イオン黄色いレシートキャンペーン報告


      2019年度連携活動


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バードウォッチングin和白干潟 報告
              今村 恵美子

日時:2019年12月1日(日)10時~12時
場所:和白干潟海の広場
参加:58名  うち港湾空港局2名、守る会7名

 毎年、和白干潟保全のつどいが主催する「バードウォッチングin和白干潟」ですが、師走に入って初日、天気予報は曇りのち雨でしたが、開催時間中は幸い風もなく暖かな日差しに恵まれました。例年寒い北風の中でのバードウォッチングが続いていたので参加者も少なかったのですが、今年は開催時間には続々増えてきました。小さな赤ちゃんや小学校低学年までの子ども連れ、親子3世代、88才をはじめとする女性の姿が目立ちました。ほとんどの人が初めての参加、東区の方が多いようでした。
 
    
<開会の挨拶>              <鳥の説明>
 開会前に望遠鏡は守る会から6台、浜辺にずらりと設置。ただ、アオサがまだ一面に緑のじゅうたんのように堆積していました。山之内さんがイーゼルを何台も立てて鳥のパネルを並べ、受付は田辺さんと今村が担当し、山之内さん撮影の鳥やカニたちの写真プレゼントはとてもよく撮れていて、どれにしようかと迷いながらみんな大喜びでした。
開会は10時に山之内さんの趣旨説明、山本さんがパネルを示しながら渡り鳥の説明、港湾空港局の渡り鳥ビンゴゲームの説明がありました。子どもたちは、これから見ることができるかなと予想した鳥のシールをビンゴカードに貼っていきます。それが終わると、待ちきれないように望遠鏡に駆け寄り、貸し出しの双眼鏡で代わる代わる見ている家族連れでにぎやかでした。
 
   
<バードウオッチング>           <バードウオッチング>
人気のクロツラヘラサギ、ミヤコドリ、ツクシガモ、ダイシャクシギ、ヒドリガモ、ウミアイサ、ミサゴも見ることができました。沖のスズガモの群れ、マガモやオナガガモ、ヨシガモなどの淡水ガモたちもたくさんいました。唐原方面の干潟にはたくさんのカワウが休憩中でした。
 
    
<クロツラヘラサギ>           <ミヤコドリ>
黒い集団にクロツラヘラサギの白が混じっていました。その前をカモたちが浮かんで過ぎていきます。のどかな風景が見られました。途中ミヤコドリが群舞し、みんな喜んで眺めていました。子どもたちも熱心に望遠鏡をのぞいて離れない子もいて、嬉しかったです。
 
    
<ツクシガモ>             <ダイシャクシギ>
40分ゆっくり観察し、子どもたちは干潟のアオサに入ったりして遊んだり、広場で季節外れのモンシロチョウを追いかけたり、楽しいひと時だったようです。
最後に鳥合わせをし、23種類の鳥が観察できました。そのあと、ビンゴの答え合わせでは高成績の人も多かったようです。皆さんに景品の山之内さん撮影・作成の「四季の和白干潟の写真下敷き」、お菓子と飲み物(アオサのお掃除大作戦が1回中止だったので残っていたもの)を渡して解散しました。
  
    
<ミサゴ>                <ヨシガモ>              <鳥会わせ>
「ミヤコドリを見に来ました!」と一番乗りでやってこられた男性は「生まれて初めてミヤコドリを見ることができて感激!」とのこと。今日は穏やかな天気で、鳥の種類も多く、めったにない観察会日和でした。中にはアオサの回収にも参加されている方が、「アオサがまた増えましたね」と声を掛けられ、また来年もよろしくとお願いしました。クリーン作戦に来られていた女性の方も、「今月も来ますね」と約束してくださいました。いろいろな機会を通して和白干潟の自然の素晴らしさと守っていくことの大切さを理解し、ともに活動していただけていることがわかり、嬉しい一日でした。


九州産業大学特別講義報告「行政学、地方行政論、宗像ゼミナール」
                         田辺 スミ子

日時:11月26日(火)16:20~17:45                 
場所:九州産業大学1号館4FS402教室
参加:21名:学生16名 先生1名(守る会:山口、平松、田辺)一般1名
講師:山本 廣子(和白干潟を守る会代表)
議題:「和白干潟の自然を守ろう!」

