最近の和白干潟

2023年5月

和白干潟のクリーン作戦と自然観察報告(5月27日)

「環境省モニタリングサイト1000」2023年度春期シギ・チドリ調査3回目報告(5月20日)

定例探鳥会報告 和白海岸(5月14日)

第25期和白干潟の自然観察ガイド講習会「和白干潟の楽しさ再発見の観察会」報告(5月 7日)

「環境省モニタリングサイト1000」2023年度 春期シギ・チドリ調査2回目報告(5月 2日)


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和白干潟のクリーン作戦と自然観察報告

                                 田辺 スミ子

  ●日 時:5月27日(土)15:00~17:00
  ●参加者:34名:一般:19名(九産大宗像ゼミ先生共8名、女子大生1名、ジョンソンエンドジョンソン親子2名、他8名)守る会15名
  ●回収ゴミ:19袋: 可燃ゴミ:18袋(人工ゴミ:8袋、草木10袋) 不燃ゴミ:1袋
  ●粗大ゴミ:、ベニヤ板大小2、ネムの木の倒木1本、木の枝類5本、
  ●見られた鳥:クロツラヘラサギ7羽、コサギ1羽、ダイサギ2羽、アオサギ1羽、アマサギ1羽、ハクセキレイ2羽、ウグイス(声)
  ●生きもの:コメツキガニ、マメコブシガニ、ミズクラゲ、ウミニナ、ホソウミニナ、アカエイ(死骸)    
  ●植物:
     花:ハマヒルガオ、ネズミモチ、ハマウド、マサキ、ハマダイコン、センダン、ハマエンドウ、クマノミズキ
     穂:ハマニンニク、チガヤ、ヒトモトススキ、ダンチク

  本日のクリーン作戦は、晴れで風も少しあり、思ったよりも涼しく感じました。今回もゴミの分別や、回収場所の説明をしてから始めました。
  涼しく感じていても距離があり、何回か往復すると汗ばんできました。ゴミは雨が少ないせいか人工ゴミも草木も少なく、早めに終わることが出来ました。
  今の時期はアシが大きく伸びていており、アシ原の中迄分け入ることができませんでした。唐原川河口付近のハマボウの木のそばには大きなアカエイの死骸があり、Tさんに砂を掘って埋めてもらいました。

             

  今回も宗像ゼミの方や、柳川や城南区、博多区など遠方より若人の参加が多くありました。地元の和白4区町内からも参加がありました。和白側のアシ原も2~3名で清掃しました。海の広場前の砂浜もきれいになりました。

     

  まとめではゴミの数や水質調査の結果をお知らせし、皆さんの感想を聞いてから、記念写真を撮りました。

     

  参加者の感想:
   初めてボランティア活動に参加したがゴミが多かった。
   プラスチックの小さいゴミが多い。
   友達に誘われて参加したが、きれいになって気持ち良かった。
   望遠鏡でクロツラヘラサギを見て嬉しかった。

  今、和白干潟では、後背林の木々が深い緑になり、とても綺麗です。防風林の中にはクマノミズキの花も咲いていて白くて目立ちます。アシ原のアシも随分大きく伸びており、濃い一面の緑になりました。
  アシ原の中道にはハマヒルガオが咲き、テリハノイバラや、中でも飛びぬけて大きく目立っているのがハマウドで、小さな花の塊が幾つも集まり丸い大きな房になっています。

     

  広場付近ではチガヤの穂がフワフワになり風になびいて揺れています、まだハマニンニクの穂も少し残っています。今年もハママツナの新芽が広範囲にあり、大分大きくなっています。
  干潟ではコメツキガニの巣穴や砂団子が沢山有り、ウミニナも干潟いっぱいに広がり、活発に砂の上を這いまわっています。マメコブシガニもつかまりました。
  沿岸にはミズクラゲ打ち上げられていました。鳥では渡前のクロツラヘラサギやシギ類も見ることが出来ます。唐原川河口右岸のハクセンシオマネキも、日増しに活発に成ってきました。

     

  夏には海の広場付近や、牧ノ鼻でハマボウの黄色い花がいっぱい咲くので、多くの人に見てもらいたいですね。



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「環境省モニタリングサイト1000」2023年度春期シギ・チドリ調査3回目報告

