2024年度連携活動
「バードウォッチングin和白干潟2024」(和白干潟保全のつどい)参加報告
山之内 芳晴
◆日 時:2024年11月30日(土) 10:00~11:30 晴れ 大潮:満潮9:25 干潮14:48
◆場 所 : 和白干潟・海の広場
◆参 加 者: 28名(一般参加18名、スタッフ10名(港湾空港局2名、WF1名、守る会7名)
晴天でしたが北西の風が吹き付ける中でのバードウォッチングでした。海の広場の倉庫前に、鳥の写真パネルを設営し、浜辺に望遠鏡を7台準備しました。
満潮時間帯で、強い風が吹き寄せ白波が立っていました。鳥たちは砂州に集まっていました。10時に開会。WFの松本さんの開会の挨拶に続き、山本さんがパネルを使って和白干潟の鳥たちを説明した後、港湾局の松本さんがビンゴカードの説明。参加者は配られたビンゴカードにシールを選びながら貼りました。
<砂州の鳥たち> <開会挨拶> <鳥の写真>
10時30分、バードウォッチングの始まり。望遠鏡や双眼鏡で干潟の鳥たちを観察しました。砂州には、マガモ、ヒドリガモ、ツクシガモ等のカモ達や、ミヤコドリはいましたが、シギ・チドリの姿は見当たりません。沖合の波間にスズガモやホシハジロ、カンムリカイツブリなどが少しいました。奈多や塩浜の護岸を見ると、ダイサギやアオサギ、カワウなどもいました。参加者の方々は、双眼鏡や望遠鏡をのぞきながらビンゴカードをチェックしていきます。
<鳥の説明> <バードウオッチング> <バードウオッチング>
40分ほど鳥を観察した後、今日見られた鳥の鳥あわせをして23種類の鳥が確認されました。最初に干潟を見た時は、鳥が居るのは砂州だけのように思っていましたが、沖合や奈多や塩浜の護岸にもサギ類やカワウなどがいました。満潮時でシギ・チドリ類は見られませんでしたが、多くの鳥たちに出会えました。沿岸のアオサに混じってフレリトゲアメフラシがいくつもいて、皆で見ました。
<バードウオッチング> <ツクシガモ> <マガモ>
最後にビンゴ賞の下敷きとスポンサー提供の飲み物などを配り、散会しました。参加者の感想としては、以下のようなものがありました。
・初めて参加したが、色んな鳥が見られて楽しかった。
・鳥を見て名前を知ることができて良かった。
・望遠鏡で鳥を見て色んな鳥がはっきり見えて良かった。
<ハヤブサ> <ハクセキレイ> <スズガモの群れ>
■観察された鳥:
ヒドリガモ、オナガガモ、ツクシガモ、ヨシガモ、オカヨシガモ、マガモ、コガモ、スズガモ、ホシハジロ、カンムリカイツブリ、カワウ、ダイサギ、アオサギ、ウミアイサ、ミサゴ、トビ、ハヤブサ、ミヤコドリ、ハマシギ、イソシギ、セグロカモメ、ハクセキレイ、オオバン
<フレリトゲアメフラシ> <鳥合わせ>
九州産業大学特別講義「和白干潟の自然を守ろう!」報告
今林 眞由美
日 時:2024年10月12日 13:40~15:20
場 所:九州産業大学 1号館1階S101教室
講 師:山本 廣子(守る会代表)
参加者:22 名:学生 17名 先生1名、守る会4名
(ミニッツペーパー(課題)提出数=特別講義参加者数:98名 (守る会は除く))
山本代表が、和白干潟の生きもの手袋を使って自己紹介をしました。和白干潟を守る会は36年間環境保全活動に取り組んできたこと、和白干潟は九州産業大学の近くにあり日本で2カ所しかない自然海岸がある貴重な干潟であり、渡り鳥の越冬地や中継地として国際的にも重要な湿地で「国指定和白干潟鳥獣保護区」になっていること、干潟の生きものを育む酸素を多く含む海底湧水が湧いていることなどを紹介しました。