 今年も山本さんの講義が九州産業大学で有りました。今年のテーマは「和白干潟の自然を守ろう!」でした。今回は平日でも有り、他の講義と重なったようで学生さんの参加が何時もより少なかったですが、殆どの学生が和白干潟に関心がある様でした。山本さんはまず生きものの手袋を使いながら挨拶しました。子供のころから現在までの和白干潟の過程を話し、九産大の近くに和白干潟が有り、東アジアの渡り鳥の渡来地として重要な干潟であること、博多湾の海岸線はどこも埋立てられてしまっているが、和白干潟は自然海岸のある干潟として「にほんの里100選」に選ばれたこと、和白干潟を守る会は、環境保全活動に取り組み今年で31年なり、ラムサール条約登録に向けて、署名を集めて市議会に提出したことを話しました。最近雁ノ巣海岸が一部の業者により壊されたことも有り、早くラムサール条約に登録されて守って行きたいと話しました。
 
    
<講義のようす>             <講義のようす>
 和白干潟の自然・和白干潟について・和白干潟を守る会の保全活動などを、パワーポイントを見せながら2択クイズを盛り込み分かりやすく興味を持ってもらえるように工夫をして話しました。保全活動では、自然観察会、クリーン作戦、調査(鳥、水質、砂質、ゴミ)が柱になっており、グラフを示してよく分かるように説明しました。ゴミデータ調査には宗像ゼミからも参加して貰っていて助かっていること。和白干潟は残ったが、沖に人工島が出来てしまい、潮流がさえぎられてしまい、環境が悪化しアオサが異常発生し、渡り鳥が減少したことなどを話しました。和白干潟通信やリーフレットなどを発行して、和白干潟の自然を知らせていること。特に今年はアサリが多く採れていたが、業者により夏より最近までアサリが根こそぎ取られた事も話しました。

   
<講義する山本代表>
和白干潟の保全には、和白干潟の集水域である山川海の連携が必要で、2012年7月から立花山や唐原川流域のグループといっしょに保全活動をしていること。また海底湧水のビデオを見て、和白干潟には自然海岸があるおかげで、如何に海底湧水が多く湧きだしているかを説明しました。和白干潟の海水に比べて酸素が10パーセントも多く含まれており、静穏域でありながら如何に底生動物やアサリなど2枚貝が多くいるかを話しました。また、今世界中で問題になっている海洋プラスチック類のゴミ問題にも触れて、無くすにはどうすれば良いか、日本は世界で2位のプラスチックゴミが多い国だとも伝えました。和白干潟のきりえ作品を写しながら、皆さんもぜひ自分らしいやり方で、和白干潟や地球の自然を守ってほしいと話しました。正しいと思ったことは声に出して言うこと、そしてあきらめずに言い続けることだと話しました。
最後に質問や感想では「人工島ができてから、なぜアオサの異常発生が増えたのか。」「ラムサール条約に登録されるとどのように守られるのか?」「クリーン作戦に参加しているが、話を聞いてその意義が良く分かった」などの発言がありました。


<海ごみ対策地域リーダー養成講座>
「容器包装をみなおそう!~海洋プラスチックごみ削減に向けて~」参加報告

                         今村 恵美子

日時:2019年11月1日(金)13:30~16:40
場所:福岡市中央区天神北チクモクビル3F小ホール
参加者:42名 守る会:5名
主催:「ワーカーズ・ゴミ問題研究会」と「容器包装の3Rを進める全国ネットワーク」

●基調講演「容器包装を見直そう!海洋プラスチックごみ削減に向けて」
「容器包装の3Rを進める全国ネットワーク」運営委員長 中井八千代さん
 
    
<プログラム>               <基調講演>
 プラスチックの生産量は年間3.8億t10年間で20倍、毎年800万t以上のプラごみが海に流れてきていること、日本は一人当たり32㎏の使い捨てプラを発生させ、世界2位であることなどの現状、プラごみを増やしている元凶として自販機があることで散乱し川の汚染につながっていること、日本では自動販売機の設置が50人に1台の割合である。海外では公共施設でのペットボトル禁止、市街地で水飲み場、給水機を設置するなどが進む一方、日本では会議でペットを会議に出す自治体が60%、インドは2022年までにペット廃止宣言を出したという話がありました。
全国各地の川や海のプラごみ汚染状況の写真も紹介され、東京湾のカタクチイワシの80%からマイクロプラスチックが検出されていることなどから、マイクロプラスチックは劣化し最後に海底の汚泥としてたまっており、予防原則では、貝や魚のはらわた、脂肪は食べない方が良いといわれ、和白干潟ではどうなっているか気になりました。