                                                            山本 廣子

  ●春期シギ・チドリ調査3回目(今津と博多湾東部)を行いましたので報告します。

  今津では5/8(月)に3回目の調査を行いました。
  ハマシギ3羽、アオアシシギ8羽、キアシシギ9羽、イソシギ3羽、ソリハシシギ16羽の5種39羽がカウントされました。他にはクロツラヘラサギ5羽、ミサゴ3羽、チゴハヤブサ1羽が観察されました。
  博多湾東部では5/20(土)に3回目の調査を行いました。4か所に分かれて調査しました。調査結果を山本まで送ってもらい、まとめました。
  コチドリ1羽、ハマシギ5羽、アオアシシギ1羽、キアシシギ52羽、イソシギ4羽、チュウシャクシギ22羽の6種85羽がカウントされました。他にはクロツラヘラサギ6羽、ヘラサギ3羽、ミサゴ1羽が観察されました。
  5/20の博多湾東部は晴れでした。土曜日の大潮の干潮時で、潮干狩りの人が多く、鳥が少なかったです。潮干狩り客は和白に230人で、全体では318人でした。
  キアシシギやチュウシャクシギなどの春の渡り鳥が見られました。ミヤコドリは5/2まで観察されましたが、今日は見当たりませんでした。もう渡って行ったのかもしれません。雁ノ巣海岸にはハマヒルガオの花が咲いていました。

     

  あちこちでセンダンやスイカズラ、ネズミモチ、ハマウド、ハゼの花が咲いていました。海の広場付近では、早くもハマボウの花が咲きだしていました。

     

  奈多のクリークにはハクセンシオマネキやフタバカクガニがたくさんいました。和白干潟にはミズクラゲがたくさん打ちあがっていました。

                 

  奈多の護岸工事のために奈多護岸の道は通行止めになっていますが、護岸下に潮干狩り客が何人もいました。奈多沖のカキ礁にも人が上がっていて、鳥たちが行けなかったようです。香椎海岸にボウアオノリが岩に生えていました。

     

  あいたか橋のまわりにカラスが100羽くらいいて、びっくりしました。和白と雁ノ巣には生き物調査の人がいました。
  名島では貝を掘っている人が多くて、ハマシギやキアシシギは人工の岩礁にいました。クロツラヘラサギやヘラサギは、和白と雁ノ巣にいました。

     

  調査参加者は今津が2名、博多湾東部では7名でした。調査に参加された皆さん、お疲れ様でした。


       


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定例探鳥会報告 和白海岸

                      今林 眞由美

  2023年5月14日 -晴れ-
  【観察鳥種】32種
  【参加者数】16人 守る会10人
  【担当者】山本廣子、田辺スミ子、南のり子、今林眞由美
  【コース】和白川河口→塩浜護岸→五丁川河口→奈多入口→奈多クリーク右岸

  今日はバードウィーク中で、探鳥会は福岡県と共催でした。県の職員2名が参加されて、地域環境課の前田課長が、皆さんと一緒にバードウォッチングを楽しみたいと挨拶されました。
  よく晴れていて少し暑いようでしたが、木陰に行くと風が吹いて爽やかでした。集合した公園の木々は若葉が茂り、クスノキやサンゴジュはたくさんの蕾をつけていました。
  和白川では、岸辺でホシハジロのメスが一羽、羽繕いをしていました。センダンが花盛りで優しい香りがしていました。

                   

  ツバメが海上すれすれに飛んで、畑ではセッカがヒッヒッヒッと鳴いていました。鉄塔の鉄線に、カワウが思い思いの格好をして休んでいます。
  唐の原川方面の砂洲にチュウシャクシギやキアシシギの群れが見え、香住丘下の岸にアマサギが一羽いました。遠かったのですが、亜麻色の頭部が観察できました。
  牧の鼻の岩場の上にクロツラヘラサギが群れで休んでおり、岩場にいるのを初めて見ました。

                   

  塩浜護岸ではエノキがたくさんの青い実をつけ、スイカズラの花の甘い香りがしていました。クロマツの雌花がキリンの耳のようで可愛いかったです。

     

  五丁川の向こう岸にカササギが木の上と地面を行き来して、白黒の美しい羽根を見せていました。電線にエゾビタキがいて、ホオジロも電線でしきりに囀っています。
  五丁川の岩場にキアシシギがいて、黄色い足が観察できました。奈多団地の海側のクリークにもキアシシギが数羽ずついて、大きな声でピュイーと鳴きました。

