2023年度連携活動
九州産業大学特別講義「和白干潟の自然や地球の自然を守る」報告
今林 眞由美
日 時:2023年12月23日 11:00~12:40
場 所:九州産業大学 3号館4階S403教室
講 師:山本 廣子(守る会代表)
参加者:32名:学生 22名 先生1名 一般3名、守る会6名
山本代表が、和白干潟の生きもの手袋を使って自己紹介をしました。「和白干潟は福岡市という、都市の中にあって全国で2カ所しかない自然海岸が残り、日本海側では最大規模の干潟です。自然海岸には塩生植物が豊富で、海底湧水が出ていて沢山の生き物を育んでいます。東アジアの鳥の渡りの重要な中継地にもなっています。私たちはそんな和白干潟の自然を守る活動をしています。あなた方も和白干潟を、それぞれの故郷の自然を、そして地球の自然を守る人になってほしいです。」と挨拶しました。
<講演のようす> <講演のようす> <講演のようす>
次に、スクリーンを使って、和白干潟を四季ごとの植物や生きものの写真で紹介しました。
そして、和白干潟を守る会の活動については、「自然観察会」と「クリーン作戦」と「調査」があり、年1回開催の「和白干潟まつり」もあります。広報活動として年4回「和白干潟通信」を発行しています。また12年前から「山・川・海の流域会議」を作り、立花山から和白干潟に注ぐ唐原川流域の5グループで、連携して和白干潟の集水域の保全活動をしています。九産大も参加しています。NHKの「和白干潟の海底湧水」のビデオも5分間放映しました。
和白干潟を水鳥の保護と湿地の保全を定めた「ラムサール条約」の登録地にするために、福岡市や議会の環境保全の意識が高まるよう、市民として意見や要望を出しています。今年も福岡市長に「博多湾・和白干潟のラムサール条約登録」を求める要望書を提出しましたが。明確な回答が得られず、再度要望書を提出しました。その要望書と回答を読み上げました。
途中に、それまでに話した内容からのクイズを入れて再確認しながら、進行しました。
スクリーンに、和白干潟の植物や生きものを美しく描いた「きりえ」を紹介しました。「また現在世界ではウクライナやイスラエルなど多くの地で戦争が起こっており、子どもたちがたくさん死んでいます。戦争は最大の環境破壊です。世界中の人たちに優しい気持ちを届けたい」とNHKの「生きもの地球紀行」という番組のエンディングテーマ曲の 「BELIEVE(ビリーブ)」を皆さんと歌いました。最後に、「思いを発信する方法は、きりえや歌以外にもたくさんあります。みなさんも思いを発信していく人になってください。」という言葉で締めくくりました。
「バードウォッチングin和白干潟2023」(和白干潟保全のつどい)参加報告
山之内芳晴
日 時:2023年12月2日(土) 10:00~11:30 晴れ 中潮:満潮:13:08 干潮:6:34
場 所 : 和白干潟・海の広場
参 加 者: 31名(一般参加20名、スタッフ11名(ウェットランドフォーラム1名、港湾空港局3名、守る会7名)
晴天でしたが冬の寒さを感じさせる中でのバードウォッチングでした。海の広場の倉庫前に、鳥の写真パネルを設営し、浜辺に望遠鏡を7台準備しました。
干潮時間帯だったこともあり、鳥たちは浜辺からは遠くにいます。10時に開催、松本さんの開会の挨拶に続き、山本さんがパネルを使ってビンゴカードの鳥たちを説明した後、港湾局の松本さんがビンゴカードの説明。参加者は配られたビンゴカードにシールを選びながら貼っていました。
<野鳥説明> <バードウオッチング> <バードウオッチング>
10時30分、バードウォッチングの始まり、各自が望遠鏡や双眼鏡で干潟の鳥たちを観察しました。干潟には、マガモ、ヒドリガモ、ツクシガモ等のカモ達や、ミヤコドリ、クロツラヘラサギはいましたがシギ・チドリの姿は見当たりません。
<マガモ> <クロツラヘラサギ・マガモ・ヒドリガモ> <ミヤコドリの群れ>
棒杭の上にはミサゴ、沖合にはスズガモやホオジロガモ、カンムリカイツブリなどもいます。ミヤコドリは19羽、ツクシガモは16羽、クロツラヘラサギは2羽いました。参加者の方々は、双眼鏡や望遠鏡をのぞきながらビンゴカードをチェックしていきます。