プラが焼却されて10年間で一酸化炭素は47%増となっており、埋め立て処分場の確保も厳しい現状で、現在の法律の下では自治体がプラ回収し、リサイクルするだけで赤字が増えるばかりです。プラ製造業者も原価にリサイクル費を含め、その責任を負う「拡大生産者責任」を広げる法律改正を急ぐべきだと市民提言をしているが、聞き入れられない現状だそうです。一人一人の市民ができることは、洗濯でプラ再生繊維が海に流出することを防ぐために、下着類は綿・麻・絹などの天然繊維を使用すること、法律を改正するには、どういう国会議員を選ぶか、この話を10人の人に伝えることが今日の講座の主眼であると締めくくられました。

●地元からの報告
・「I LOVE 遠賀川流域デポジット法制化を求める事務局」 妹川征男さん
 遠賀川の上流には産廃処分場があり、1級河川の中でワースト1と言われて、裁判があった。河口や海岸のひどい現状写真報告と、デポジット制度の法制化に取り組んでいることの報告がありました。

   <地元からの報告>

・「和白干潟を守る会」山本廣子さん
  和白干潟を守る会の紹介と、和白干潟におけるごみの状況、クリーン作戦の様子を紹介。年間のごみの種類や集計などのデータを紹介。

   
<地元からの報告>
ごみ調査において33項目のうち1位はペットボトルであり、2位が食品包装の袋、3位がボトルキャップであると説明しました。97年から昨年までのごみの回収量、参加者をグラフにし、ボランティア参加者が増えればごみ拾いの範囲も広がり、ごみ回収量が増えていることなどの状況を明らかにしました。観察会では、必ずごみ拾いを入れていること、子どもたちへの教育と啓発も進めていることを話しました。自分にできることとしては切り絵や絵葉書で干潟の大切さを知らせていること。最後に干潟に来てくださいと、干潟まつりの案内もありました。パワーポイントだけでなく、表やグラフがプリントとしてあればよかったと思いました。

・「大木町環境団体あーすくらぶ」 荒木フサエさん
  大木町は循環のまちづくりを進め、生ごみを資源ごみとしてし尿や汚泥と混ぜて肥料化、住民には無料で提供している。プラごみも全国初のプラごみ選別・油化施設をつくり資源化に取り組んでいる。

   
<地元からの報告>
ごみ問題に取り組み、危機感を持っている人たちが参加していたので、熱意が感じられた講座でした。


第7回「唐原川お掃除し隊」(山・川・海の流域会議主催)報告
                   松田 元

日 時:2019年10月6日(土)午前10時~11時30分
場 所:① 上流  九州産業大学学友会棟前付近(鋤寄橋~仲の原橋)
    ② 下流  唐原川河口浜田橋付近(河口及~浜田橋~大新開橋)
参加者:合計36名(①=18名、②=18名)
   内訳(香住丘校区自治会関係者16名、九州産業大学学生13名、山・川・海の流域会議関係者7名、一般 2名、守る会5名)

山・川・海の流域会主催の「唐原川お掃除し隊」は、今年も昨年に引き続き上流の九州産業大学学友棟付近と唐原川下流の浜田橋付近の2ヶ所に分かれて実施致しました。今年は昨年までの春の開催と違って秋に開催致しましたが、参加者は昨年より10名少なくなりました。その要因は、やはり秋には行事が多い為と推測されます。
 
     
 <川の清掃>              <川の清掃>
ゴミの回収量も上流では燃えないゴミ6袋、燃えるゴミ6袋と前回の半分以下でしたが、これは今年5月に一度九産大生とゴミ回収していたためと思います。下流域では、燃えないゴミは昨年同様12袋、燃えるゴミが約半減の12袋でした。その他下流では、丸太や鉄パイプなどの粗大ゴミは相変わらず多く回収されました。
 
     
<回収したゴミ>               <挨拶>

     
<記念写真>
 当日は、朝から小雨がぱらつき心配致しましたが少雨決行の中、開始時は天候の心配はなく涼しくて良かったです。上流では最後に立花山グリーンガイドの会副代表の磯野さんから、九産大生の皆さんに今日の川掃除の意義とお願いの挨拶が有り、プラスチックゴミが与える環境への影響や川にゴミを捨てないことの大切さを話して頂きました。下流でも唐原川を考える会の中山会長から、参加者の地域の皆様にお礼の挨拶をして頂き、全員で集合写真を撮り解散致しました。


アオサのお掃除大作戦2019(2回目)参加報告
                    山之内 芳晴

◆日 時 : 2019年9月29日(日) 14:00~16:00  曇り
◆主 催 :「和白干潟保全のつどい」
◆場 所 : 和白干潟・唐原川河口沖合い
◆参加者 : 54名(イオンチアーズクラブ33名、一般13名、スタッフ8名(港湾空港局2名、
WF1名、その他1名、守る会:4名))
◆アオサ回収量 : 60袋