     

  奈多緑地にはカワラヒワもいました。五丁川のカネンテにササゴイが飛んできて、エノキの枝にとまりました。
  春の一日、渡りのキアシシギやチュウシャクシギに会えて良かったです。

  【参加者の感想】
   ◆色々な種類の鳥が見れた。
   ◇ホオジロの声がきれいだった。
   ◆キアシシギを近くで見ることができた。
   ◇チュウシャクシギが見られて良かった。
   ◆アマサギがきれいだった。


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第25期和白干潟の自然観察ガイド講習会「和白干潟の楽しさ再発見の観察会」報告

                                                               今林 眞由美

  日 時:2023年5月7日(日) 13:05~16:55 中潮 干潮16:44 満潮10:17
  場 所:きりえ館1階(和白干潟を守る会事務所)
  講 師:清野 聡子 氏(九州大学大学院環境社会部門准教授)
  参加者:15名(守る会 13名、一般2名)

  あいにくの雨で、フィールドでの講習が出来ず室内での講習だけとなりました。
  山本代表が初めの挨拶をし、清野先生の紹介と、2005年に次いで、二回目のガイド講習会の講師をしていただくことになった事などを話しました。
  清野先生は、昨年12月の山本さんとの偶然の出会いを話されました。

                      

  福岡は開発と保全のバランスが取れていて、海に求心力があり生態系保全の研究に適していると思い、九州に来られたそうです。地図や地形図を使って和白干潟の周辺環境の説明をされました。
  和白干潟のように、大都市の近郊にありながら、河川域と砂浜やその奥に林がある自然海岸が残っているところは珍しく、和白干潟を守る会によって、保全されていることはすばらしいそうです。
  また、川が砂を運んできて砂洲ができ、砂洲はいろいろな生きものが棲む大切なところで、川の再生をすると砂も多く運ばれてきて、干潟も健全になるそうです。
  自然だけでなく、自然のことを知っている人たちを守り、その知恵を生かしていくことが大切で、昔からの言い伝えなども間接的な防災のことが多いそうです。昔からの集落のあるところは安全なところですが、
  現在のように海岸ぎりぎりまで住宅があるのは危険で、今は穏やかな海でも、10年、20年経つと海水面の上昇や台風、高波で海水を被ることになります。
  コンクリートで固められた海際一列、二列目は移転して、街づくりで自然に戻すのがいいそうです。
  ラムサール条約登録のためには、行政は要望がないと動かないので要望していくことが大切です。
  海を楽しめる街づくりということで地元として要望していくとか、自然共生サイトに図面を描いて出すこと、市の環境課と密に話していくこと、などがあります。また、農家の合意も必要です。
  保安林の土地は、市と企業の所有地ですが、社会の動きが自然保護に向かっているので、働きかけ次第で協力してもらえるのではないでしょうか。
  ラムサール条約登録されると、それが地域のほこりとなり、子供たちの教育に活用されています。
  ラムサール条約登録の意義を明確にして、野鳥の会やわたり鳥の国際的なフライウェイネットワークなどで仲間を増やして和白干潟だけでなく、今津エリアや新宮、津屋崎エリアを巻き込んで進める方法もあります。
  ラムサール条約には、「環境修復」が入っています。登録されることで、和白干潟の流れ回復などの環境修復もできるかもしれません。
  楽しい観察会にするには、波が砂を運び、砂が風に吹かれ、砂丘を作っていて、そこそこで生き物が違うことや、そこに流れ着いたゴミの観察やゴミ拾い。波や、地形の観察、浜にできた波紋も観察の対象となります。
  スマートフォンを活用して生きものを拡大して見たり、動画を撮ってユーチューブにアップしたりするのもいいでしょう。
  観察会やクリーン作戦に来てもらうためには、和白干潟のことをもっと知ってもらう、そのためにはネットワークを利用して、写真、きり絵などを使って発信し注目してもらう方法もあります。
  校区、子供会、公民館、寺社の氏子などの地元に街づくりの話題で働きかけていき、堅苦しい防災の話ではなく、言い伝えのように、間接的に話すこともできます。
  知り合いの学校の先生に授業のカリキュラムに組み込んでもらうのもよいでしょう。
  地元と一緒に自然を守ることができる時代になっています。地元を巻き込んでいきましょう。
  今日できなかったフィールドワークは、6月24日(土)15:00からクリーン作戦をして、その後16:30から行います。