まず「気候変動や地球温暖化で思うことは?」と質問し、皆さんから熱中症、海水温上昇、自然環境の変化、などの回答がありました。そこで、「和白干潟の自然をとおして地球環境を考えてみましょう。」と講義が始まりました。スクリーンを使って和白干潟の四季ごとに観察される植物や生きものを写真で詳しく紹介しました。紹介した植物や生きものの中には、絶滅危惧種に指定されている種も多く、保護や対応が急がれます。人工島建設のために海水の流れが変わり、環境の変化により底生動物や渡り鳥の減少が起こり、最近は著しく減少しています。そのために和白干潟を守る会は、和白干潟が将来に渡って守られるようにラムサール条約に登録されることを目指して活動しています。行政に要望書を提出したことで、行政の取り組みや施策に反映されていることもあります。行政と連携した活動も続けています、と話しました。
<講 義> <講 義>
「シギ類が多いですね。」という質問に、「シギやチドリは、足に水かきが無く泳げない鳥です。干潟を代表する渡り鳥なのです」と答えました。「海水の流れが悪くなったのはどのように解決したのですか。」という質問には、「流れは悪いままで解決されていません。人工島建設で和白干潟の環境を悪化させた行政が海水の流れを良くするべきですが、皆さんにもどうしたら海水が入れ替わるか一緒に考えてほしいです。」と答えました。また韓国の干潟を訪問したことについて聞かれて、韓国の変化に富んだ素晴らしい干潟を紹介しました。韓国では多くの干潟をラムサール条約に登録して保全しており、ぜひ和白干潟もラムサール条約に登録してほしいと話しました。
<講 義>
また、「私たちが自然を守るために出来ることは?」と皆さんに質問しました。「ゴミをきちんと分別して出す。冬は暖房をひかえ工夫して過ごす。車を使わず自転車などにする。」など学生から解答がありました。「環境のことを考えて行動し、また環境のことを考えてくれる人を選挙で選びましょう。毎月の干潟のクリーン作戦に宗像ゼミをはじめたくさんの学生の皆さんにご協力いただき感謝しています。秋の国際ビーチクリーンアップでも宗像ゼミのみなさんにお手伝いいただきありがとございました。今日参加された皆さんもクリーン作戦に参加しましょう。」と呼びかけました。和白干潟をテーマにした山本代表のきりえ作品を映像で映しながら、色んな方法で環境保全に取り組んでほしいことを伝えました。学生の発言が多くあり、話が深まった講義でした。
アオサのお掃除大作戦2024(1回目)参加報告
山之内 芳晴
◆日 時 : 2024年9月29日(日) 13:00~15:00 晴れ
◆主 催 :「和白干潟保全のつどい」
◆場 所 : 和白干潟・海の広場沖合
◆参加者 : 39名(一般28名、スタッフ11名(港湾空港局2名、WF1名、循環生活研究所3名、その他1名、守る会:4名)
◆アオサ回収量 : 182袋
< アオサの説明> <アオサ回収場所の説明> <アオサ集め>
連日厳しい暑さが続いていますが、猛暑も和らぎ秋の気配を感じさせます。今年は、アオサの発生量は多くはありませんでしたが、それなりにはあります。
海の広場で松本さんの開会挨拶の後、九州環境管理協会の藤井さんがアオサ回収の目的やアオサのミニ勉強会を、循環生活研究所からアオサ堆肥化の説明を、港湾空港局からの注意事項と、回収作業の説明をした後、各自、アオサを入れるネットとソリを持ち、海の広場の沖合いへ向かいました。
<アオサ集め> <アオサ運び> <アオサ運び>
今回は、「アオサ回収によるアサリ資源の調査研究」領域のアオサを回収することにしました。各自、アオサをかき集め、ネットに詰めてゴミ置き場まで運びました。
今回は、参加者も多く、子供さん連れの方も多かったです。一般参加の方たちも子どもたちも、アオサを集め元気にそりを引いていました。
<報 告> <記念写真> < カモの群れ>