雨が心配される曇り空の中でのアオサの回収作業でした。雨が降るかも知れないので、テントを2張りたてました。例年だとたくさんあるはずのアオサがほとんどなく、望遠鏡でアオサの有り場所を探し、唐原川河口沖合いを回収することにしました。
海の広場で松本さんの開会の挨拶の後、九州環境管理協会の藤井さんがアオサ回収の目的やアオサが成長するための栄養分はどのようにして供給されるかなどアオサのミニ勉強会がありました。
 
      
<アオサの説明>            <生き物観察>
港湾空港局からの注意事項と、作業の説明の後、各自、アオサを入れるネットとソリを持ち、唐原川河口沖合いへ向かいました。
回収地点に向かう途中で藤井さんの干潟の生き物観察を行いながら移動、子どもたちも干潟のカニやアサリを探しながら秋の干潟を楽しんでいました。中には、ガザミを捕まえた子どももいました。
 
       
<ガザミなど>            <アオサ掃除>
回収地点でアオサの回収方法を説明した後、作業にかかりましたが、堆積しているアオサがヘドロ化しており、松葉ぼうきで集めようとしますが、ヘドロの方が多く集まるので、水の中にあるアオサを集めるようにしました。今回は、イオンチアーズクラブの子どもたちが主体でしたが、子どもたちも、一般参加の方たちも熱心に作業されていました。40分ほど回収した後、ネットに詰めたアオサをソリに乗せ、海の広場のゴミ置き場への移動です。今回は、回収場所が遠くゴミ置き場まで500~600メートルもあり、運搬作業は疲れましたが子どもたちは、元気にソリを引いていました。
 
       
<アオサ運搬>            <記念写真
ゴミ置き場まで戻り記念撮影をした後、作業に使用したソリを清掃し、海の広場で飲み物を飲みながら歓談。参加者からは、「子どもと一緒に楽しく過ごせた」「今年はアオサが少なくてびっくりした」などの感想がありました。最後に10月12日のアオサのお掃除大作戦3回目を紹介した後、参加者にスポンサーからのお菓子とスタンプカードを渡して散会しました。以前にも参加された方が多く、アオサのお掃除大作戦が市民の中に根付いているようです。


アオサのお掃除大作戦(1回目)報告
                           今村 恵美子
日時:2019年9月14日(土)14:00~16:00
場所:和白干潟海の広場沖合
参加:47名(スタッフ含む)守る会5名

午後2時から、和白干潟保全のつどい主催の「和白干潟のアオサのお掃除大作戦第1回目」がありました。山之内さんと今村は12時前から草刈り。駐車場と海の広場入り口、駐車場から広場へ降りる道は荒牧さんも加わって茂った草を鎌で切ったり、藪をのこぎりで切ったりして、事前準備が大変でした。坊薗さんがまめに草刈りをしていてくださったから保たれていた通り道が、坊薗さんがしばらく諸事情でお休みされているので、こんなに草ぼうぼうになっているのを見て、手入れがいかに大切なことだったかと改めて感謝しました。

市役所の人達やつどいのメンバーも1時には到着し、真夏のような強い日差しの下、熱中症警報寸前の気温でしたので、テントを2張り設置しました。この暑さの中でも市政だよりや回覧チラシ、HP などで知った家族連れが多く、47名が参加。講師の藤井さんからアオサを取り除くことの説明、増えすぎると下敷きになった生き物などに悪影響を与えることになるなどというミニ勉強会があり、アオサの堆肥化について循環生活研究所の話や市役所の諸注意、山之内さんの回収方法の説明の後、沖合に出てアオサをネットに入れて水切りし、そりで運ぶという作業に約40分間取り組みました。
 
   
<干潟の生きもの観察>           <アオサの回収作業>
この日のアオサは少なめで、作業するには過剰な負担感のない量だったと思います。一旦集めたアオサの前で干潟の生きものの紹介や、記念写真撮影し、集積場所に運びました。水を含んだアオサを運びあげるのは一番大変です。全部で110袋あり、やはり例年に比べると少なめでした。そのアオサは循環生活研究所の指導を受けている九産大の学生が照葉の堆肥置き場まで運んでいきました。