30分ほど鳥を観察した後、今日見られた鳥の鳥あわせをして20種の鳥が観察されました。最初に干潟を見た時は、鳥も遠く少なく見えましたが、今日は色んな鳥たちに出会えて良かったです。
<感想> <ズグロカモメ飛翔>
最後にビンゴ賞の下敷きとスポンサー提供の飲み物などを配り、散会しました。参加者の感想としては、以下のようなものがありました。
・初めて参加したが、色んな鳥が見られて楽しかった。
・鳥を見て名前を知ることで楽しみが増えた。
・子どもに自然に触れさせることが出来、このような企画があって良かった。
・初めて望遠鏡を手にして鳥がはっきり見えて良かった。
■観察された鳥:
ヒドリガモ、カルガモ、ツクシガモ(16)、ヨシガモ、マガモ、スズガモ、ホオジロガモ、カンムリカイツブリ、カワウ、ダイサギ、コサギ、アオサギ、クロツラヘラサギ(2)、ミサゴ(2)、トビ、ミヤコドリ(19)、ズグロカモメ、ハクセキレイ、ハシボソカラス
アオサのお掃除大作戦2023(2回目)参加報告
山之内芳晴
日 時 : 2023年10月29日(日) 14:00~16:00 晴れ
主 催 :「和白干潟保全のつどい」
場 所 : 和白干潟・海の広場沖合
参加者 : 54名(イオン福岡店16名、一般28名、スタッフ10名(港湾空港局2名、WF1名、循環生活研究所4名、その他1名、守る会:2名)
アオサ回収量 : 155袋
秋の涼しさを感じさせる日曜日、干潟は一面緑のアオサに覆われていました。海の広場で松本さんの開会挨拶の後、九州環境管理協会の藤井さんがアオサ回収の目的やアオサのミニ勉強会を、循環生活研究所からアオサ堆肥化の説明を、港湾空港局からの注意事項と、回収作業の説明をした後、各自、アオサを入れるネットとソリを持ち、海の広場の沖合いへ向かいました。
<一面のアオサ> <アオサの説明> <アオサの掃除> <アオサの運搬>
今回は、コンクリートの福岡市道前の浜辺から200メートルの所のアオサ堆積量が多いところを回収することにしました。各自、アオサをかき集め、ネットに詰めてゴミ置き場まで運びました。
今回も、コロナ過で野外レクリエーションが少なかったせいか、子供さん連れの方も多かったです。一般参加の方たちも子どもたちも、アオサを集め元気にそりを引いていました。
<記念写真> <貝類> <まとめ> <干潟の生き物説明>
40分ほど回収した後、ゴミ置き場まで戻り、作業に使用したソリを清掃した後、海の広場で作業の振り返り。参加者からは、「アオサを回収して生きものが住みやすくしたい」「2回目の参加だが、子どもが楽しみにしているので続けて参加したい」「皆で楽しく作業が出来た」などの感想がありました。最後に12月2日のバードウオッチングの紹介をした後、参加者にスポンサーからの飲み物と海の中道海浜公園の割引カードを渡して散会しました。
<クロツラヘラサギ群れ> <10 ウラギク花群生> <紅葉したハママツナ>
第11回「唐原川お掃除し隊」参加報告
山之内芳晴
日 時:2023年10月7日(土)10:00~11:45
場 所:唐原川下流の唐原橋から河口までの区間
集合場所:唐原川外輪崎橋側(県道495号線沿い作業服の無法松福岡東店裏)
参加者:合計21名(地域ボランティア7名、山・川・海流域会議関係者7名)、和白干潟を守る会7名
回収ゴミ:48袋:可燃ゴミ32袋、不燃ゴミ16袋
粗大ゴミ:自転車2台、エアコン、消火器等
唐原川お掃除し隊、今年は第11回目になります。暑さも和らぎ、涼しい風が吹く曇り空でした。
外輪崎近くの集合場所で開会式を行った後、唐原橋近辺を清掃する班と唐原川河口付近を清掃する班に分かれて清掃を始めました。守る会からの参加者は、唐原川河口を担当しました。
松田さんを除いた守る会6名と九州産業大学生5名含めた11名で唐原川河口の川底清掃を始めました。
< 挨拶と説明> < 記念写真> < 掃除>
川底に入って見ると空き缶や空き瓶が泥に埋まっていました。ガラスの破片なども有りました。
胴長をつけた方が河口水辺のアシ原の中を清掃して、たくさんの空き缶を回収することが出来ました。大きな毛布状の布のシートが埋もれていましたが、泥に埋まっていて大勢で引いても取り出せません。来年ははさみを用意して泥からはみ出している部分を切り取るようにした方が良いですね。
< 掃除> < 掃除> < 掃除>