40分ほど回収した後、ゴミ置き場まで戻り、作業に使用したソリを清掃した後、海の広場でスポンサーから提供された飲み物でのどを潤してからゴミ置場前の浜辺で振り返りを行いました。
藤井さんから回収領域1000平方メートルの約2トンのアオサの内、約1.1トンのアオサを回収できたとの報告がありました。
<ハママツナ>
参加者からは、「たくさん採ったつもりでいたが、アオサの多さに驚いた」「市政だよりを見て環協に良いことをしたいと思った」「アオサを運ぶのが大変なので学校のラグビークラブの人を呼べば良いのでは」などの感想や質問がありました。
最後に11月2日のアオサのお掃除大作戦2回目を紹介した後、海の中道海浜公園の割引カードを渡して散会しました。
第12回「唐原川お掃除し隊」参加報告
松田 元
日 時:2024年9月14日(土)10:00~11:15
場 所:唐原川下流の唐原橋から河口までの区間
集合場所:唐原川外輪崎橋側(国道495号線沿い作業服の無法松福岡東店裏)
参加者:合計11名(地域ボランティア2名、山・川・海流域会議関係者2名)、和白干潟を守る会7名
回収ゴミ:11袋:可燃ゴミ9袋、不燃ゴミ2袋
粗大ゴミ:自転車1台、塩ビパイプ、錆びた鉄パイプ各1本、木枝束1個
< 開会説明> <清 掃> <清 掃>
連日の猛暑の中、第12回「唐原川お掃除し隊」を強行致しました。いつもの晴天と違い朝からガンガンと太陽が照り付ける過酷な日となりましたが、参加者も暑さや行事の為、昨年の半数の参加となりました。少ない人数でしたが、いつものように外輪崎橋上流、下流、浜田橋下流から河口までの3か所に分かれて実施することにしました。
<清 掃> <清 掃> <清 掃>
外輪崎橋の上流は、昨年度末の改修工事で土砂が撤去され、アシ原が無くなったことで残留ゴミがほとんどなかったのが、ゴミの減少の要因の一つかと思います。また浜田橋付近には今年も自転車が1台廃棄されていた他は、ゴミの量も減っていたと思います。残りの外輪崎橋下流にはアシ原が有り、その中に多くのゴミが残留していました。
<魚の群れ> < ハクセンシオマネキ> <記念写真>
作業の途中で珍しい鳥を見つけたので、グーグルのレンズで検索しササゴイと判明しました。また10㎝くらいの大きなフグが気持ち良く泳いでいる姿も確認致しました。ガザミの子どもや他のカニも水の中を素早く泳ぐ姿に感動しました。河口干潟では、ハクセンシオマネキの子どもも加わって、たくさんのハクセンシオマネキが爪を振っていました。
熱中症の心配が有り作業時間を1時間に短縮しての開始でしたが、アシ原の中は壮絶な暑さで危険な状況、気分が悪くなる人も有り早々に切り上げる事にしました。最後に全員で回収ゴミの仕分けと集合写真を撮って、散会しました。参加された皆さまお疲れ様でした。
第14回「和白干潟の生きものやハマボウを見る会」報告
山之内 芳晴
日時:2024年7月20日(土)14:00~15:30
場所:和白干潟・唐原川河口~牧の鼻
講師:藤井暁彦氏(九州環境管理協会)
主催:和白干潟保全のつどい(和白干潟を守る会、ウエットランドフォーラム、循環生活研究所、福岡市港湾空港局局)
参加者:28名(一般参加16名、港湾空港局3名、WF1名、九環境1名、守る会7名)
< 公園で挨拶> <生き物探し> < 生きもの説明>
梅雨明けも近い、夏の日差しの中、13:00に香住ヶ丘公園に関係者が集合し、受付の準備や唐原川河口にテント2張りを設営しました。13:45受付を開始、スタッフを除き約19名ほどの参加がありました。
14:00香住ヶ丘公園にて開会、山本さんに、2003年に牧の鼻のハマボウを発見したこと、2005年に守る会として「ハマボウを見る会」を始めたことなど「ハマボウを見る会」の歴史について話していただき、港湾空港局から観察ガイドや注意事項の説明があった後、全員唐原川河口の観察場所に移動しました。