     
<記念撮影>
終了後スポンサーの飲み物で水分補給してから、まとめをして、スタンプカードやお菓子を配って終わりました。感想では、子どもたちは「楽しかった」と元気に語りました。初めて参加の若いお母さんは「体験して初めて生きものとのつながりが良く分かった」とのことでした。クリーン作戦にも来ている福岡高校の女子高生2人は和白干潟のことを年間の研究テーマにしていると語り、発表を聞きたいという声が上がっていました。
 作業中も遠慮なく水分補強に来てもらうよう呼び掛けていたため、熱中症で倒れる人はいませんでしたが、ご夫婦で奈多から歩いてこられて、ずっとテントにいた女性も一人いました。2人分頑張るといわれたご主人が様子を見に帰ってこられたときに、無理しないように早めにご一緒にお帰りいただきました。


初夏の和白干潟(雁ノ巣海岸)観察会報告(山・川・海の流域会議主催)
                   今村 恵美子

日時:2019年6月8日(土)10時~13時 中潮
場所:雁ノ巣海岸
参加者:10名
 昨夜の雨も上がり、梅雨間近の曇り空の下、雁ノ巣リクレーションセンター駐車場に集合し、「山・川・海の流域会議」主催の初夏の雁ノ巣海岸自然観察会を実施しました。昨年秋に予定していましたが、雨で中止となり、今回企画したものです。
 リクレーションセンターから歩いて数分の雁ノ巣海岸、途中の木の枝でホオジロが鳴いていてかわいい姿を望遠鏡でのぞきました。元水上飛行艇の滑走路上下架スロープから望遠鏡で鳥を観察。カワウ4羽が砂州に下りているのが見えました。
  
     <ホオジロ>               <テリハノイバラ>           <コウイカの死骸>
 上下架スロープにはテリハノイバラが白い花を咲かせて張り付いていました。潮が満ちているため砂浜歩きはできず、遠回りして海岸に下りました。砂浜には波の花といわれるふわふわの泡がたくさん寄せていましたが、海水が濁っているためか薄汚い色でした。また、大きなコウイカが3匹?打ち上げられていました。砂浜にはたくさんのスナガニの大きな穴があり、ついついのぞき込んでしまいました。沿岸にはツルナがたくさん生え、小さな花をつけているのもありました。小さなカニを見つけ、山本さんが素早くつかまえました。カクベンケイガニのようでした。周囲には外来種のキミガヨランがたくさん生えており、鋭い葉先に思わず触れてしまい痛い思いをしました。
  
     <スナガニの巣穴>            <ツルナ>                <カクベンケイガニ>
 砂州に向かうとハマゴウが一面に広がって群落をつくっていました。薄紫の花はまだ咲いていませんでしたが、香りのよい実が種となって茎の先端に残っており、有江さんと香り袋を作ってみてはどうかと採取しました。うまくいけば干潟まつりで販売できるかも。
  
     <キミガヨラン>            <ハマゴウの実>              <ネコノシタ>
 砂州にはネコノシタ、カワラヨモギ、ハママツナ、オカヒジキ、イソホウキギなどが生えていましたが、また大きなウチワサボテンが鮮やかな黄色い花を咲かせ赤いつぼみもたくさんありました。砂州の先端に行くとこれまで見たことのない浅いプール(水たまり)が出現していました。10mくらいの広さで海水が端から流れ込んでおり、中にはたくさんのミズクラゲがいました。今度来た時にプールは存在しているのでしょうか。干潮時にはないかもしれません。
  
     <カワラヨモギ緑>           <オカヒジキ>              <ウチワサボテンの花>
  
     <水たまり>               <ミズクラゲ>            <アメリカネナシカズラ>
 外来植物の「アメリカネナシカズラ」という黄色のビニールひものような植物がハマゴウに巻き付いているのを何か所も見ました。しっかり根元にぐるぐる巻きに巻き付いた姿は、地球外生命体が絡みついたような不気味さを感じました。
  
     <観察のようす>             <記念写真>             <海岸の掃除>
 引っ張っても千切れるだけで、寄生した植物にしっかりしがみついているのです。徹底的に駆除しなければならないと思いました。前回見つけた「ナルトサワギク」は今回歩いた範囲では見かけませんでしたが、潮が引いて海の中道大橋の橋げたの西側に行けば存在しているそうです。外国からのコンテナ船が出入りする人工島を通してこのような外来植物がやってきていることの脅威を感じます。立花山を背景にみんなで記念写真を撮り、松の木の下でお弁当を食べてからたくさんのごみを拾いながら帰りました。
  