回収ゴミとしては、自転車や空調機器のほか、空き缶、空き瓶、ノボリ盾旗さしなどのほか、さびた金属棒などがありました。唐原川河口の清掃を終えて外輪崎橋近くの集合場所に集まり、作業結果の報告の後、散会しました。参加された皆さまお疲れ様でした。
< 掃除> < 掃除> < 掃除>
唐原川にはミシシッピアカミミガメやガザミが多く見られました。川の干潟にはハクセンシオマネキがたくさんいてツメを振っているものもいました。シジミガイ科のヤマトシジミもいました。
< 草刈り> < 唐原川河口記念写真> < 回収したゴミ外輪崎橋> < ミシシッピアカミミガメ>
アオサのお掃除大作戦2023(1回目)参加報告
山之内 芳晴
日
時 : 2023年9月24日(日) 10:00~12:00 晴れ
主
催 :「和白干潟保全のつどい」
場
所 : 和白干潟・海の広場沖合
参加者 : 42名(一般31名、スタッフ11名(港湾空港局2名、WF1名、循環生活研究所2名、その他1名、守る会:5名))
アオサ回収量 : 140袋
連日厳しい暑さが続いていますが、吹く風が秋を感じさせます。昨年は、アオサの発生がありませんでしたが、今年は通年どおり発生でした。海の広場で松本さんの開会挨拶の後、九州環境管理協会の藤井さんがアオサ回収の目的やアオサのミニ勉強会を、循環生活研究所からアオサ堆肥化の説明を、港湾空港局からの注意事項と、回収作業の説明をした後、各自、アオサを入れるネットとソリを持ち、海の広場の沖合いへ向かいました。
1 アオサの説明 2 アオサ運搬 3 アオサ運搬
今回は、浜辺から200メートルのアオサの堆積量の多いところを回収することにしました。各自、アオサをかき集め、ネットに詰めてゴミ置き場まで運びました。今回は、コロナ過で野外レクリエーションが少なかったせいか、子供さん連れの方も多かったです。一般参加の方たちも子どもたちも、アオサを集め元気にそりを引いていました。
4 アオサ運搬 5 アオサ掃除 6 アオサ掃除
40分ほど回収した後、ゴミ置き場まで戻り、作業に使用したソリを清掃してから、集めたアオサの後ろに立ち記念写真を写しました。海の広場で作業の振り返り。参加者からは、「たくさん採ったつもりでいたが、アオサの多さに驚いた」「初めて参加したが、続けて参加したい」「アオサ堆肥を使って塩分は大丈夫か」などの感想や質問がありました。
7 記念写真 8 干潟の生き物 9 振り返り
最後に9月29日のアオサのお掃除大作戦2回目を紹介した後、参加者にスポンサーからの飲み物と海の中道海浜公園の割引カードを渡して散会しました。今回は初めて参加された方が多かったです。
「和白干潟の生きものやハマボウを見る会」 報告
山之内 芳晴
日時:2023年7月15日(土)14:00~15:30
場所:和白干潟・唐原川河口~牧の鼻
講師:藤井暁彦氏(九州環境管理協会)
主催:和白干潟保全のつどい(和白干潟を守る会、ウエットランドフォーラム、循環生活研究所、福岡市港湾空港局局)
参加者:約43名(一般参加約29名、港湾空港局3名、WF1名、九環境1名、守る会9名)
梅雨明けも近い、夏の日差しの中、13:00に香住ヶ丘公園に関係者が集合し、受付の準備や唐原川河口にテント2張りを設営しました。13:45受付を開始、スタッフを除き約30名ほどの参加がありました。
14:00香住ヶ丘公園にて開会、山本さんに、2003年に牧の鼻のハマボウを発見したこと、2005年に守る会として「ハマボウを見る会」を始めたことなど「ハマボウを見る会」の歴史について話していただき、港湾空港局から観察ガイドや注意事項の説明があった後、全員唐原川河口の観察場所に移動しました。
< 開始の挨拶> < 生き物探し> < 生き物探し>
唐原川河口に着くと、テント近くには、ハマボウの群落がたくさんあり、黄色い綺麗な花がたくさん咲いていました。年々ハマボウが広がっているようです。
講師の藤井さんと守る会のスタッフのガイドで干潟の生きもの観察をしながら岩礁地帯を通り、牧ノ原のハマボウ群落地に向かいました。干潟には、コメツキガニやマメコブシガニ、ケフサイソガニなどのほか、アオサなどの海そうもありました。アオサは昨年よりは多めでした。
<干潟の生き物探し> <ケフサイソガニ> <ハマボウ全景>