< 生きもの説明> <干潟の生き物> <岩陰のカニ>
唐原川河口に着くと、テント近くには、ハマボウの群落が4カ所ほどあり、黄色い綺麗な花が咲いていました。年々ハマボウが広がっており、海の広場の方へも広がっています。
講師の藤井さんと守る会のスタッフのガイドで干潟の生きもの観察をしながら岩礁地帯を通り、牧ノ原のハマボウ群落地に向かいました。干潟には、コメツキガニやケフサイソガニなどのほか、クサフグやアカエイの死骸などもありました。今年はアオサが発生し始めているようです。
<アラムシロガイ> <カワウ群れ> <アカエイ説明>
牧の鼻海岸は、ハマボウで覆われ、大きな群落になっており、黄色いハマボウが満開を少し過ぎた頃でした。ここでは、山本さんから牧の鼻のハマボウや照葉樹林の説明がありました。この後ハマボウの主株の前で記念撮影を行いました。
<アオサ等の海藻> <ハマボウ> <記念写真>
参加者からは、色んな生きものが見られて楽しかった、初めて和白干潟に来て、色んな種類のカニがいて、カニのオス・メスの見分け方が分かった、などの声がありました。それからゴミ拾いをしながら現地解散としました。
解散後テントに寄ってもらい、用意しておいた冷たいお茶を飲んでもらいました。今年の「ハマボウを見る会」も大変好評でした。
回収したゴミ:人工ゴミ5袋
観察した鳥:カワウ、ダイサギ、アオサギ、ミサゴ、トビ
観察したいきもの:ケフサイソガニ、カクベンケイガニ、クロベンケイガニ、コメツキガニ、ハク
センシオマネキ、オサガニ、ウミニナ、オキシジミ、マガキ、テッポウエビ、イソギン
チャク、アラムシロガイ、ケハダヒザラガイ、アカニシ、ウネナシトマヤガイ、イナズ
ママメアゲマキ、クサフグ(死骸)、アカエイ(死骸)、ガザミ(死骸)
観察した植物:ハマボウ(花)、イソホウキギ、アシ、ハママツナ、ツルナ
海藻:アオサ、ボウアオノリ、オゴノリ、アサミドリシオグサ
2024年度日本湿地ネットワーク総会参加報告
山本 廣子
日 時:2024年6月15日13:00~15:30(東京行きは6/14~6/16)
参加者:13名 守る会4名
場 所:多目的レンタルスペース「タクスペ会議室」:東京都中央区日本橋(JR.神田駅から近い)
午前中は河内さんの案内で、東京都で初めて2018年にラムサール条約に登録された、葛西臨海公園と海浜公園に行ってきました。カンカン照りで暑い中、多くの人出でした。天然と人工が混じった干潟や浅瀬、淡水の池もありましたが、和白干潟の方が自然が多くて貴重に思えました。
< 葛西臨海公園> <葛西臨海公園> <河内さんと私>
日本湿地ネットワークの総会は会場のカギが開かず、暑い中待たされました。全国の干潟の集まりとしては少ない人数でした。守る会は東京周辺の人に呼び掛けて4名参加しました。コロナで5年ぶりの開催で、2019~2023年までの活動報告、5年分の決算報告、2024年度活動方針、2024年度役員についての報告がありました。私は運営委員になっています。
活動報告では全国の各会の活動も書いてありました。日本の大きな自然保護団体は、経団連・行政・自民党による取り込みで、多額の支援を受けていることを強調してありました。しかし資金援助を受けていない日本湿地ネットワーク参加団体の数が少なくなり、参加者も落ち込んで悩むところです。
<JAWAN総会> <JAWAN総会>