     <ハマユウの花>           <ハマニンニクの穂>            <センダンの実>
ごみは坊薗さんが車に積んで海の広場まで運んでくださいました。大きな袋に5袋あったそうです。13時過ぎに解散しました。参加者は予想外に少なく、和白干潟を守る会のメンバーだけだったので残念でした。もっとたくさんの人に自然の面白さを知ってもらいたいものです。
 観察した鳥:カワウ4羽、ホオジロ、トビ
 観察した植物:テリハノイバラ(花)、コマツヨイグサ(花)、ツルナ(花)、ハマヒルガオ(葉)、キミガヨラン、ハマユウ(花)、ハマニンニク、ハママツナ、ハマゴウ、ネコノシタ、ウチワサボテン(花)、カワラヨモギ、アメリカネナシカズラ、ハナハマセンブリ、センダン、オカヒジキ(花)、イソホウキギ、スイカズラ(花)、センダン(実)
 観察した生き物:ミズクラゲ、小さなクラゲ、ウミニナ、ホソウミニナ、ヤドカリ、コウイカ(死骸)、マガキ、カクベンケイガニ   
観察した海草:アオサ、オゴノリ


日本湿地ネットワーク総会とシンポジウム参加報告
日本の湿地を守ろう2019 ~アンパルの自然を守る会結成10周年記念行事~

              山本 廣子

日 時:2019年3月31日(土)~4/1(月)
場 所:沖縄県立石垣青少年の家(石垣市字新川868)とアンパル

1日目(3/30)17:00~18:00 日本湿地ネットワーク(JAWAN)総会
参加者:14名
2018年度の活動報告、課題などが話されました。活動は三番瀬と辺野古土砂搬出反対行動への参加が多く取り組まれました。会計報告、2019年度活動方針では、JAWANの存在意義を示す活動を活発にしたいということなどが話されました。各地の湿地保全運動への協力・支援、交流・連携に取り組むこと、定年退職者への活動参加への期待などが話されました。2019年度予算案、2019年度の役員候補については、アドバイザーの青木敬之さん(病気)と中丸素明さん(逝去)が退任されました。私は引き続き運営委員になりました。
 
   <AWAN総会>              <蛇皮線弾き語り>
18:30~20:30 夕食交流会(お弁当を食べながら、交流しました。アンパルの自然を守る会のメンバーが、蛇皮線や手作り三線の弾き語りで、沖縄や八重山の歌を歌われました。

2日目(3/31)9:00~12:00 アンパル観察会
参加者:地元の親子、JAWAN会員、アンパルの自然を守る会などで28名
アンパルは名蔵川河口干潟とマングローブ林、湿地草原から成り立っています。干潟は約20ha、マングローブ林は約62ha、湿地草原は約49haあります。外側の名蔵湾とは約2kmの砂洲で仕切られています。名蔵湾の海岸からアンパル干潟やマングローブ林の水路の中まで歩いて観察しました。
 
     <アンパル看板>            <観察のようす>
朝から曇り空で時折小雨も降り、膝まで足が濡れて寒かったのですが、ヤエヤマヒルギやオヒルギ、大きなキバウミニナなど石垣ならではの自然を味わいました。オオハマボウの黄色い花が咲いていました。トベラやハマゴウ、シロバナサクラタデなど、和白干潟でも見られる植物もありました。
 
    <オオハマボウ>             <オヒルギの説明>
ヒトモトススキの大群落があると聞いていたので楽しみにしていましたが、奥の湿地草原には立ち入れないそうで、残念ながら見ることができませんでした。
アンパルの自然を守る会の方は高校の理科の先生が多くて、詳しく解説いただきました。マングローブ林の水路の奥でマングローブの縞枯れが起こっている場所も案内されました。素晴らしい自然と問題の現状も見せていただきました。
 
    <キバウミニナの説明>        <落ち葉を食べるキバウミニナ>
雨や曇り空でしたので、カニたちには余り会えませんでしたが、ガザミの抜け殻などを見つけました。落ち葉を食べるという大きなキバウミニナがあちこちに転がっていて、珍しかったです。
 
   <水の中を歩いて渡る>           <流れの中を歩く>
手のひらに乗るくらい大きなシレナシジミや小さなイソハマグリが採れました。マングローブの流れで投網をされて、クロサギやオキナワフグ、ヌマエビの仲間などがつかまりました。
 
     <ヤエヤマヒルギ>          <マングローブ縞枯れ>
皆で見てから、流れに戻しました。途中でメダイチドリ、キョウジョシギ、キアシシギ、アオアシシギ、カワセミ、ダイサギ、カワウ、カルガモなどを見ました。
 