                 

  質問:人工島ができ、潮の流れが悪くなり、静穏域となりアオサが異常発生しています。流れをよくする方法はありますか。
  解答:人工島建設アセスメントの時の項目は潮流だけだったので、海浜近くの流れや海底に作用する波の項目がなく項目のないものは対応してもらえない。幸い干潟が残っているので、今のまま維持するしかありません。
     身近に干潟があることに価値があること、人工島があることで干潟が痛んでいることに周りが関心を持つことが必要です。
  質問:百道浜の人工の浜で学べることがありますか
  解答:川が無くて砂浜だけの不気味で生気のない人工の浜を入り口にして、機会があれば和白干潟へ来て、生命力を感じて昔の百道浜もこんなだったと知ってもらうのもいいでしょう。
  質問:橋が出来て、地形が変わったということはありますか
  解答:あります。橋脚ができ、風が当たったりして変わります。
  質問:川に堰があって、川からの砂が海まで流れてきてないように思うのですが。
  解答:農業用水のために海水が上がらないための堰でしょう。砂の流れは悪いです。他の川でも砂が溜まって問題になっているところもあります。
     普段から川を観察して砂の状況を調べるなどし、関心を持って具体的なことで要請していくとよいです。
  質問:唐原川の護岸にシートが張られているところがあります。
  解答:生態系的には避けてほしいですね。市は要請に応じて実施するので、自然保護は後回しになります



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「環境省モニタリングサイト1000」2023年度 春期シギ・チドリ調査2回目報告

                                                              山本廣子

  ●春期シギ・チドリ調査2回目の報告をいたします。

  今津は4/23(日)午前中に2回目の調査を行いました。今回は全国一斉調査になります。
  コチドリ7羽、メダイチドリ1羽、ムナグロ1羽、トウネン1羽、ハマシギ26羽、アオアシシギ9羽、イソシギ9羽、ホウロクシギ2羽、チュウシャクシギ31羽、タシギ5羽、セイタカシギ2羽の、11種94羽がカウントされました。
  他にはツクシガモ10羽、クロツラヘラサギ5羽、ヘラサギ4羽、チュウサギ1羽、ミサゴ1羽、ハヤブサ1羽、オオヨシキリ5羽が観察されました。天候は晴れでした。

  博多湾東部では5/2(火)午後に2回目の調査を行いました。
  ミヤコドリ2羽、コチドリ1羽、シロチドリ5羽、メダイチドリ1羽、アオアシシギ2羽、キアシシギ35羽、イソシギ7羽、ソリハシシギ1羽、チュウシャクシギ25羽の、9種79羽がカウントされました。
  他にはクロツラヘラサギ5羽、ミサゴ2羽が観察されました。

                             

  5/2の博多湾東部は晴れていましたが、風が強かったです。中潮の干潮時で潮干狩りの人は和白干潟が70名で一番多く、全体で86名でした。香椎でも4名が貝を掘ってあり、見せてもらいましたが大きなアサリがたくさん採れていました。
  今年はアサリが良く採れているようです。クロツラヘラサギは和白干潟と多々良川にいました。ミヤコドリは2羽が奈多のカキ礁にいました。遅くまで残っていますね。

     

  香椎や奈多や和白でもトベラの花が満開で、スイカズラの良い香りがしていました。海の広場付近では白フジやハリエンジュやノイバラなどの花が満開できれいでした。和白川河口ではスダジイの花が咲いていました。
  
     

  山の緑が美しかったです。和白でチュウシャクシギが15羽、奈多のクリークでキアシシギが17羽、香椎ではキアシシギと一緒にソリハシシギも見られて良かったです。唐原川河口にアオサが広がっているところがありました。

     

  多々良川河口のクロツラヘラサギは、口ばしが黒くなくて若鳥のようでした。春の渡りのシギやチドリに会えて良かったです。

     

  調査参加者は、今津では2名、博多湾東部では7名でした。調査に参加された皆さん、お疲れ様でした。

     


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