活動方針では、JAWAN通信の定期発行や運営体制の強化、JAWANの存在意義を示す活動を活発に、などが話し合われました。各地の状況では、和白干潟を守る会では干潟通信148号を配布して、昨年の干潟まつりは食べ物の出店もあり570人の参加で大成功だったこと、昨年夏と秋には「和白干潟のラムサール条約登録の要望書」を福岡市長や環境局長に出したこと、などを報告しました。「和白干潟は国指定鳥獣保護区になっていて開発計画も無いのになぜ登録されないのか?」という質問がありました。「和白干潟を将来開発できるように条件を残して置くためではないか」と
答えました。三番瀬では干潟を走る道路問題や人工干潟造成の問題があり、それに反対活動をしているからです。出席者全員の拍手で議事は承認されました。
終了後、守る会の人などで茶話会をしました。田中さんも遅れて参加されて、守る会の運営についてなどを話し、アドバイスをいただきました。大変有意義な東京行きでしたが、暑くてどこも人が多くて疲れました。以上報告です。
山・川・海の流域会議主催・自然観察会「唐原川を歩こう」報告
松田 元
日 時:2024年5月11日(土)10:00~12:05
場 所:唐原川中流域(引田橋~社田橋まで)
講 師 九州産業大学野生動植物研究会(城間さん、安武さん、古野助手、内田教授)
参加者:合計19名 立花山グリーンガイド、唐原川を考える会、和白干潟を守る会6名、その他一般参加7名
2年続けて雨で中止となっていた自然観察会は、3年目でやっと実現できました。今年は「唐原川を歩こう」です。朝から初夏の爽やかな風の中、晴天で気持ち良い自然観察日和です。
今年1月に開催した新春講演会では「唐原川の植物と生き物」と題して九州産業大学助手の古野正章さんに講演をいただき、写真等で講義を受けました。今回は古野さんや内田先生に付き添って頂き、九州産業大学の学生で野生動植物研究会のメンバーの沖縄出身城間さんに植物を、福岡市博多区出身で生き物が大好きな安武さんに唐原川に住む生き物について説明していただきました。お二人ともさすがによく勉強されているなと思いました。
< 挨拶> < ダンチク観察> < カルガモ親子>
今回参加者は19名でしたが、会員以外の参加者も7名と多く、ネットや会報をみて参加されたようです。遠く東区以外の方も3名おられました。最初に講師の先生方の紹介をしてその後、参加者の紹介をしました。次に、野生動植物研究会の皆さんで作成された、「唐原川 植物BOOK」を配布していただきました。判りやすく美しいカラー写真付きで、花の名前や特徴、原産地まで書かれていて、66種の草花を掲載しているとてもコンパクトで見やすいものです。またそれぞれにメモが取れるようにスペースを確保されていました。これは便利だと思います。
< 観察> < 観察> < 観察>
今回は、JR鹿児島本線の九産大前駅改札口で集合、九州産業大学北門で講師の先生方と合流し、唐原川の中流引田橋から上流に向かって観察することになりました。引田橋付近には、川底にダンチクを始め日本原産種や外来植物も各種あり、皆さん熱心にテキストにメモを取り、質問も多くありました。難しい質問には古野さんや、内田先生が答えました。また鯉などの魚類やカニ、亀などの生き物には、安武さんや先生が答えました。水が溜まっている所ではカルガモ親子が並んで移動しており、可愛かったです。ツバメが飛び交っていました。
< オオカナダモ> < 記念写真> < 記念写真>
最近では土手に防草シートが設置されていますが、マツバウンランやスミレなど可愛い草花がひっそりと咲いている光景は心和みました。また先生からは「川底には多くの人工ゴミのレジ袋やペットボトル、空き缶等が目立つところもあります。これらが博多湾や玄界灘に流れ込み、やがては魚などを通して私たちの体内に侵入し、最後は自分たちの身に降りかかってしまうことになりますので、これらの人工ゴミの撲滅を呼びかける必要があります」とのお話も伺いました。