  <シレナシジミとイソハマグリ>           <投網>
マングローブのタコ足の根っこには南国を感じました。マングローブ林の中を歩いたことは貴重な体験でした。
 
     <獲れた魚>               < カワセミ>

13:30~15:45 シンポジウム①アンパルの自然と再生計画
参加者:地元の人、JAWAN会員、アンパルの自然を守る会などで33名
アンパルの自然を守る会から、八重山の自然、アンパルの変遷と再生計画、石垣島とアンパル水系の環境と生態系、石垣島の水調査、アンパルの自然を守る会の10年などが報告されました。アンパルは2005年にラムサール条約に登録され、2007年には西表石垣国立公園に編入されました。素晴らしい自然が残る中、名蔵ダム建設や製糖工場建設があり、製糖工場からの排水が流入しているためにアンパルの水質や底質が悪化しているそうです。


河川改修やコンクリート3面張りで環境悪化、白水水系からの過剰取水あり、今後もホテルやリゾート開発計画が進められているそうです。外来種による問題、貝類やナマコの乱獲による減少、マングローブ林の拡大による干潟の減少、マングローブ林の縞枯れ問題、不法投棄問題、ナイトカヌー問題など難題が山積み状態で、アンパルや名蔵湾の生態系が劣化して来ているそうです。ゴルフ場計画や自衛隊基地計画もあり、石垣島全体の自然保護団体結成が必要で、それを目指した住民運動交流会を開始しているそうです。
 「こどもアンパルクラブ」を年10回開催予定で、アンパルの観察会を主体として子どもたちが自然に触れあう活動もしていくそうです。

16:00~17:00 シンポジウム② 特別報告
日本の湿地をめぐる現状、辺野古埋め立て用土砂搬出阻止の取り組み、石垣島陸自配備による水源・自然破壊、についての報告がありました。

18:00~21:00 各地の報告と交流会                
各地の報告では、和白干潟、中池見湿地、三番瀬、湿地と水鳥についての報告がありました。私は和白干潟の報告をしましたが、7分しかなくてたくさんは話せませんでした。終了後に石垣の方で「和白干潟に行ったよ」という方に声を掛けられました。

    <和白干潟報告>
場所を移して、吹き抜けのバーべキュー場で、バーベキューと沖縄そばを皆で作りながら、食べました。
風が冷たくて寒かったので、私は火の番をしました。たくさんの野菜と石垣牛を焼いて食べながら、交流しました。

3日目(4/1) 9:00~12:00 石垣観光と見学会
石垣島鍾乳洞、石垣島展望台、織物のみんさー工芸館、台風などでサンゴ礁の一部が流れてきた岩が多く点在している浜辺などに案内していただきました。帰りは昔の石垣や家並みが残るしらほ集落をゆっくり運転しながらめぐりました。

   <石垣島集合写真>
石垣島の多くの自然を感じた石垣島訪問でした。3日間ずっと曇り空で小雨も降って、寒かったのが残念でした。南国の太陽に出会いたかったです。飛行機に乗って石垣島から離れたら青空が見え、少しほっとしました。


香椎公民館ふれあいサロンでの講演報告
               松田 元

日時:2019年2月26日(火)13:40~14:40
場所:香椎公民館 講堂
参加:50名
講師:山本廣子(和白干潟を守る会代表)
議題:「和白干潟の今」

 昨年に引き続き今年も「香椎公民館ふれあいサロン」で、この講演が実現いたしました。
これも会員の河上律代さんが、ここ香椎校区で日頃から皆さんと一緒に活動され、和白干潟の魅力を話されているからだと思います。それと同じく、クリーン作戦や干潟まつりに御尽力いただいている舩越さんのバックアップも大きいと思います。
 
    
<講演のようす1>            <講演のようす2>
 今回参加の50名の皆さん全員が熱心に話を聞いてくださり、冒頭山本代表の子供の頃の和白干潟は「和白子ども海水浴場」と呼ばれ、潮干狩りや海水浴に県内各地から多くの人が訪れていたことを聞き、「へえ~」とびっくりしたような声も上がっていました。ここで泳いだという方もありました。博多湾や和白干潟の歴史、守る会が生まれた経緯、当時の様子などを説明、特に全国でも2ヶ所しかない自然海岸の残る貴重な干潟であることなどを詳しく話しました。パワーポイントで、和白干潟の四季の植物、渡り鳥、生き物と美しい画像で皆さんを魅了致しました。
 
