんに聞かれました。砂洲ではミヤコドリの姿が良く見えました。
ウミアイサのメスが1羽いて、ボサボサの冠羽と赤いくちばしも観察できました。アシ原を通って海の広場に戻り道路に出て唐原川河口左岸まで行きました。
途中林にアケビのムラサキの花とムベのクリーム色の花が咲いていました。木の枝にはコサギが休んでいました。
左岸ではミヤコドリが一斉に飛び立つ美しい姿を見ました。ツグミがいなくなりましたが、春の渡りのシギたちに会えた探鳥会でした。
【参加者の感想】
◆ミヤコドリのくちばしが赤くてきれい。
◇メジロが高い木で大きな声で鳴いた。
◆ウミアイサが活発に動いていた。
◇オバシギやオオソリハシシギが見られた。
◆ハクセキレイの飛び方が面白い。
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