わずか800m程の区間を2時間以上かけて、ゆっくりと説明を聞き、質問をしながら観察できて良かったです。最後まで熱心に説明してくれた講師の方々と参加の皆様に感謝いたします。
山口県きらら浜訪問報告
山本 廣子
と き: 2024年2月2日(金)~2月3日(土)
ところ: 山口県新光産業きらら浜自然観察公園 参加者:守る会3名
山口県の阿知須干拓にあるきらら浜自然観察公園のビジターセンターで、1月27日(土)~2月25日(日)に「くすだひろこきりえ展~和白干潟の風」を企画して頂き、2月3日(土)に「きりえ教室」を企画頂きました。2月2日(金)に私がきらら浜に行くので、一緒にきらら浜を見てみたいと田辺さんと今林さんが同行されました。10時頃に出発して、新幹線の「新山口駅」には11:20 につきました。きらら浜職員の方が駅まで自動車で迎えに来てくださって、山口湾などを見学しながらきらら浜に着きました。晴れていて良かったです。
<きりえ展会場にて> <リーフレットなどの展示配布> <池を観察> <ハシビロガモ・オナガガモ>
ビジターセンターの事務所でお弁当を食べてから、きりえ展に展示してあるきりえを見ました。春夏秋冬の順にきれいに飾ってありました。和白干潟のリーフレット類を入り口やきりえ展会場にも置いていただき、配布できるようにしてありました。センターの窓から汽水池の鳥たちを見て、職員の案内で園内を散策しました。淡水の池や山口湾の海水が入った汽水の池やアシ原があります。淡水の池にはハシビロガモやマガモやオオバンも少しいました。通路にはシャリンバイやトベラなどが植えてありました。汽水池の奥側にクロツラヘラサギのゲージがあり、他の動物園で生まれたクロツラヘラサギが1羽入っていました。野生には戻れないのだそうです。周りには野生のクロツラヘラサギたちがいました。今冬は30羽くらいが来たそうです。
<山口湾> <ウミアイサ > <あし原> <ズグロカモメ>
山口湾側まで来て展望台から見ました。ミサゴの幼鳥が木に止まって鳴いていました。湾ではカンムリカイツブリやウミアイサを見ました。返り道はアシ原の中道を歩きました。水路ではカエルの卵が見られました。散策する人たちにも10人くらい会いました。ウイークデイは少ないそうです。
<ハマシギ> <ダイゼン> <火の山> <センターの展示>
ビジターセンターに帰り、望遠鏡で鳥たちを見ました。ズグロカモメが100羽程いて感動しました。他のカモメはほとんど来ないそうです。棒杭をたくさん立ててあり、そこにハマシギやダイゼンが止まっています。夕方頃には潮が引き干潟が出るそうです。ヤマトオサガニがたくさん住んでいて、浅いので海水があってもズグロカモメは飛び込んでカニを捕るそうです。私は広い窓の正面に見える「火の山」の姿が気に入りました。ギザギザで岩が山肌に見えます。スケッチしておきました。いつか登ってみたいと思いました。展示してある水槽などもたくさんありました。ヤマトオサガニなどのカニたちも水槽で飼育されていました。16時前には田辺さんと今林さんは職員の方に駅まで送ってもらって帰福しました。
<和白干潟の話> <交流会> <きりえ教室> <きりえ教室>
夕方には職員の方々とボランティア団体「葦の会」の方々20名程が集まって歓迎交流会をしていただきました。私はDVDやビデオを使って和白干潟の様子や和白干潟を守る会の活動を話しました。きらら浜の方々も和白干潟に関心を持っていただき、また訪問されることがあるかもしれませんね。実はずっと以前に和白干潟を守る会で山口県八代のナベヅルを見に行くバスツアーを企画したことがあります。その時にバスに同乗して「宇部野鳥保護の会」の方々が山口県の自然を案内してくださったのですが、その後グループで和白干潟の見学に来られました。その方たちが「NPO法人野鳥やまぐち」を作って、現在きらら浜の運営をしてあります。きらら浜でのきりえ展企画は今回で2回目です。歓迎交流会で夕食をしながらお話をして、新山口駅前のホテルに泊まりました。