牧の鼻海岸は、ハマボウで覆われており、大きな群落になっており、黄色いハマボウが満開でした。ここでは、山本さんから牧の鼻のハマボウの説明がありました。この後ハマボウの主株の前で記念撮影を行いました。
<ハマボウ> <ハマボウ花> <記念写真>
振り返りでは、講師の藤井さんが今日観察した生きものたちの紹介があり、ハクセンシオマネキやアシハラガニなどたくさんの生きものを見てもらうことができました。
参加者からは、色んな生きものが見られて楽しかった、初めて和白干潟に来て、広いのに驚いた、などの声がありました。それからゴミ拾いをしながら現地解散としました。
解散後テントに寄ってもらい、用意しておいた冷たいお茶を飲んでもらいました。今年の「ハマボウを見る会」も大変好評でした。
<生き物説明> <回収したゴミ> <ミサゴ>
回収したゴミ:人工ゴミ8袋
観察した鳥:カワウ、カルガモ、ダイサギ、ミサゴ、ハクセキレイ
観察したいきもの:アシハラガニ、ケフサイソガニ、クロベンケイガニ、コメツキガニ、ハクセンシオマネキ、ヤマトオサガニ、オサガニ、マメコブシガニ、ウミニナ、オキシジミ、アサリ、マガキ、テッポウエビ、ハゼ、タイワンガザミ、イソギンチャク
観察した植物:ハマボウ(花)、アシ
海そう:オゴノリ、アオサ、イシゲ
2023年1月度 山・川・海の流域会議・報告
山之内 芳晴
日 時:2023年1月21日(土)10:00~12:00
場 所:香住丘公民館(2階老人いこいの家)
参加者:19名:舩越、磯野、高倉、今宮ほか、守る会9名
1. 新春講演会 「立花山の地形・地質」 講師:九州産業大学教授 横山 秀司 氏
今年の新春講演会は、第1回の講演で「唐原川のビオトープ」を講演された、九州産業大学教授の横山秀司氏に「立花山の地形・地質」と題して講演していただきました。
立花山は東区の北東部に位置し、尾根筋を福岡市と周辺町(新宮町・久山町)との行政境とし、特別天然記念物のクスノキ原生林や戦国時代に多くの攻防を繰り広げた立花城の史跡など、豊かな自然と歴史的資源を有する魅力ある山です。
<講演会のようす1> <講演会のようす2>
今回は、立花山の立花山の地形・地質について横山先生に講演していただきました。私たちが日常レクリエーションで登る立花山系の白岳、松尾山、立花山、三日月山は、形成された時期が三日月山は約3.5億年前~2.5億年、白岳、松尾山、立花山は約1億年前とのこと、また、白岳、松尾山、立花山は、花崗閃緑岩(かこうせんりょくがん)が多く分布し、立花山クスノキ原生林は蛇紋岩、三日月山には苦鉄質片岩が多く分布する。
<花崗閃緑岩> <苦鉄質片岩-玄武岩> <講演会のようす3>
深成岩である花崗岩がなぜ地上にあるのかについては、地下のマグマが上昇して冷えて固まり花崗岩となり、花崗岩は上昇し、表層の泥質片岩を突き破る。地上に現れた花崗岩は、風化作用を受け、割れてトア(棒状の突起層)を形成、トアは風化作用を受けてマサ化して全体的に浸食されるとのこと。立花系である白岳、松尾山、立花山は、500万年前に浸食されて小起伏面が形成され、その後に隆起したものだとのことでした。また、福岡市周辺の粕屋町、宇美町、篠栗町などには、石炭を多く産出すること、石炭が出来る過程や花崗岩の多い地域は崖崩れや土砂崩れが多いことなどの話もありました。
立花山登山をしている時、登山道や頂上付近に花崗閃緑岩や玄武岩の大きな石片を見かけることがあり、なぜこのような岩石があるのか不思議に思うことがありましたが、今回の講演で良く判りました。
2.各グループ・サークルの活動報告
山本さん(和白干潟を守る会)
干潟通信144号を元に守る会の活動報告をしました。11月20日に第34回和白干潟まつ
りを開催したこと、福岡市長選に公開質問状を出したこと、九州産業大学で特別講義「和白干潟の自然や地球の自然を守りましょう!」を行ったことなどを報告した。
内田先生(九州産業大学)
今回、出水がラムサール条約登録湿地になったが、出水のラムサール登録に関わっていた。出水市役所では、突然の登録の話を受け、びっくりしたとのことだった。このようなことがあるので、和白干潟もあきらめずに活動することが大事だと思う。
※その他のグループの活動報告は、時間不足で割愛しました。
次回の定例会は総会、 3月11日(土) 10:00~12:00
場所:香住丘公民館