    
<講演のようす3>            <講演のようす4>
 保全活動では、各種観察会の様子、クリーン作戦、各調査の現状などグラフも駆使して解りやすく説明がありました。特に山・川・海の流域会議の活動の意義や、ラムサール条約登録については時間をかけて熱心に説明がありました。多くの皆さんも大きく頷いて賛同されていました。30年を超える保全活動については感心される方もありました。さらに、DVD画像で「切り絵」による干潟の魅力やその製法の解説など、日頃聞けない話に皆さん興味深々でした。

最後に山本代表から是非和白干潟に足を運んで欲しい、そして私たちと一緒に「和白干潟を守る会」の活動にひとりでも多くの方々の参加をお願いしたいと話して、講演を締めくくりました。近くにある香椎保育所の先生も参加してくださっていました。毎年和白干潟の観察会に来てくれるところです。元保育所所長の守る会会員、有江さんからのお知らせで参加されました。講演の後に茶話会があり、熱心な方々のご意見が聞けました。5月の「花もも」での和白干潟のきりえ展には、また皆で誘いあって見に来てくれるそうです。交流が広がって行きますね。


山・川・海の流域会議「新春講演会」報告
               今村 恵美子

日 時:2019年1月12日(土)10時~12時
場 所:なみきスクエア第一多目的室
参加者:10名 楽友会:1名 グリーンガイドの会:2名 干潟を守る会:7名

 2019年最初の会議では恒例の新春講演会が開催されました。冒頭の松田代表による挨拶では「第7回となる新春講演会だが、出席者が少なく寂しい」とのことでした。最初に楽友会舩越さんによる「楽友会十五年の歩み(平成16年~29年)」のパワーポイントによるお話がありました。
 舩越さんはこれまで作業中心で活動し、16年間のデータを持たなかったため、東区役所から写真を借りて作られたとのことです。タイトルは「三日月山から初日」の美しい写真でした。
 
    
<開会挨拶>              <楽友会舩越さんのお話>
 三日月山には50年登っており、今年も初日の出を見ることができたそうです。平成16年に東区役所の呼びかけで「立花山・三日月山ふれあいの森づくり」のボランティア募集に参加したことから、3年間にわたるワークショップでの講義や体験が始まったそうです。ワークショップでは長谷ダムの取水口付近を登山道入り口として登りやすい山にする再開発を目的としました。「今ある自然を活かしつつ多くの人が安心して利用でき、自然や歴史について楽しく学べる魅力あるルートづくり」をモットーにしたそうです。風倒木整理でベンチを作ったり、自然観察&案内板作りをしたり、竹林を整備したり等の活動を行ったそうです。充実した3年間ではあったものの区役所の事業が終わってから、参加者は減り、市民有志で「楽友会」を立ち上げたということです。登山道の整備などやっているが5~10年たって樹木や草が生い茂るなど環境が悪くなって、現在ベンチなども腐って使われているかどうかわからないとのことでした。時間の関係で、現在の状況まで至りませんでしたが、行政の関与がもっと続かなければ市民の力だけで続けることは困難です。それでも頑張って挑戦しておられることに感服しました。最後に三日月山からの花火鑑賞登山の写真を見ましたが、これは一度だけの企画だったとか、もったいない気もします。
 
   
<楽友会舩越さんのお話>
 次に、「和白干潟の自然と環境保全活動」について山本さんのお話がありましたが、使用するパワーポイントとプロジェクターの連動に時間がかかり、「さわり」部分しか話していただけませんでした。山本さんのお話は「なぜ和白干潟の保全活動を始めたのか」ということでした。和白海水浴場のそばで育って、東京で絵の勉強をして帰ってきた25歳の時、海の埋め立て計画を知ったそうです。
 
   
<守る会山本の話>             <守る会山本の話>
 探鳥会に参加し、たくさんの種類の鳥たちが来ていることを知って、海を埋めないでほしいという思いを強くし、約300名の署名を集め、福岡市議会に保全願を提出、和白干潟は残ることになったそうです。しかし埋め立てたいという勢力が多く、1988年和白干潟を守る会を設立しました。会員は当初100名ほど、近隣の香住ケ丘の住民の会などとも連携して活動を始めました。和白干潟についての説明では、自然海岸が大切であり、渡り鳥のルートであることが重要で、観察会やクリーン作戦、調査などを年間を通してやっていること、干潟通信やパンフレット発行などの広報活動のほか、山・川・海の連携が大切なこと、和白干潟まつりも30回行っていることなどを紹介し、ラムサール条約登録を目指して活動していきたいと締めくくりました。時間の短い中で、語りつくせないものがあり、大変残念でしたが、次の機会を待ちましょう。




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