<きりえ展 > <きりえ展 >
2月3日(土)はきりえ教室が午前中と午後に予定されていました。土曜日なのでたくさんの親子連れが参加されて、きりえ教室をしました。水鳥や植物などのカットを1つずつ色和紙で切り、ハガキやしおりに貼り仕上げていきます。小さなものでは物足りない人用に私のはがき大の作品をコピーしておきましたので、それに取り組む熱心な人もありました。1回1時間半の予定が、なかなか終わらず熱心でした。きりえ教室を済ませて、私は駅まで送って頂き帰福しました。帰りは雨になり濡れましたが、有意義なきらら浜行きでした。「NPO法人野鳥やまぐち」の方々には大変お世話になりました。
新春講演会 「唐原川の植物と生き物」報告
山之内芳晴
日 時:2024年1月20日(土)10:00~11:30
場 所:香住丘公民館(2階老人いこいの家)
講師:古野 正章 氏 (九州産業大学助手)
参加者:15名(守る会6名)
今年の新春講演会は、北九州育ちで九州産業大学を卒業されて都市の生物多様性や街路樹などを研究テーマとして活動されている古野正章氏に「唐原川の植物と生き物」と題して講演していただきました。
都市の生物多様性のところでは、街路樹の重要性とともに、地面の雑草なども必要であること、道路の緑化では、土手の草については、2015年に「その場所で採れた種を使うように」との環境省の指針が出されているとのことでした。
ここから、香住ヶ丘・下原・唐原の自然についての話しがありました。
立花山には特別天然記念物に指定されているクスノキの原生林があり、植物ではリンドウソウや動物ではイノシシ、シカ、サルなども生息している。また、頂上からの眺望は昼も夜も美しい。海岸に行くと和白干潟があり、トビハゼ、キモハゼ、ミミズハゼ、テッポウエビ、ヤドカリ、ヤマトオサガニなど多くの生き物がおり、干潟の夕景は美しい。
この後、学生時代10年間遊んで感じた唐原川の自然について、動画を見ながら下流から上流に向かって紹介された。古野氏は学生時代の10年間で、ふれあい環境教室、川の生き物観察会、立花山・三日月山登山、香椎下原小学校の立花山登山支援などの活動をされている。
唐原川は、全長2.5㎞、流域37㎢の2級河川である。鹿児島本線鉄橋付近では、川底にはアシ原があり、鯉などがたくさん生息している。香椎線鉄橋付近では、川底にはダンチクがあり、ハヤ、カワムツ、ドンコなどの川魚がみられ、植物ではヤナギバルイラソウ(外来植物)がみられる。九産大の裏門あたりでは、植物ではオオブタクサ、キショウブ、土手にはクズ、ネナシカズラ、ナンバンギセル、アレチヌスビトハギ、オオキンケイギクなどが生息し、川にはモクズガニ、ヨシノボリ、ウシガエルなどが生息している。中ノ原橋付近では、アカメガシワやセイタカアワダチソウが繁り、土手には防草シートが張られている。国道3号線の橋下は、光が当たらないので雑草も生えない。上の中原橋付近では、シロガヤツリが生息している。
下原小学校付近から上流域に入り、川幅が狭くなり魚も少なくなる。このあたりはホタルの幼虫の生息場所として護岸にコンクリートの樋(とい)が設けられている。最後に唐原川のゴミが多いこと、土手に防草シートが張られていて自然環境的にも良くないことなどを述べられた。防草シートについては、住民からのクレームが発端であり地域住民の意識改革が課題である。
古野講師は、唐原川のことについて良く研究されており、私たちも大変勉強になりました。